次に、1番山ア議員の一般質問を許します。
〔1番 山アりょうじ登壇〕
○1番(山アりょうじ)
議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、簡潔に質問させていただきます。今回、私は、犯罪のないまち、知立を目指してというテーマで、防犯に関して五つ、質問をいたします。
まず一つ目として学校の安全管理と防犯対策として、校内の不審者侵入のセキュリティー対策について質問させていただきます。近年、学校を取り巻く環境は、目まぐるしく変化してきております。特に学校での凶悪事件が、多発していることは、大変憂慮すべき出来事であります。地域の将来を担う子どもたちの安全を守ることは、大切な使命であります。しかし、実際には、頻繁にニュースなどで、悲しい事件、事故が伝えられているのが、現実であります。本来、安全であるべきはずの学校に不審者が侵入して、子どもの安全をおびやかす事件が多発していることは、大変悲しいことでございます。そこで、学校に通う子どもたちの安全確保についてお伺いしたいと思います。
まずは校内への不審者侵入に対して、セキュリティー対策を現状どう指導されているのか、お答えください。
次に二つ目の質問として、小中学校の登下校時の安全確保について質問させていただきます。先ほど述べた校内で起きている事件と同様、昨今では、登下校の際に起きた犯罪件数も増加をしております。全国の街頭で起きた誘拐、連れ去り事件は、平成15年では284件、平成16年では20件、そのうち小中学校に絡む事件は、100件を超えており、登下校をねらう犯罪が増えており、子どもに危害が加えられる事件が後を絶ちません。知立市においても、子どもの安全を守るために、多くの市内の家庭、店舗、事業所等が、子ども110番に協力していただいているところでありますが、残念ながら全国的に見ても、不審者の数は増えていく状況にあります。
そこで、現在の登下校時における不審者の現状と対策についてお伺いいたします。
次に三つ目の質問として、防犯パトロールの推進ついて質問させていただきます。子どもの健全な育成が、学校はもちろんのこと家庭、地域社会との連携・協力がなければなし得ないのと同様、安全安心な学校づくり、安全安心な子どもの居場所づくりも、地域ぐるみの取り組みなしには、なし得ないものであると思っております。学校や子供が危険にさらされている今、保護者や地域住民の方々、地域の団体の方々の協力を得て防犯パトロール隊をつくり、子どもの登下校時の安全確保のため、巡回を行っている地域も増えてきました。
そこで、本市の防犯パトロールの現状と推進状況についてお教えください。
次に四つ目の質問として、地域の安全対策について質問させていただきます。現在、日本の犯罪件数は、発生件数が増える一方で、検挙率は戦後最低水準に落ち、世界一安全と言われたかつての日本とは、全く環境がかわっております。犯罪の凶悪化、組織化、国際化も進み、ひったくり、ピッキングなど私たちの身近な生活の場で、多発する犯罪に多くの市民の皆様は、不安を感じております。犯罪の多発や多様化で警察の業務が増え、交番に勤務する警察官が不足し、全国の交番でも空き交番が目立ってきております。交番に警察官の姿がなければ地域の皆様は、不安を感じ、犯罪者につけ入らせるすきを与えてしまいます。
全国的にも通り魔事件や、児童の連れ去りなど、従来では考えられないような事件が多発しており、地域の治安悪化が進む中、空き交番をめぐっては、不安を感じる地域の皆様の声が大きくなっています。したがって、空き交番ゼロや地域バトロールの強化を図り、行政、地域、家庭、個人が一体となって安全・安心のまちの実現に向けて、体制づくりをすることが必要とされております。
そこで、本市の空き交番の状況と解消策についてお答えください。
最後に五つ目の質問として、防犯灯の増設について質問させていただきます。市民の皆様からの要望はさまざまですが、その中の一つに防犯灯の件がございます。私は昨年、町内会の役員を務めましたが、防犯灯に関しては、地域の皆様の要望は、非常に強いわけでありますが、明るく安全なまちづくりを推進し、犯罪を未然に抑止することは、行政の基本的な役割として、優先的に取り組むべき重要な課題であると考えております。そして、防犯灯は、地域の夜間における犯罪を未然に防止し、明るく住みよい地域社会づくりを推進する目的でもって設置しているものでございます。また、犯罪の防止策として、犯罪の手口等をよく知り、その対策を講じていく必要がある中、愛知警察署によりますと、空き巣、忍び込みを行った犯罪者の大半は、光や音を大変嫌うとのデータもあり、まさしく防犯灯の整備は重要な要素ではないかと考えております。
しかし、これまでも町内会等からの要望に対し、積極的に安全対策を推進し、成果を上げていると思いますが、財源の問題もありまして、まだまだ不足しているのが現状であると私は思っております。
そこで、最後の質問ですが、防犯灯の増設に関して、本市としての今後の支援と先ほど杉原議員からも質問がありましたが、再度確認のため現在の設置状況と、要望状況も合わせてお伺いいたしまして、第1回目の質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(高木正博)
石原教育長。
○教育長(石原克己)
学校の安全管理と防犯対策についてお答えいたします。
初めに、校内不審者侵入に対してのセキュリティーの現状と対策についてでありますが、ソフト面の対応につきましては、各学校では、不審者侵入時対応マニュアル及び緊急時の連絡網を作成し、緊急時の対応に備えております。また、学校内の安全を確保するための校内安全巡視員を組織化し、校内を巡視していただいております。
本年度の5月11日には、知立小学校に不審者が侵入したという想定で、市内全小中学校が学校安全緊急情報共有化広報ネットワーク伝達訓練を実施いたしました。その折に、すべての学校において、不審者侵入時対応訓練、または、防犯教室を実施しております。また、それ以外にも、児童生徒の防犯教室や、職員の防犯訓練を実施している学校もあります。
ハード面の対応につきましては、昨年度各学校に刺股3本を配付し、職員室の出入口等に設置しております。また、学校のフェンスや門扉を整備し、授業が行われているときは、1カ所を除くすべての門を施錠しております。施錠していない1カ所の門につきましては、学校の職員や、校内安全巡視員などに警備をしていただき、児童生徒が安心して学校生活を送れる体制をとっております。
次に、登下校時における不審者の現状と対策についてでありますが、昨年度、平成17年度でありますけども、昨年度、学校から報告があり、学校教育課ホームページに載せました市内小中学生の不審者情報は、18件ありました。そのうち、登下校時における不審者情報は、6件でありました。本年度は、11月末までに学校から報告があった不審者情報は、11件であります。そのうち、登下校時における不審者情報は、7件でありました。男子児童からの情報が1件、あとの6件は、女子児童や女子生徒からの情報でありました。こうした登下校時における不審者被害に対応するために、各小学校では、集団による登下校に努めております。
特に下校時は、異学年と下校させたり、下校時間を区切ったりして、なるべく大きな集団になるようにしております。また、防犯ブザーや防犯ホイッスルの携帯も指導しております。
中学校におきましては、昨年度は、防犯上の理由から、通学路を人通りの多い道路に変更した学校もあります。
次に、小中学校区における防犯パトロールの現状と、推進状況についてでございますが、昨年度、市内の小中学校すべてに児童生徒の安全を守る学校安全ボランティアを組織化いたしました。7月10日現在、小中学校あわせますと、防犯ボランティア849名、校内安全巡視員102名、あわせて951名の方に活動をいただいております。
以上でございます。
○議長(高木正博)
企画部長。
○企画部長(清水雅美)
それでは、私の方から、今の教育長の御答弁と重なるかもしれませんが、市のパトロール隊の状況というお尋ねがございましたので、お答えをしたいと思います。
現在、市内では、先ほどの教育長の答弁の中にもありました、各学校におけるパトロール隊、見守り隊なども含めまして、全体で49の団体、グループが自主的な防犯パトロールを実施していただいております。そこに参加していただいている方は、延べで2,400人を超える方たちが、御協力をいただいている実態です。
その活動の内容でございますけども、これについては、それぞれ、個々の実情にあわせるということで実施をしていただいておりますので、夜間、やっておられるグループ、あるいは、昼間、また先ほどの子どもたちの登下校時にあわせてと、いろんなさまざまな活動をしていただいております。
また、谷田町の町内防犯パトロールについては、自前で青色回転灯付の車を確保され、それでもってパトロール隊を結成し、現在取り組んでいただいている地区もございます。
また、この地区については、県の防犯パトロールのモデル地区という指定も受けましたので、今、それに沿って活動していただいておりますけども、こういった活動を各町内にも御理解いただき、他の団体においてもそんな活動をしていただけるような、そんなことになればということも期待しているところでございます。
それから、空き交番の解消についてでございますが、御質問者もおっしゃいましたように、実際、交番にお巡りさんがいないという時間帯でありますとかそういったことがあるということは区長さんや市民の方からもお伺いするところでございます。この辺につきましては、昨日も申し上げましたが、やはり市が防犯対策一生懸命やるわけですけれども、やはり基本は警察力と言いますか警察の機関のそういった施設の整備でありますとか、交番の適正配置、あるいは人材の確保、こういったことがやっぱり必要だというふうに思っておりますので、幹部交番の改修の問題等とも含めまして、県に対してこの辺の要望については引き続き強く要請してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
それから、防犯灯の設置状況でございますけれども、今年度当初におきます設置状況を御紹介いたしますと、全部で白熱灯、あるいは蛍光灯、水銀灯を含めまして、全部で3,400余りでございます。新設の状況を見ますと、平成16年が126、17年度が143、18年度の予算については130基という予定で現在進めておりますけれども、この設置につきましては、午前中も御説明いたしましたけれども、各区長さんからの御要望等に基づきまして、私どもの方は予算化をさせていただいております。区長さんからの要望をいただいたものの設置数を調整するというようなことはしておりませんので、それぞれの実情に応じて必要な箇所を申し出ていただく、その部分については各年度設置をさせていただいている現状でございます。
以上かと思います。
○議長(高木正博)
1番 山ア議員。
○1番(山アりょうじ)
ひと通りの御答弁をいただきましてありがとうございました。
それでは、2回目の質問をさせていただきます。
まず一つ目の校内の不審者侵入のセキュリティー対策について、現在、どう指導されているのかはよくわかりましたが、他に対策はないかと他市を調べたところ、子どもたちを犯罪から守るために校舎内の全教室にインターホンを完備しているところがありました。
そこで、本市としてインターホンの設置はどのようになっているかをお聞かせください。
次に、二つ目の不審者の現状と対策についてですが、子どもたちの下校時の安全確保のために防犯ホイッスル、ブザーのお話がありましたが、その携帯率はどのようになっているのかをお教えください。
また、下校時の不審者に関して実際に発生した事件や阻止できた事件等、把握されていることがあればお聞かせください。
次に、三つ目の防犯パトロールの推進についてですが、現状はよく理解できましたが、パトロール隊の活動情報の横展開や連携など、その当たりの部分がまだまだ不足しているように私は感じております。そこで、今後情報の共有化を図ったり、全市でもう少し大きな単位での活動ができるようにするために、当局としてどのようにお考えかお聞きします。
次に、4つ目の空き交番の状況と解消策についてですが、これにつきましては、警察庁も重要課題ととらえておりまして、新聞等の報道でも空き交番の解消に努めると発表されておりますので、本市としましても引き続き空き交番の解消を警察当局に強く要望をしていただきますようお願い申し上げます。
最後に、五つ目の防犯灯に関してですが、以前、ラジオの放送や雑誌等で紹介されておりましたが、従来の防犯灯を白色から青色に変えた青色の防犯灯は犯罪心理学上、非常に効果があるとのことでありました。その青色は人の副交感神経に作用して、心理的に心を落ち付かせるという沈静効果と、犯罪心理上その気をそぐとのことでありました。また、夜間、一番遠くまで視野を広げる色であり、見通しがよくなるとも言われております。
この犯罪抑止効果が期待される青色防犯灯の導入につきましては、イギリス北部のグラスゴー市で始まったようであります。グラスゴー市が町の景観をよくするために青色街灯を設置したところ、犯罪の発生件数が減少したことから、青色に鎮静効果があるのではないかとして、犯罪抑止に青色防犯灯を導入したところが増えたとのことであります。
そこで、本市としましても、今後防犯灯の増設に当たり犯罪抑止効果が期待される青色防犯灯に移行していくことも一つの検討に値すると私は考えておりますが、御見解をお伺いいたします。
以上で、2回目の質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(高木正博)
石原教育長。
○教育長(石原克己)
まず、インターホンの設置状況についてでありますが、職員室と各教室を結ぶインターホンの設置につきましては、小学校におきましてはすべての学校で完備しております。中学校におきましては、知立中学校では完備しておりますが、竜北中学校と知立南中学校では一部の教室が設置されておりません。竜北中学校と知立南中学校につきましては、学校からの要望もありますので、来年度設置の方向で検討しているとことであります。
次に、防犯ホイッスル、ブザーの携帯率でありますけれども、小学校で言いますとホイッスルであります。5校、知立小学校と猿渡、来迎寺、東、八ツ田、この5校につきましては100%の携帯率であります。
西小学校と南小学校につきましては、1年生から3年生まではすべてホイッスルを持っております。4年生から6年生につきましては、ホイッスルまたはブザーを持っている児童が80%であります。この80%のうちホイッスルが60%、ブザーが40%であります。
中学校についてでありますけれども、中学校は
ブザーであります。知立中学校が26人、全体の3.5%、竜北中学校は24名、3.8%、南中学校は133名、22.4%であります。中学校全体といたしましては、183名、9.4%であります。
次に、実際に発生した事件で阻止できた事件があるかということでありますけれども、本年度防犯ホイッスルを活用した事例が今までに1件あります。6月下旬に小学校5年生の男児2名が下校中、自転車に乗った通りすがりの男が、1人の男児の帽子に手を伸ばし、帽子を取ろうとしました。2人は変な人と大きな声を出し、ヘルピー、学校では防犯ホイッスルのことをヘルピーと呼んでいるわけですけれども、ヘルピーを吹きました。そのため、男は逃げ去ったという事例であります。この情報は学校教育課のホームページの不審者情報にも掲載されております。
次に、お話がありましたように、学校の防犯ボランティアの相互の連携のために情報を共有化していくことはとても大切なことであると思っております。そのために今年度防犯ボランティア連絡会を立ち上げております。この連絡会には各学校のボランティアの代表の方、教頭、警察関係者、地域振興課、教育委員会の担当者が集まり、取り組みの状況や課題などを出し合っております。そのことが防犯ボランティア活動の自立・発展につながるものであると期待をしております。
今年度、既に2回連絡会を実施し、ボランティア団体保険に全小中学校の防犯ボランティアが団体加入できたことが成果の一つであります。
第3回の連絡会は、年明けの1月10日に開催し、犯罪被害者の心のケアについて名古屋大学教授の陰山先生より研修をしていただく予定であります。
以上であります。
○議長(高木正博)
企画部長。
○企画部長(清水雅美)
各パトロール隊との横の連携等々につきましては、今、教育長の話にもありましたけれども、地域振興課といたしましても、そういったところへの打ち合わせ会の参加、そういった受けた情報交換の中身もまた自主パトロール隊にお伝えをする。また、防犯連絡所の研修会等もございますので、そういった中での情報交換、また、横の連携についても話し合っていきたいと思いますし、また、市全体のパトロールの連携、協力体制についても今後十分に検討してまいりたいというふうに思っております。
また、空き交番の解消につきましても、引き続き要請の方をしてまいりますので、よろしくお願いをいたします。
それから、最後に防犯灯、青色の防犯灯の効果について御紹介があり、そういったものを取り入れてはどうかという御提案であります。この辺につきましては、他の都府県においてもそういったことで成果を上げておられるというような事例も情報として聞いております。また、県内の都市の中にも自転車置き場にそういったようなことを施し、現在その成果を検証中であるというようなお話も伺っております。私も一昨日ニュースを見ておりましたら、そういった光の人に与える影響という中で、青色というのはそういった今質問者が御紹介があったようなそういう効果があるという、犯罪抑止にもつながるということで、現にそういた防犯灯を設置されている町並みの紹介も私も見ました。そういったことで、そういったことも確かに必要だなというふうに思っております。
今後、またそういったことである一方、市民の皆さんにはそういった色がなかなか見慣れないというようなことでの少し違和感とかですね、そういったようなこともあるようなそういうお話も伺っておりますので、また、そういった辺も含めて十分検討してまいりたいと思います。
また、青色の蛍光管にいたしますと、どうしても照度が落ちるということで現状の20ワットでは少し暗いので、それを30ワットの物にしないとですね、適当な照度が得られないというようなことがあります。そうしますと、電灯量の基本料金が細かい話ですけれども、1灯について150円ほど上がってしまうというようなそういったようなこともあるようでございますので、その辺も含めて全体的な検討をし、対応をしてまいりたい。それを実際にやれるかどうかを含めて検討したいというふうに思っています。
○議長(高木正博)
これで、1番 山ア議員の一般質問を終わります。