○20番(高橋憲二)
陳情第2号 「外国人へ参政権を付与することに反対する意見書」に関する陳情について、反対の討論を行います。
今日、我が国に永住する外国人に地方参政権を付与すべきだという世論は高まっています。日本共産党は、この要求は当然のものであり、永住外国人に地方参政権を付与することは当面急ぐべき課題だと考えています。
現在、我が国には60万人を超える永住外国人がいます。これらの人々は、さまざまな問題を通じて地方政治と直接的な関係を持ち、日本国民と同じように地方自治体に対して多くの意見や要求を持っています。地方自治体は、本来すべての住民の願いにこたえ、住民に奉仕するために住民自身の参加によって進められなければなりません。その仕組みは、先ほど中島議員が訴えたところであります。
外国人籍であっても我が国の地方自治体の住民として生活し、納税を初めとする一定の義務を負っている人々が、住民自治の担い手となることは憲法の保障する地方自治の根本精神とも合致をいたします。最高裁判所も1995年2月、永住外国人に地方参政権を保障することは、憲法上、禁止されているものではないと判決を下してます。
また、世界の動向は、OECD経済協力開発機構加盟の30カ国を初め、ヨーロッパ諸国など多くの国々でも実施済み、または実施に向けた積極的な検討、議論がされています。
知立市議会でも平成7年3月27日付で定住外国人の地方参政権に関する意見書を採択し、政府に対し定住外国人が地方参政権に参加する道が開かれていない現状を指摘し、前向きな検討を求めています。この歴史の大きな流れの上に立ったとき、以上の点を申し添え、永住外国人に地方参政権を付与しないことを求める本陳情に反対せざるを得ません。
以上で反対討論といたします。
○議長(石川信生)
次に本件に対する賛成討論の発言を許します。
18番 風間議員。
○18番(風間勝治)
陳情第2号に賛成の立場で討論いたします。
本来このような案件は、国の立法政策にかかわる最重要案件の一つとされておりまして、地方議会の議論にはなかなかなじまない、国会の議論の推移を見守ることが重要であると思いますし、非常にデリケートで難しい問題を抱えておりまして、慎重性が求められると思っていますが、陳情が出された以上、現在の私の考え方を申し述べたいと思います。
外国人参政権とは、その国の国籍を有しない外国人に付与される参政権を指しておりまして、2010年現在、法律上外国人の方々には参政権は与えられておりません。日本国憲法第15条は、公務員を選定し及びこれを罷免することは国民固有の権利であると定められています。このことから日本国民には憲法上、選挙権、被選挙権など参政権が保障されています。
この大原則から外国人から帰化された方々に対する選挙権や被選挙権など参政権は、日本国籍取得者として当然日本人と同様すべての参政権が認められているわけであります。ですから、外国人が日本における参政権を要求する場合には、この憲法の原則論に沿い、帰化により日本国籍を取得され、義務と権利を享受できる道は明確に開かれているわけでありますし、そのような立場からの国会議員もたくさんおられるわけであります。
地方参政権を求めた平成7年2月28日の最高裁判決では、まず公務員を選定、罷免する権利を保障した憲法15条以降の規定は、権利の性質上、日本国民のみをその対象とし、右規定による権利の保障は、我が国に在留する外国人には及ばないと解するのが相当であるとしています。
また、憲法93条2項は、地方参政権はその地方公共団体の住民が選挙すると定められており、この住民とは地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するものと解するのが相当であり、右規定は我が国に在留する外国人に対して地方公共団体の長、その議会の議員等の選挙の権利を保障したものということはできないとして地方参政権を求めた原告の訴えを棄却しています。
確かに、この判決の傍論には、憲法は定住外国人に対し、地方参政権を付与することは禁止されているものではないと解するのが相当であるという部分的許容説が示されておりますが、傍論とは判決において表明された裁判官の意見のうちで判決理由に入らない部分のことを指しておるそうで、いわば参考意見でありまして、この裁判の主文、判決に流れる外国人参政権付与の考え方は、判決のとおりすべての外国人に国政レベル、地方レベルを問わず参政権は憲法上保障されていないとする否定説に立っていると解されているわけであります。
つまり、陳情趣旨にもありますが、日本国憲法で第15条以降、参政権を日本国民固有の権利としている大原則、そして93条2項、地方参政権はその地方公共団体の住民が選挙するという原則、その住民とは従前の最高裁判決をもって日本国民を意味するとされ、憲法の大原則及び最高裁判所の判決は外国人の参政権は認めていない現状であります。これらの現状、そして原則論によりまして、日本国籍取得帰化によって日本人同様のすべての参政権が外国人の方々に保障されるべきであると私は、現在考えております。
なお、参政権のありなしに関係なしに、外国人の方々に対する基本的人権の尊重や多文化への理解、共生へのまちづくりへの重要性、あるいは外国人の方々が住みよいインフラ整備などは、今さら私が言うまでもなく、地方自治体として充実を図らなければならない重要案件であるということは、この際、誤解のないように申し添える次第であります。
以上の理由によりまして、本陳情に賛成しまして私の討論を終わります。
○議長(石川信生)
次に、本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(石川信生)
討論なしと認めます。これで討論を終わります。
本件に対する委員長の報告は採択です。
本件は委員長の報告のとおり決定することに賛成の議員は挙手願います。
〔賛成者挙手〕
○議長(石川信生)
挙手多数です。したがって、陳情第2号 「外国人へ参政権を付与することに反対する意見書」に関する陳情書の件は、採択と決定しました。
日程第34 議員派遣の件を議題とします。
本件については、お手元に配付したとおり、地方自治法第100条第13項及び会議規則第160条の規定により派遣したいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(石川信生)
御異議なしと認めます。したがって、議員派遣の件については、お手元に配付したとおり派遣することに決定しました。
なお、派遣の内容に変更が生じた場合は、議長に一任願います。
お諮りします。ただいま知立市議会議員、山ア議員より議員提出議案第1号 外国人へ参政権を付与することに反対する意見書が提出されました。
この際、これを日程に追加し、直ちに議題としたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(石川信生)
御異議なしと認めます。したがって、この際、議員提出議案第1号 外国人へ参政権を付与することに反対する意見書の件を日程に追加し、議題とすることに決定しました。
議員提出議案第1号 外国人へ参政権を付与することに反対する意見書の件を議題とします。
提出者から提案理由の説明を求めます。
1番 山ア議員。
〔1番 山アりょうじ登壇〕
○1番(山アりょうじ)
議長のお許しを得ましたので、議員提出議案第1号 外国人へ参政権を付与することに反対する意見書について提案説明の説明をさせていただきます。
国家とは政治的な運命共同体であることから、我が国の運命に責任を持たない外国人には、たとえ地方選挙権であっても認めることはできません。外国人に参政権を付与した場合、さまざまな危倶が生じる恐れがあり、例えば住民の少ない市町村で外国人が大挙して住民登録すれば、市町村長や議員の選挙で強い影響力を及ぼし、また、地方自治体の教育行政や福祉行政等にも住民の意向に影響力を及ぼすことも考えられます。
地方参政権は、日本国憲法において、そこの自治体の住民の選挙等することが定められており、平成7年の最高裁判所の判決では、その住民は日本国民を意味するとされています。
以上のことから、意見書案にあります外国人へ参政権を付与しないよう、国に対し強く要望するため、地方自治法第99条の規定により意見書を提出するものであります。
意見書全文については、お手元に配付してありますとおりです。
議員提出議案第1号について、よろしく御審議の上、御可決くださいますようお願い申し上げ、提案理由の説明とさせていただきます。
〔1番 山アりょうじ降壇〕
○議長(石川信生)
 これで提案理由の説明を終わります。
 これより議員提出議案第1号に対する質疑を行います。質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(石川信生)
質疑なしと認めます。これで質疑を終わります。
お諮りします。議員提出議案第1号の件については、会議規則第37条第3項の規定により、委員会の付託を省略したいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(石川信生)
御異議なしと認めます。したがって、議員提出議案第1号の件については委員会の付託を省略することに決定しました。
これより議員提出議案第1号に対する討論を行います。
まず本案に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(石川信生)
討論なしと認めます。これで討論を終わります。
これより議員提出議案第1号 外国人へ参政権を付与することに反対する意見書の件を挙手により採決します。
 本案は原案のとおり決定することに賛成の議員は挙手願います。
〔賛成者挙手〕
○議長(石川信生)
 挙手多数です。したがって、本案は原案のとおり可決されました。
―――――――――――――――
○議長(石川信生)
 以上で、本定例会に付議された案件の審議は全部終了しました。
 これで平成22年知立市議会3月定例会を閉会します。
午後2時55分閉会
―――――――――――――――