これより請願第3号に対する討論を行います。
まず本件に対する反対討論の発言を許します。
17番 三浦議員。
○17番(三浦康司)
それでは、請願第3号につき、不採択の立場で反対討論させていただきます。
今回、提出されました小学校卒業までの医療費無料化を求める請願書につきまして、2,773名の署名を集めて提出されたことは、大変重く受けとめております。
しかし、当市の場合、現在就学前までの医療費が無料化とされています。また、来年度には小学校1年生まで引き上げ、無料化にすると市長も発言し、現在それに向け準備がされていると思われます。近隣都市のほとんどが就学前までの無料化であります。その中で、高浜市は平成18年10月より小学校、中学校卒業までに拡大を予定をされているとお聞きしますが、内容は個人負担3割のうち市が2割を負担という内容であります。県下の市では、西尾市が今年度4月より、唯一、小学校1年までの無料化が行われています。先日、碧南市が来年度より小学校は通院、入院、中学校は入院に対し全額を市が助成し、自己負担を無料としています。これに伴う経費は1億6,000万円を見込んでいるそうです。当市では、とてもできない対応であります。
当市において、小学校1年まで無料化を拡大することは、大変評価するところであります。現在、5歳以上は県費の補助はなく、市の単独負担となります。県費の拡大をお願いし、平成20年度の6歳児まで2割負担への改正も期待しつつ、まずは当市、来年度1年生の拡大を見守りたいと思います。
当市の場合、現時点においては、通院に対し1学年当たり約1,200万円かかります。6年まで負担した場合は、約6,700万円かかる計算となります。当市の財政事情からいえば、大変難しいところであり、段階を経ての拡大が相応と考えます。よって、当請願書につきましては、不採択とし、反対討論とさせていただきます。
○議長(高木正博)
次に、本件に対する賛成討論の発言を許します。
19番 中島議員。
○19番(中島牧子)
請願第3号 小学校卒業までの医療費無料化を求める請願書に賛成の立場からの討論をいたします。
私は、請願の紹介議員の1人でもあります。合計特殊出生率、これが今、全国で1.24という極めて深刻な事態になっているのはご承知のとおりです。先日、テレビの番組で、年金制度を最低維持するのに必要な出生率は1.45である、こう報じておりました。年金制度維持、これは労働力の確保を含む社会全体を支える力を維持するそのものだと思います。だからこそ、この数字は深刻に受けとめなければならない、こういうことであります。
知立の出生率は、やはり年々下がってきておりまして、しかし、ちょうど最新の数字でいいますと1.45であります。年金制度維持最低の率と一致しておると、こういうふうに認識をしておりますが、とはいえ、じりじりじりと知立も下がっているわけであります。市長は、少子化対策は喫緊の課題と今議会でも意見を表明をされております。まさに、今日的な市の重要施策であると認識と私は受けとめます。
子供の医療費無料化は、若い世代の子育てを経済的に支え、また、子育てに不安を抱く母親にも精神的な支えにもなっています。この制度は古くからありまして、私も、この制度で3人の子供を育てました。当時は、ゼロ、1歳児だけが無料、これがずっと長く続いたわけであります。私の子供たちに、社会が手を差し伸べてくれている、とても安心し、感謝したものであります。30年を越す歴史ある制度でありますけれども、少子化対策が叫ばれるようになってから、年齢の拡大がどんどん進み、世論が大きく広がっているわけであります。
愛知県が対象者を4歳未満にまで引き伸ばしたのは、医療費窓口負担が2割になった。4歳未満が2割になったそのときでありました。それをばねにさらに自治体が上乗せをして頑張って今日に至っております。現在では、県下ほとんどの自治体が就学前まで無料化している、さらに拡大の努力を払われているのが最近の状況であります。知立市も6月議会で、市長は日本共産党の質問に答えて、来年は1年生も対象にして無料にする、こういう決断を下していただきました。このこと自体、第一歩の前進と評価するものであります。
最近の動きとしては、ちなみに西尾市が、今年度から小学校1年生まで無料、高浜市は市単独部分をこの10月から中学3年まで拡大し、2割を助成、碧南市は9月議会で発表されましたけれども、来年度小学校卒業までと、中学生は入院費、これを無料にすると発表。また、幸田町も来年度3年生まで無料といたします。県下では合併をした弥富町が弥富市になりましたが、ここが中学校卒業まですべての医療費を無料にする、こういう動きです。名古屋市は、今年度3年生までにしておりますが、所得制限があります。来年度は、この所得制限を撤廃するという動きが表明をされております。今、県下では、すべての議会といっていいほど、この医療費無料制度の拡大が大きなテーマとなって議論をされており、引き続きこの拡大のテンポは速まっていくのであろうと私は確信するものであります。
知立市で2,773人の方の署名が集まりました。すべての保育園と幼稚園の門前に私どもは立ちました。多くの皆さんから、ほんとに助かる、ぜひ頑張ってほしい、こういう声がなべて上がりました。来年度は1年生まで実施されることが表明された、このこともお伝えをしながら、ぜひこれをさらに拡大してほしいという声であります。具体的には、慢性疾患で治療が長引いて、アトピーやぜんそく、こういうものでほんとの長引いて、小学校に上がってからの医療費が本当に心配だ、こう思っている。また、小学校へ上がった途端、骨折して困ってしまった、こういう子も多いんですよとか、うちは、よほど病気にかからないけれども、医療費の援助は本当に安心です、こういう声が直接たくさん届けられました。どの子も健やかに育てられる権利を保障する制度で喜ばれ、期待がとても大きいと確信しました。ぜひ小学校卒業までの医療費無料化を進めようではありませんか。
請願に、先ほども市政会の代表、三浦議員が反対されました。碧南市のようにお金はない。段階踏んでからならよいけれども、一気にはとても無理だ、こういう態度でありました。請願には、一気にやってほしいということは、どこにも書いてありません。署名をした多くの方たちは、来年は1年生。それがさらに広がって、小学校卒業までとこれを望んでいる、こういうことであります。議会人は、市民の願いをどのように具体的に実現していくのか、これを研究し、いっときも早く実現するにはどうしたらよいかと知恵を絞るのが仕事ではないでしょうか。すぐには無理だから、だから反対だと、余りにも能がないではありませんか。
現に就学前まで拡大するときには、請願を全会一致して採択をし、実施はその2年後でありました。準備、段階を踏んで少しずつ広げて就学前まで拡大をした経過、お互いに承知をしているのではないでしょうか。それは当たり前のことであります。ちなみに、そのときの知立市の取り組みは、財政豊かな碧南市よりも早かったことも、私は、はっきり記憶しているわけであります。知立市の施策を見て後ほど碧南市がついて来た、これが実際であり、まさに市長の政治姿勢の問題であり、知立市議会の政策選択の問題であります。少子化対策が喫緊の課題との位置づけを表明された市長の与党会派として市長の足を引っ張ることにならないよう忠告申し上げたい。
財政的には、決算審査で大枠は明らかになりました。2008年度就学前までは医療費窓口負担が2割になります。2004年度小学1年生まで実施するその予算を合わせベースにいたしますと、2008年度には3年生まで無料を拡大しても、なお500万円を超えるおつりが来るということも確認をさせていただきました。2008年度、3年生までやれると市長も表明いたしました。それで終わるならば、実質的には後退ということです。喫緊の課題に見合ったさらなる拡大は当然であると私は市長に問いました。市長も6年生までの無料化に希望を持って来年度は、まず1年生を無料にするという気持ちで望むんだということをおっしゃいました。決して小学校卒業まではやらないんだといって表明したわけではありません。希望を持って一歩一歩歩いていく、拡大していくんだ、これが伝わってきたではございませんか。
拡大の条件を早めるのは、やはり愛知県の制度拡大です。過去の経過で医療費窓口負担の軽減が県の制度の年齢拡大を進めたわけであります。2008年度に、またさらにこのチャンスが到来します。市も議会も県に大きくアプローチしていくことが、今こそ必要ではないでしょうか。
ことしの3月議会では、愛知県に制度拡大を求める意見書、就学前まで無料化制度を実施してほしいと県に意見書をあげてきたのも記憶に新しいわけですが、だからこそ、こんな大事なときに消極的な理由を述べて反対するなど、最大会派の責任という点で大問題だと私は指摘をいたします。ぜひ再考を求め、市長の6年生までの無料化に希望を持って、来年まず1年生を実施する、無料にする、この気持ちを酌んで採択をしていただきたいと訴えて賛成討論といたします。
○議長(高木正博)
次に本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高木正博)
討論なしと認めます。これで討論を終わります。
本件に対する委員長の報告は不採択です。
本件は委員長の報告のとおり決定することに賛成の議員は挙手願います。
〔賛成者挙手〕
○議長(高木正博)
挙手多数です。したがって、請願第3号 小学校卒業までの医療費無料化を求める請願書の件は、不採択と決定しました。
これより請願第4号に対する討論を行います。
まず本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高木正博)
次に本件に対する賛成討論の発言を許します。
19番 中島議員。
○19番(中島牧子)
本会議で反対をされるというその具体的な意思表示をされないということに対しては、まず私は、残念というか、逆にひょっとして賛成をしていただけるのかとこういうこともあり得るのでしょうか。私は、この請願第4号 安心できる介護制度の実現を求める請願書に賛成をいたします。
介護保険が実施されて6年余が経過しました。また、介護保険法の改定が昨年行われ、昨年10月からの一部実施に続いて、今年度からは全面実施されています。この間の介護問題をめぐる最大の特徴は、介護保険導入時に最大のにしきの御旗にされていた介護の社会化という言葉が姿を消し、それが実現したのか検証もないままに、今度は自立自助の方針が全面に出てきたことであります。社会保障にお金がかかり過ぎる、高齢化が進む中、もっと制度の持続可能性を追求する、こういうことで給付の効率化・重点化が図られ、その実、社会的弱者の介護サービスからの排除にもつながる改悪が進められております。
昨年10月からの食費、居住費の負担増と、ことし4月からの全面改悪で介護を必要とする人からもサービスが受けられないという事態が生まれております。おりしも、高齢者の税制改悪で何倍もの増税も追い打ちをかけているのは御承知のとおりです。在宅の方の場合では、デイサービスでの食事代が大幅に上がったために、通う回数を減らすとか、ショートステイは食事代とさらに居住費、ホテルコストも負担しなければならないので、これも回数を減らすとか、また、どうしても必要で利用している人も、かつかつの暮らしの中で、やっと利用料を支払っているという状況があります。 また、軽度者からは、介護保険で利用してきた介護ベッドや車いす、また、ヘルパーやデイサービスのサービスが取り上げられるという事態も問題になっております。
これについては、日本共産党知立市議団が実施したアンケートで悲痛な訴えが幾つかありました。介護ベッドを取り上げられたら、夫を在宅で介護し続けられなくなる。取り上げないでほしい、奥さんからの訴えでありました。全国でも事例が余りにも多く、抗議が続出し、政府も慌てて改善の通知を出しましたが、もとはといえば、政府のいうサービス過剰は自立を妨げるとの画一的な論調から出てきた施策そのものであったのです。高齢者が人間としての尊厳を保障されるよう、介護保険の保険者は責任を果たさなければなりません。
今、安心できる介護制度を求める声が強くなるのは当然のことであります。請願者は、だれもが安心できる介護制度のために利用料の減免制度の拡大と重度の要介護認定者の在宅介護手当を求めています。市政会は、委員会では高額サービス費がある、また、特定入所者介護サービス費がある、こういう減免制度がある、実質的に軽減する制度があるから、市独自の軽減制度は、もう一切要らない、こういうふうに請願者に背を向けました。先ほど委員長報告にもありましたけれども、サービスが安価になる、安価で十分なサービスは人間らしい生き方にとって弊害になる、また、家族の役割を忘れてはいけない、もっと家族が真剣に介護しろといわんばかりのこういう委員長報告、反対討論の中身が紹介をされておりました。ほんとに私は、こういう言い方に対しては憤りを感じます。現実を見ない発言だな、こういうことであります。
また、今の介護制度は、日本の介護制度は歴史も浅くて、しょせん介護職員も簡単な試験で資格が取れるので、まだ力不足だ。介護保険は、いろいろ問題があるのは仕方がない。今は見守っていくしかない、こういう意見も出されていたわけであります。これは、介護事業者であられる神谷議員が発言をされたわけでありますが、私は、関係者であるなら、現実から見えてくるものから積極的に改善提案されるのが立場を生かすことではないかと残念に思いました。
ところで、知立の介護実績から何が見えてくるのか着目してみたのでしょうか。所得の低い人ほど要介護者の出現率が高い。これは全国もそうでありますが、知立も例外ではありません。決算の資料で明確にこれが出ております。また、同資料によれば、介護サービスの利用状況は、どんどん後退しているということであります。在宅介護の柱である訪問介護は、計画に対し達成率61%、これは17年度の決算です。ここ3年間最低、毎年下がって最低になりました。デイサービスは人気の高いものですが、それでも計画に対して、いつも100%を超えていたものが、それを割って96.2%と初めて100%を割った。在宅サービス全体では、計画に対する達成率は89%、3年間で全体でも最低、前年度より10.5%も下がっているわけであります。
施設サービスも同様に77.9%、70.0%、66.2%と、これは3年間の数字でありますけれども、下がりっぱなしであります。施設の不足で待機者はふえています。介護の社会化は、じりじりと後退している、これがこの数字からあぶり出される姿ではないでしょうか。制度改悪が利用低下をさせている、こういうことも考えられます。介護保険は、高齢者も家族もわがままにさせているかのようなこんな発言もありましたけれども、これらの数字を分析すれば、その見解は一部だけを見て全体を見ない少し早計なものではないかと感じます。現実をもっと見て、本来の目的である介護の社会化を進めるべきと考えますし、そのためにどうしても所得の少ない人への軽減措置がもっと必要です。高額サービス費は、限度額を超えるほど使わない人には意味がありません。節約して利用している人は届かないんです。軽減される余地もない。そんな人への減免制度を国は全く実施しておりません。だから市が独自にやっているわけであります。市町村民税非課税者で前年収入が1人ならば103万円以下、2人なら160万円以下というもので、在宅サービス2分の1にする制度が現在あります。実績として平成17年度では、たった14名だけ。余りにも少ないわけでありまして、所得制限の見直しを私どもは求めているわけであります。
9月議会でも、これについては検討を約束をされました。よりよいものを当局が、今一生懸命考えてくださっていると確信をしております。保険料の減免制度の収入ともこれは差があって、統一性がない、こういうことも申し上げてまいりましたが、そういったことも含めて、当局が一生懸命、減免制度を何とか改正しようと頑張ってくださっている。こういう今ところにありますけれども、請願を否決するというのは、この市の今の対応に対しても水をかけるものであります。介護手当は、かつて月5,000円、寝たきりの方や痴呆症の重い方を在宅で介護している家族に支給されておりました。当時もヘルパー派遣制度があり、デイサービスもあり、今より安く利用できていた時代であります。その上で、家族の苦労は、なお余りあるということで手当を支給していたわけであります。介護保険スタートと同時に、これをなくしてしまいました。理想の介護保険にはいまだ遠く、介護度4とか5になる人は、利用料は大幅にふえる、在宅で苦労されている方には、実質的に利用料減免にかわる支援として介護手当の支給が必要かと思うわけであります。高齢者が高齢者を介護する老老介護、この疲れから虐待が生じたり、介護放棄が生じたり、または共倒れしたり、最悪は無理心中など、心配はほんとに尽きません。高齢者が人間らしく人生を生き抜きことができるよう、ぜひ請願を採択し、知立市で安心介護を実現したいと思います。市政会の皆さんにも、ぜひもう一度、御一考いただいて賛成をしていただきたい。決断をお願いをして賛成の討論といたします。
○議長(高木正博)
次に本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高木正博)
討論なしと認めます。これで討論を終わります。
本件に対する委員長の報告は不採択です。
本件は委員長の報告のとおり決定することに賛成の議員は挙手願います。
〔賛成者挙手〕
○議長(高木正博)
挙手多数です。したがって、請願第4号 安心できる介護制度の実現を求める請願書の件は、不採択と決定しました。