不活化ポリオ
1期初回 | 1期追加 | |
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標準的な接種年齢 | 2か月~1歳 | 初回3回目終了後12~18か月 |
有効期間 | 7歳6か月に至るまで | 7歳6か月に至るまで |
回数と間隔 | 3回を20~56日の間隔で | 1回 |
通知対象者 | ご希望の人は保健センターへお問い合わせください。 | 左に同じ |
接種場所 | 個別予防接種医療機関で個別接種 | 左に同じ |
不活化ポリオワクチンについては、厚生労働省ホームページに詳細が記載されています。こちらからご覧ください。
病気の説明
ポリオ
「小児まひ」とも呼ばれ、わが国でも1960年代前半までは流行を繰り返していました。予防接種の効果によりわが国では1980年(昭和55年)を最後に野生株ポリオウイルスによる麻痺患者の発生はなくなり、2000年(平成12年)には世界保健機関(WHO)は日本を含む西太平洋地域のポリオ根絶を宣言しました。
しかし、現在でもパキスタン、アフガニスタン、ナイジェリアなどの国々では野生株ポリオウイルスによるポリオの発生が見られ、これらの国々から飛び火したケースで、一旦は野生株ポリオウイルスによる発症者の報告がなくなった国々において、再びポリオが発生し、さらに他国へ拡大するという事態も生じています。したがって、これらの地域で日本人が野生株ポリオウイルスに感染したり、日本に野生株ポリオウイルスが入ってくる可能性も考慮しておく必要があります。
口から入ったポリオウイルスは咽頭や小腸の細胞で増殖します。小腸の細胞ではウイルスは4~35日(平均7~14日)増殖すると言われています。増殖したウイルスは便中に排出され、再びヒトの口に入り抵抗力(免疫)をもっていないヒトの腸内で増殖し、ヒトからヒトへ感染します。ポリオウイルスに感染しても、ほとんどの場合は、症状が出ず一生抵抗力(終生免疫)が得られます。症状が出る場合、ウイルスが血液を介して脳・脊髄へ感染が広がり、麻痺を起こすことがあります。ポリオウイルスに感染すると100人中5~10人は、かぜ様の症状があり、発熱を認め、続いて頭痛、嘔吐があらわれます。また、感染した人の中で、約1,000~2,000人に1人の割合で手足の麻痺を起こします。一部の人には、その麻痺が永久に残ります。麻痺症状が進行し、呼吸困難により死亡することもあります。
ワクチンの副反応(予防接種と子どもの健康から引用)
これまでわが国は経口生ポリオワクチンによって、ポリオという病気の根絶そしてその状態の維持を行ってきましたが、100万人接種に1例前後というまれではありますが経口生ポリオワクチンの重大な副反応であるワクチン関連麻痺を回避するために、平成24年9月1日より定期接種としてのポリオワクチンを経口生ワクチンから不活化ワクチンに変更しました。平成24年9月からは不活化単独ポリオワクチンであるイモバックスポリオR皮下注が使用されています。
不活化ポリオワクチンには、1、2、3型の3つのタイプのポリオワクチンウイルスの抗原(免疫を与えるもと)が混ざっています。3回の不活化ポリオワクチン接種を受けることによりそれぞれの型に対する抵抗力(免疫)がほぼ100%できますが、不活化ワクチンは経口生ワクチンよりも免疫の持続が短いために、4回目の接種が行われます。
イモバックスポリオR皮下注については、国内臨床試験では、3回接種後に、疼痛18,9%、紅斑77,0%、腫脹54,1%、発熱(37,5℃以上)33,8%、傾眠状態35,1%、易刺激性41,9%が見られたと報告されています。頻度は不明ですが、ショック・アナフィラキシー様症状に対する注意、けいれんが1,4%にみられたのでその対応に関する注意などが添付文書に記載されています。(2016年2月改訂(第6版)添付文書参照)
定期の予防接種によって引き起こされた副反応により、医療機関での治療が必要になったり生活に支障が出るような障害を残すなどの健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づく給付を受けることができます。万が一、給付申請の必要が生じた場合には診察した医師、保健センターへご相談ください。
更新日:2023年04月01日