姫塚

更新日:2023年08月23日

八橋町(寺内)

(イラスト)姫塚

かきつばたの花で知られている八橋の無量寿寺本堂のうら庭に、小さな塚があります。この塚は姫塚とも、かきつばた姫の塚ともいわれています。

平安時代のころ、在原業平は、思ってはならない身分の高い姫を愛してしまい、都にいることができなくなり、東国の旅に出ました。旅の途中、八橋でしばらくの間、旅の疲れをいやしていました。

業平を愛していた姫は、別れのつらさにたえられなくて、ひそかに都をぬけ出して、業平の後を追い、八橋まで来てしまいました。
業平は、姫が女の弱い足で、はるばるここまで自分をたずねてきたことを知り、うれしさとなつかしさで胸がいっぱいになりました。
けれど、川をへだてて、姫と会って、
「わたくしが、東国へ旅に出たのは、あなたの幸せを願ってのことです。今、ここでいっしょになっては、わたくしの心も、また乱れてしまいます。どうぞ、わたくしのことを忘れて、都に帰って幸せにくらしてください。」
と言って、旅立ってしまいました。

慕っていた人に会えた喜びもつかの間、姫はあとに残され、悲しさと長い旅のつかれで病気になってしまいました。

無量寿寺で、村人たちに親切に看病されていましたが、姫の病気はよくなりませんでした。そして、とうとう池に身をしずめてしまいました。
村人は、姫をあわれに思い、無量寿寺に塚をたてました。その塚が姫塚です。姫が身を沈めた池には、かきつばたが美しく咲くようになり、それからは、誰いうとなく姫のことを、かきつばた姫というようになりました。

のちに、姫と会った八橋川を逢妻川というようになりました。

おしまい

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