これより陳情第3号に対する討論を行います。
まず、本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(久田義章)
次に本件に対する賛成討論の発言を許します。
10番 北野議員。
○10番(北野郁子)
陳情第3号「市場化テスト」や「給与構造見直し」に反対する意見書採択を求める陳情について賛成の立場から討論したいと思います。
この陳情の中でも述べられているとおり、国、地方の公務、公共サービスの最も大きな役割は、憲法が保障する基本的人権を具体化する、このことではないでしょうか。
この点に立って考えますと、昨年12月24日に閣議決定された新行革大綱は、民間開放で国の重要な責任を放棄し、地方自治体にもそれを押しつけるもので、到底認めることはできません。
まず「市場化テスト」官民競争入札ですが、民間の競争原理でサービスがよくなる。こう言われますが、本当にそうでしょうか。民間になれば利益についても重視されます。
その結果、介護報酬に関して言えば制度が導入された2000年度に比べ、昨年2004年度は不正請求により、都道府県から指定取り消し処分を受けた業者が10倍以上にもふえました。
こういう問題に対処せずに、民間開放にばかり力を入れる政府のやり方は、国民を無視したものではないでしょうか。
また、行政ニーズというのは多岐にわたります。仕様書や契約書により、サービス水準は確保できるという推進会議の主張がありますけれども、多様な行政ニーズを一律にマニュアル化することは難しく、公務員が行ってこそ公共性が担保できるものです。
そして、民間には撤退の自由もあります。もうからなければ手を引くことができます。これでは継続的な安定したサービスは望めません。
また、人事院は地域間隔差の導入を考えていますが、これは民間と公務員の賃金を比較して、その差が4.77%と最も公務員賃金の方が高い東北・北海道地域の数値にあわせて給料表の全体を5%引き下げ、その上で霞が関の18%を最高として、ゼロから18%の地域手当をつけるというものです。
東京など都市部への地域手当ということでは、地方で頑張っている方たちのやる気をなくさせ、人材が都市部へと集中する心配があります。
また、国家公務員の給与水準が引き下げられれば、地方公務員、そして民間へと制度変更が波及し、そうなれば地域経済にも大きな影響が生じてきます。
人材を確保し、地域に関係なく全国どこでも一定水準のサービスを提供するためには、それを支える制度の維持が不可欠です。
以上の理由から、この陳情に賛成といたします。
○議長(久田義章)
次に本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(久田義章)
討論なしと認めます。これで討論を終わります。
本件に対する委員長の報告は不採択です。
本件は委員長の報告のとおり決定することに賛成の議員は挙手願います。
〔賛成者挙手〕
○議長(久田義章)
挙手多数です。したがって、陳情第3号「市場化テスト」や「給与構造見直し」に反対する意見書採択を求める陳情の件は、不採択と決定しました。
これより陳情第4号に対する討論を行います。
まず、本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(久田義章)
次に、本件に対する賛成討論の発言を許します。
11番 佐藤議員。
○11番(佐藤 修)
それでは、陳情第4号食品安全行政の充実を求める国への意見書提出についての陳情書について、賛成の立場で討論を行います。
本陳情は、食品安全行政に関する事項。2つ目として食品安全委員会に関する事項。3つ目として輸入農産物の安全性確保に関する事項であり、いかに国民に安全な食料を提供していくのか、ここが陳情の趣旨であります。
しかし、過日の市民福祉委員会においては、市政会の委員が反対をされて、不採択となりました。
しかしながら、反対した委員の中からは趣旨採択があればという声も上がりました。私はその点を見たときに、この陳情に対して市政会の皆さんも多くのところで一致点があり、賛成の立場なんだなと、こう認識をしたところであります。
しかしながら、反対について述べられました。その反対の論旨の主な点は、有機畜産の推進、有機農業推進のための、法制度の確立について疑義が出たところであります。
現在の畜産の現状から見て、有機畜産の法制化、有機農業の法制化は大きな生産者への困難をもたらす、困難である、こういう点から反対をされたと私は認識をいたしました。
しかし、現在の畜産は経済的畜産及び農業は経済的かつ追求の結果として集約的であり、向上的生産となっているわけであります。効率的生産が追求をされて、薬投与など含めたものになっていることが大きな問題となり、食品への安全信頼が揺らいでいる原因でもあります。
有機農業、有機畜産は、とりわけ有機畜産はヨーロッパで生まれた考え方であります。薬剤に頼らず、有機栽培された飼料を与え、密飼いなどのストレスを与えない飼育をするというものであります。
このことから見られるように、有機農業と有機畜産は密接に結びついているところであります。もともとは、この有機畜産について言うならば、家畜の病気が人に感染をする。人畜共通感染病が問題となったときに、飼料内容と飼育環境が家畜の健康に影響を与えることが始まりと言われております。
つまり、安全な食料をどう生産をしていくのか、それが出発にあったわけであります。こうした点、近年のBSE問題が大きな問題となる中で、ヨーロッパ諸国においては有機農業、有機畜産が一層注目をされ推進をされてきているところであります。
本陳情はそうした中で、我が国における有機農業、有機畜産の推進を求めるものであります。そのための法制化を求めているところであります。現状の畜産に法制化することによって、本当に現状の畜産に大きな困難をもたらすものではございません。法の網をかけて、縛りをかけて農業者、生産者を苦しめるものでもありません。
だからこそ、この陳情においても有機農業、有機畜産の推進のために生産者に特別な生産者への直接払いなどの推奨制度をつくることを求めているわけであります。
ですから、法制度がスタートしたとしてもすべて縛りをかけて、その重しに同業者が苦しむというものではないわけであります。この点の誤解があるように思えるわけであります。
こうした見地に立つならば、自然循環型農業である有機農業、有機畜産の法制化は安全な食糧の確保を一層推進するものであり、近年の食糧、食品に対する国民の不安と不信。こうした現状から見て、国民の願いに真に答えていく方向だと思うわけであります。
生産者、そして生産者に新たな選択肢を提供し、一層の農業の発展に資するものとなることは明らかではございませんか。
また、食品の安全の評価に当たっては予防原則の立場に立って、予想される結果が重大な場合は、化学的根拠が不十分であっても規制を行う。こうした点については、もう既にヨーロッパでは一般的な原則となっているところであります。
食品安全基本法第5条では、食品の安全性の確保はこのために必要な措置を、食品の安全性の確保に関する国際的動向及び国民の意見に十分配慮しつつ、化学的治験に基づいて講ずることによって、食品を摂取することに国民の健康への悪影響が未然に防止されるようすることを旨として、行わなければならない、こう述べております。
しかしながら、予防原則については一向に述べられていないところでございます。この点では、予防原則といった場合、かつてカイワレの問題、また、埼玉のホウレンソウ、ごみ焼却場のダイオキシンの問題などがございました。
そうした点では、慎重にやらなければいけない問題ではあります。
しかしながら、この食糧という問題を見たときには国民に多大な影響を与える、こうした見地から、そうした予防原則に立った施策の推進も欠かせないところではないでしょうか。
2つ目の食品安全委員会に関しては、委員会の自主独立の確保。そのために必要な予算を確保すること。これは当然のことであります。
とりわけ、後の3つ目に述べてある輸入農産物の安全性確保の問題もあります。
この点では大半を輸入に頼っている我が国の食品事情、食糧事情のもとで対外的にこうした問題が起きたときに、しっかりと国民の立場で食品安全委員が決断をする、このことが求められております。
しかしながら、時として、こうした事態は外交上、また政治的な思惑で国民の健康に悪影響が出る、このような決定がなされる場合も懸念をされるところであります。
こうした点を見たときに、こうした食品安全委員会の自主独立の確保は委員会の生命線であり、私たち国民の命の生命線でもあると思うところであります。
そして第3番目に、輸入農産物の安全性確保のために輸入の検疫や、表示制度の充実を図ることも、当然だと思うわけであります。
先ほど市民福祉委員会の委員長より、委員会の報告がございました。
先ほどのところで、JAによる表示制度などがあるというふうに言われておりました。
しかし、今回の陳情ではそうしたことを問うたわけではなくて、いわゆる輸入農産物に対する検疫や表示制度の充実を図ること、このことを求めたわけでございます。とするならば、こうした問題をしっかりと充実をさせていくことは当然のことでございます。
今、港に揚げられる多くの輸入農産物については、腐らせないためにポストハーベストや、この薬をたくさん混入させる。それで鮮度を保つ。そうした措置が行われているところが現状でございます。
こうした現状を見るならば、より一層消費者が情報提供できるシステムの確立は必要であります。
さらに言うならば、我が国の食糧自給率が40%に落ち込んでいる現状、穀物に至っては27%であり、大変深刻な状況であります。
この状況は深刻な食料難と言われる北朝鮮の半分以下であります。この現状を打開し、国内の自給率を引き上げること、このことこそが安全な食料確保の道であり、そして国内農業の育成こそが急務であると私は思うわけであります。
そのためにも、今、大きなテーマとなっている、地産地消をより一層推進することも必要だと思うわけであります。
以上の点を申し述べて、この陳情に対して賛成の討論といたします。
○議長(久田義章)
次に、本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(久田義章)
討論なしと認めます。これで討論を終わります。
本件に対する委員長の報告は不採択です。
本件は委員長の報告のとおり決定することに賛成の議員は挙手願います。
〔賛成者挙手〕
○議長(久田義章)
挙手多数です。したがって、陳情第4号食品安全行政の充実を求める国への意見書提出についての陳情書の件は、不採択と決定しました。