○3番(安江清美)
陳情第9号 最低賃金の引き上げ、全国一律最低賃金制の確立を求める意見書の提出を求める陳情書について、反対の立場から討論をさせていただきます。
雇用条件を改善するために最低賃金を引き上げたり、派遣労働を禁止したり、解雇規制を行うことはいかがなものかと思います。そうすれば非正規労働者の雇用条件が改善して正規雇用との格差は少なくなりますが、失業者の就業という最終需要は増すわけではありません。失業者の数は変わりません。つまり、正規と非正規の格差がなくなる分、就業者と失業者の格差が広がるだけであります。
その上、就業者の待遇改善を政策的に供用すれば社員1人当たりのコストは当然上がりますから、企業はできるだけ社員の数を減らそうとします。ゆえに、失業者はふえてしまいます。つまり、労働者支援と言いながら、リストラ推称と同じ効果を持つ危険さえあるのであります。
現在、起こっている失業や格差や貧困問題の原因は、この需要不足によって引き起こされるゆがみであると思います。したがいまして、この需要不足が解決されない限り、いくら個別の対策を行っても解決にはならず、もぐらたたきと同じことであります。個々の局面はよくなったように見えても、必ず別の弊害が出てまいります。これらの政策を生かすには、新規需要をつくるしかないのであります。国民の生活の質を高める分野で雇用をつくればよいといっても、それには財政資金が必要であります。
その規模はどれぐらいか。少し古い資料ではありますが、2010年5月時点での完全失業率は5.2%、完全失業者数は350万人でありました。国民全体での消費は年間280兆円ですから、雇用創出の財源を消費税で賄おうとすれば、例えば2%の消費税増税で、1人当たり年間5万円弱の納税となることになります。合計5兆6,000億円の税収が入る計算になります。ここで、もし1人当たり年収350万円の雇用をつくれば160万人分賄えます。その結果、失業者数は190万人に減少し、失業率を2.8%にまで引き下げることができるようになります。この数字なら完全雇用に近いものとなります。
そこで、失業率が下がれば人々の景況感もかなり変化し、経済に対する安心感も広がり、デフレも大きく改善することでありましょう。そうすれば消費も増してくるものと思われます。現在のデフレ状況の中において、全国一律最低賃金制の確立は、以上述べたところにより、かえって労働者支援と言いながら失業者増を起こさせることになりかねません。
よって、この陳情に対し、一意の会としましては、不採択とさせていただき討論を終えます。
○議長(永田起也)
次に、本件に対する賛成討論の発言を許します。
11番 池田福子議員。
○11番(池田福子)
最低賃金の引き上げ、全国一律最低賃金制の確立を求める意見書の提出を求める陳情書に対して、日本共産党を代表して賛成討論させていただきます。
現在、最高は東京の837円、最低は沖縄の645円、愛知はその中間あたりの750円となっております。最高と最低では200円近い差があります。物価指数その他があるとはいえ、都会は都会で利便性や選択肢の多さがあります。それに比べて地方は、そもそも働く場所が限定されているわけです。賃金というものは、生活の維持と労働の維持ができる最低ライン、いわゆる労働の再生産を考えなければいけない、そういう思いでおります。全国一律最低の賃金体系は必要であると思います。そもそも日本の最低賃金が低すぎます。
しかしながら、昨年上がりました、これ。最低賃金引き上がりましたけれども、47都道府県中38市町村、これがすべて1円の引き上げです。1、1、1とずっと羅列されました。1円の引き上げということは、1日8時間働いても8円です。1日8円上がるだけということになります。そして、週休2日で22日間働いても多くて12万円ぐらい。少ない場合は10万円そこそこあるかないかということになってまいります。それに加えて非正規労働ともなれば、それでもいつ解雇されるかわからない状態で働いているわけです。働いても働いても貧困から抜け出せないという状況が続いております。憲法で保障されております健康で文化的な生活を送るには、ほど遠いということになるわけです。
最低賃金を大幅に引き上げる、それと同時に、地域間格差、この是正が必要かと思います。物価の違いがあるとはいうものの、しかし、基本となる最低ベースは必要です。必至の条件といえます。時間給が1,000円、そして日額7,500円、月額16万円もらったとしても、そこから家賃、税金、各種保険、そして病気になれば医療費がのしかかってくるわけです。全国どこで働いても最低これだけはもらえるという賃金ラインプラス、そのベースにして物価スライド分をプラスオン賦課していくべきではないかと思います。
この価格、是正をしない限り、人口の都市集中、そして地域の過疎化はますます進むことになると思います。今、労働者が安心して働ける職場環境の確保、これが必要。将来に不安があっては、結局結婚も出産もできなくなる。医療費の心配をしてお医者さんにかかるのも見合わせてしまう。結局病状としては悪化して後々医療費の負担はどっと増すということになります。将来は、逆にこの人たちの救済のための費用がかかるということにもなりかねません。まず働く者が自立でき得る賃金の確保、生活基盤を守ることを優先すべきと考え、この陳情書の提出に賛同の意を表します。
○議長(永田起也)
次に、本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
討論なしと認めます。これで討論を終わります。
本件に対する委員長の報告は不採択です。
本件は委員長の報告のとおり決定することに賛成の議員は挙手願います。
〔賛成者挙手〕
○議長(永田起也)
挙手多数です。したがって、陳情第9号 最低賃金の引き上げ、全国一律最低賃金制の確立を求める意見書の提出を求める陳情書の件は、不採択と決定しました。
ここで10分間休憩します。
午前11時00分休憩
―――――――――――――――
午前11時09分再開
○議長(永田起也)
休憩前に引き続き会議を開きます。
これより陳情第10号に対する討論を行います。
まず本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「賛成討論」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
次に、本件に対する賛成討論の発言を許します。
11番 池田福子議員。
○11番(池田福子)
労働者派遣法の抜本改正を求める意見書の提出を求める陳情につきまして、日本共産党を代表いたしまして賛成討論をいたします。
労働者派遣法は4月6日に改定されました。半年以内に施行の予定となっておりますけれども、またもや、ざる法であるということが明確になりました。
当初の政策案では、製造業派遣、登録型派遣、日雇い派遣の3類は原則禁止ということをうたっておりましたけれども、製造業派遣、登録型派遣は、そのままになり、そして日雇い派遣については3年後から始めますという、まことに緩やかな決定で終わりました。さらに期間を超えて派遣された場合の派遣先への直接雇用の義務づけも3年後でいいということになりました。
また、例外扱いとされております専門26業務、この専門性が高い業務という解釈ですけれども、中には、コピー取りあり、簡単な事務作業もこの例外に含まれているということになります。つまり、正社員として雇うよりも外部委託したほうが安上がりであると。そしてほしいときだけ雇えばいいと、このシステムはまことに便利で人件費削減になる。短期間で雇用すればいいという姿勢が見え見えであるということがはっきりしてきたわけです。
このようなシステムを温存したままでは抜本改正というにはほど遠く、何ら労働者のためにもなっていない、ざる法になっているということです。使い捨てを容認するものということになります。このような事態を放置すれば、逆に生活は逼迫して購買力は落ちる。そしてさらなる景気の落ち込み、いわゆる負のスパイラルは避けられない状況になっております。日本経済の再生とは逆行するものです。今、働こうとしても選択肢が限られており、みずから好きこのんで派遣を選ぶ人はないに等しいと思われます。求人もほとんど非正規雇用でしかないのが現実です。子供たちに、将来何にないたいですかと答えてねというと、少し前までは公務員という答えが圧倒的に多かったそうです。ところが最近は、子供たちに、あなたは将来何になりたいですかと言いますと、どう答えるかと言うと正社員という答えが返ってくるそうです。以前はしっかりした職種を出してきました。野球選手になりたいとか、お医者さんになりたいとか、看護師になりたい、幼稚園の先生になりたい、そういう職種をはっきりと言ってきました。でも今は、夢が正社員というこの情けない現実があるんですね。こういう現実をつくってしまったのは、私たち世代ではないかというふうに思うんです。いかがでしょうか、教育長。そうは思いませんか。
そういうふうで、子供たちの夢にまでこの派遣法というのは及んできているわけですね。正社員に準ずる、正社員が当たり前の雇用形態にすべきなんですけれども、いつ解雇されるかわからない状態でびくびくしながら働いている人がほとんどです。これは、ざる法、骨抜き労働者派遣法のこの抜本的改正を求める意見書の提出に賛同するものでございます。
○議長(永田起也)
次に、本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
討論なしと認めます。これで討論を終わります。
本件に対する委員長の報告は不採択です。
本件は委員長の報告のとおり決定することに賛成の議員は挙手願います。
〔賛成者挙手〕
○議長(永田起也)
挙手多数です。したがって、陳情第10号 労働者派遣法の抜本改正を求める意見書の提出を求める陳情書の件は、不採択と決定しました。
これより陳情第11号に対する討論を行います。
まず本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「賛成討論」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
次に、本件に対する賛成討論の発言を許します。
11番 池田福子議員。
○11番(池田福子)
すべてのパート・非正規労働者の均等待遇の実現及びパート労働法の公務職場への適用を求める意見書の提出を求める陳情書に対して、日本共産党を代表いたしまして賛成討論をいたします。
ILO175条、パートタイム労働条約では、同一事業、同一企業、同一業務、業種の比較可能なフルタイム労働者と対等な賃金を確保する、そして差別的な取り扱いを禁止するということが明記されておりまして、日本にもこの批准を求めているわけであります。日本は、まだこれに批准しておりません、加盟しておりません。先進国のほとんどはこれに加盟して同等な扱いを受けております。差別的取り扱いを禁止ということも明記されているわけです。
さらに同一報酬条約を基本に見ましても、日本は全く政府も企業も考慮しているとは思えないわけです。中には、長年正社員と同じ業務を同じようにこなして、そして、長く働いているので仕事にも精通していると。その精通しているという点で責任だけは重くのしかかる。そして、入社してきたばかりの新人たちの教育までしていると。
ただ、年収で考えれば、その新人の半分にも満たないものということもざらにあります。フルタイム、パートタイム間の相互転化に向けた措置を求めたいと思います。
事業主は、短時間労働者についても労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、男女雇用期間均等法、育児介護休業法、そして雇用保険等、当然処遇すべきでございます。通常の労働者との均衡を図る目的があります。
しかし、この問題は、民間よりも、むしろ公務現場で公務職場において厳しいといえます。公務職場のほうが、まだ民間より優遇されているはずだという、そういう先入観があるのではないかと思いますけれども、先日の企画文教委員会では、民間のほうが、もっと劣悪だという意見が出ました。そうとばかりは今は言えません。第一、低いほうに合わせるという考え方自体を考えていただきたいと思います。この低いほうに合わせることばかり考えていれば進歩、進展がないということを意味しております。待遇の安売り合戦をしていては日本の労働環境がよくなるはずありません。パートという文言になじまない、そういう職場かもしれませんけども、やってることは同じ格差があったりします。雇用の継続が制限されている場合は、まさにパートと同じです。非常勤とか臨時とかいう名のもとに待遇面では格差が生じております。そして、不安を抱えたまま働くということは、実績として決していいものには結びつきません。ILOの考え方を適用すること、そして、パート労働法を公務職場にも適用することを求めるこの意見書の提出に対して賛成の意を表します。
○議長(永田起也)
次に、本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
討論なしと認めます。これで討論を終わります。
本件に対する委員長の報告は不採択です。
本件は委員長の報告のとおり決定することに賛成の議員は挙手願います。
〔賛成者挙手〕
○議長(永田起也)
挙手多数です。したがって、陳情第11号 すべてのパート・非正規労働者の均等待遇の実現および「パート労働法」の公務職場への適用を求める意見書の提出を求める陳情書の件は、不採択と決定しました。
これより陳情第12号に対する討論を行います。
まず本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「賛成討論」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
次に、本件に対する賛成討論の発言を許します。
11番 池田福子議員。
○11番(池田福子)
新卒者の就職先の確保、失業者の雇用確保を図るための意見書の提出を求める陳情書に対して、日本共産党を代表いたしまして賛成討論をいたします。
国公立大学でも入学時生活費を除く就学関連費用だけでも七、八十万円といわれております。生活費別です。そして、私立大学はその倍以上、150万円以上といわれております。保護者からの仕送りは年々減っております。半分とまでは言いませんけれども、10年前に比べますと3分の2以下ということになっております。保護者の経済力も低下しているということが伺えます。ならばアルバイトというかもしれません。
しかし、これが非正規雇用にもありつけない一般の労働者であふれて、仕事につくことができないのが現実であります。もしくは学業に差しさわるほどの労働に甘んじなければならない状態になっております。
最後の砦が奨学金ということになりますけれども、給付型、いわゆるあげてしまう、返さなくてもいいというものは運動能力にたけているとか、非常に勉学に優秀な学生、その一部でございます。ほとんどは貸与、貸し与えるという奨学金になります。寮や下宿、そして住んだとしてもホテルコストがかかります。飲み食いする、泊まる、そういうコストがかかります。それにプラス学資がありまして、就職活動の交通費は全部自分持ちということになります。お医者さんにかかれば医療費もかかります。最低でも七、八万円から10万円ぐらいは借りなければいけないという学生がふえております。
例えば、10万円を4年間借りたとしても500万円になります。その500万円が卒業したときに返済ですということでのしかかってくるわけです。元金数百万円に対して利息が3%もつくというこの現実がございます。その利息込みで返した場合、順調に返した場合でも完済したときの総額は700万円を超えるのではないかと。それが普通ではないかといわれている折に就職ができないという問題がのしかかってくるわけです。夢と目的、これを抱いて入学しても就職難が襲いかかるわけですけれども、内定を取るまでに、きのうNHKの特集をやっておりました。何十回も面接を同じ会社へ行かなければいけないそうです。その交通費はもちろん自腹です。そして、本来の授業にも出れない。そのために専門知識も身に着かない。じゃあ何のための大学かということになってくるわけですけれども、その内定を取るまでが大変。仮に内定を取れたとしても安心できないと。昨年でしたか、内定の取り消しが相次ぎました。なまじっか内定をもらったばっかりに、その後の就職活動はしません。当然です。決まったわけですから。相次ぎまして、中には入社式を済んでから内定の取り消しと。要するに、4月以降の内定の取り消しというのが結構ありました。
これは理由としては、仮採用であるからというのを一つあげてきました、会社側は。それから、会社の事情が変わったから、入ったばかりの君ならやめやすいだろうということで内定の取り消しをされたわけです。このように不採用も何度か通知を受ける、内定も取り消されると、こういうことが続きますと、当然、自信がなくなってくるわけなんです。挙句の果ては、まともに就職できない、選択肢がなくなって非正規雇用しかない、借金は残ってる、こういうことになりまして、先の見通しがなくなると若者の自殺者がここのところ急増しているそうです。1,000人以上の方が就職への不安から自分の命を絶っております。
ただ、ここの数字で出てくる人たちは、数字でのぼってくるということは自殺に成功してしまったという言い方はおかしいですけれども、亡くなってしまった方しかこういう数字にはのってきません。潜在的にはその10倍以上はあろうといわれております。だったら、ひところ言われました。学生が大企業にこだわるから就職できないんだよと。なぜこだわるかを考えてもらいたいんです。安定がほしいわけです。でも、今は違います。中小にも目を向けて就活をしても、なかなか内定が取れない状況です。
大企業の内部留保の1%を例えば新規雇用に回せば何万人という雇用の継続が可能となります。某大企業の幹部、何を言ったかといいますと、この内部留保をどういうものに使っていいかわからないぐらいあるんですというふうに答えました。あるならば、人材というのは将来の宝ですから、人材育成と考えて雇用すべきです。そうすれば日本の経済も少しは好転するでしょうし、自社製品もよく売れるようになると思います。
もう一つ、ある著名な経営者がいわく、車の会社の経営者でしたけれども、自分の会社で働く従業員が自分の会社の商品を買えないような待遇しか与えられないようなそういう会社は、いずれだめになるということをおっしゃいました。まことに真理を語っていると思います。本人を含め、家族も含めて面倒を見るようなつもりでいたころの経営者の話です。
今、時代が違うとはいえないと思います。結局は、このまま進むということは、日本全体の経済がずっと落ち込むということになると思います。働くということは権利でもあります。もっと多面的に雇用を考えて、若者が絶望するのではなく、希望を持てるような雇用の拡大を図ってもらいたいという意味から、この陳情に賛成するものでございます。
○議長(永田起也)
次に、本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
討論なしと認めます。これで討論を終わります。
本件に対する委員長の報告は不採択です。
本件は委員長の報告のとおり決定することに賛成の議員は挙手願います。
〔賛成者挙手〕
○議長(永田起也)
挙手多数です。したがって、陳情第12号 新卒者の就職先の確保、失業者の雇用確保を図るための意見書の提出を求める陳情書の件は、不採択と決定しました。
これより陳情第13号に対する討論を行います。
まず本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「賛成討論」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
次に、本件に対する賛成討論の発言を許します。
2番 明石博門議員。
○2番(明石博門)
陳情第13号 TPPの参加に反対する意見書の提出を求める陳情書に対し、公明党会派を代表して賛成討論をします。
一言でいって首相が約束する一つ、十分な情報の開示、一つ、国民的な議論、一つ、国益の視点に立った結論のいずれもが欠けていると申し上げたい。
TPPの内容は、ものについては原則、全品目で関税を撤廃するという市場開放、またサービス、人の流れも自由化し、経済的な国境をなくすることを目指しています。
政府はメリットについて、アジア太平洋の成長を取り込める、また、実質GDPは10年間で二、三兆円増加するなどと主張していますが、これらは非常にあいまいであります。
デメリットで一番大きな問題は農業です。TPPで関税が撤廃されれば外国の安い農産物が日本に入り、国内の農家が大きな打撃を受けます。輸入コシヒカリの場合、国産米の約半額といわれています。宮古島の基幹産物は台風にも強いサトウキビで、生産量は沖縄県全体の約40%を占め、島の経済を支えています。農家がTPP参加に危惧を抱くのは、サトウキビの買い取り代金に含まれている国からの交付金にあります。現在、買い取る代金約1トン当たり2万1,000円のうち、4分の3が交付金で補助されています。交付金がなければサトウキビをどんなに栽培しても採算が合わないのが実態です。交付金の財源は、外国産等を輸入する業者から徴収する調整金約500億円と国の一般会計からの支出金約100億円、調整金は国内のサトウキビ農家を保護するために輸入等にかけられている高関税305%にかわるものとして独立行政法人農畜産用振興機構が輸入業者から徴収、TPP参加で関税が撤廃されれば調整金がなくなり、交付金も失われます。
さらに、個別取得補償に加入していない農家の規模拡大をどう支援するのか。主な所得を他の仕事で得て、農作業は片手間でできていた兼業農家が世代交代に失敗し、農家数は減り、つくり手がいない農地が出ています。課題は家族経営であれ、法人経営であれ、農地を引き受ける側の経営をどう育て、ふやすかということです。年間150万円を最長5年間給付する青年就農給付事業や、農地を貸し出した農家に協力金を交付する農地集積協力金などの補助金を受けられる仕組みにしました。
しかし、今期に補助金支給を間に合わせるためには田植え前の4、5月にプランを作成する必要がありますが、ほとんど進んでいない現状であります。個別所得補償で小規模農家を含む米の全販売農家を対象に、2010年度から10アール当たり1万5,000円の定額部分と標準的な販売価格から下落した分を補てんする変動部分を支給するモデル事業が開始、翌2011年度からは畑作物にも含めた本格実施がスタートしました。同年度からは農地を借りて経営規模を拡大した農家に対する10アール当たり2万円の規模拡大加算が導入されました。
しかし、予算100億円のうち、約33億円分しか申請がありませんでした。2012年度からは農地を貸し出す側にも補助金を支給する農地集積協力金に65億円を計上しました。小規模経営という担い手不足という農家の農業の現状と効率的かつ安定的な経営を支援する農政について、消費者であり納税者である国民にどこまで理解してもらえるか。守るべき農業の形と守るのに必要な財源について、きちんとした説明が必要です。そこがない以上、TPPにオーケーという話にはなりません。
今、TPPに関して、経済界と農業、また、地方と都市という対立抗争になって冷静に議論を深める形にはなっていません。当初から政府部内で検討されないまま菅前首相の思いつきでTPP参加の意向を示しました。TPPに関し、現在のところ参加の是非を判断する材料がない状況です。
冒頭に述べましたとおり、まずは情報を開示するよう政府に強く求めるとともに、しっかり議論して中身を吟味することが重要です。私ども公明党は、TPPを議論する場として国会に特別委員会を設置することを提言しています。
さらに通商交渉に関しては、国会が関与する法的な手続を制定すべきだと考えています。日本の行く末に大きな影響を及ぼす選択となります。さまざまな分野で課題が指摘されています。そうした課題に対し、十分な答えが示されていない中で、拙速に参加を決めることは反対です。
よって、今回は、賛成採択でお願いいたします。
○議長(永田起也)
次に、本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「賛成討論」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
次に、本件に対する賛成討論の発言を許します。
3番 安江議員。
○3番(安江清美)
陳情第13号 TPP(環太平洋経済連携協定)への参加に反対する意見書の提出を求める陳情書について、賛成の立場から討論をさせていただきます。
現在の日本は、需要不足と供給過剰が持続してしまっているデフレの状況下にあります。この状況下での、より一層の貿易自由化は、さらなる実質賃金の低下や失業者増大を招き、輸出主導の成長は国民給与の低下をもたらし、貧富の格差を拡大させることになります。戦後のGTA、WTOの交渉では、関税がかなり引き下げられている今日では、関税はもはや国内市場を保護する手段とはならなくなってきているのです。日本の平均関税率は2.6%とアメリカよりも低く、農産品に限っても平均関税率12%は、決して高いとはいえず、穀物需給率は、わずかしかないほどであります。既に開国状態であります。
TPPに日本が参加しても日本の実質的な輸出先はアメリカしかなく、アメリカの実質的な輸出先は日本しかありません。アジアの成長を取り込むなどというのは不可能であります。アメリカの主要品目の関税率は低く、既に日本の製造業は海外生産を進めています。その上、アメリカがドル安を施行しているのであります。ゆえに関税撤廃にほとんど意味がありません。日本はGDPに占める輸出が2割にも満たない内需大国であり、輸出に偏重すべきではないと思うところであります。
何はさておき、現在の日本は、まずデフレからの脱却が最優先課題であります。さらなる貿易の自由化と輸出拡大の推進は、そのデフレをさらに悪化させるものであります。自由貿易、開国というムードのみで話が進んでいる嫌いがあるところであります。このままTPPに参加すれば、日本は関税はもちろん、社会的、文化的に必要な規則や慣行まで開国の名のもとに撤廃をせざるをえなくなることは必定であります。
デフレの悪化や格差の拡大はもちろんのこと、規制緩和による食の安全、医療、人の移動、あるいは金融における不安の増大など、さまざまな弊害が発生することでありましょう。その弊害をただそうとしてもTPPという国際条約により制限がなされ、できなくなります。
よって、TPPへの参加には反対するものであります。この陳情に一意の会としましては、賛成の立場からの討論とさせていただきます。
以上です。
○議長(永田起也)
次に、本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「賛成討論」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
次に、本件に対する賛成討論の発言を許します。
11番 池田福子議員。
○11番(池田福子)
TPPへの参加に反対する意見書の提出を求める陳情書に対して、日本共産党を代表いたしまして賛成討論をいたします。
即刻影響があると思われる農産物、乳製品、食肉、その関税をかからなくして安く入荷、しかし、安全性においては審査が非常に日本に比べて緩く、例えば、BSEの問題一つにしましても全頭検査を依頼しても、それは不必要と言い切っています。農薬の残留もしかり、そして、遺伝子交換作物の安全性もまだ確認されておりません。殺虫剤もそのとおりです。人体実験をしているんじゃないかという意見もあるぐらいです。
そもそも食料需給率、平成22年でカロリーベースとして日本は39%です。これが解禁されれば13%になるのではないかと予測がされております。100人いたうちの13人しか満足できないという結果になります。特に主食を他の国に依存した場合、食料封鎖などによって国民が飢餓状態になるのは明白です。他国に頼って、いざその国で思うように収穫できなければ、まず自分の国の食を満たすはずです。それならば、日本も大規模化して効率化を図って競争に勝てるんではないかといわれるかもしれないんですけれども、もともと耕作面積に格段の差があります。アメリカは日本の約100倍、オーストラリアに至っては1,500倍という耕作面積の格差、大規模農業ができるわけです。根本的なものです。国民の生命線ともいえる食料を他の国に依存するということは、これは重大な弱みを見せつけるということになります、外交的にも。もともとTPPのPはパシフィックでパートナーシップということですけれども、そのパートナーシップは対等であるべきです。
しかし、このままいきますと、対等どころか上下関係はますますできて、主従関係にもなりかねません。先進国で食料自給率の100%以上というのがもう常識です。有事の際の備蓄をもうきちっと考えております。例えば、穀物支給率、穀物といえば主食になります。オーストラリアは279%、国民の食べる3倍はあるということになります。フランスは191%、2倍あります。全然取れなくても2年は大丈夫です。アメリカ133%、ドイツ126%、じゃあ、よく似たイギリスはどうかというと、きちっと112%確保しております。インド、あれだけ人口が多くてという国でも107%をちゃんと確保しております。さて、日本はどうでしょうかと。驚きの数字です。28%と。これはオーストラリアの約10分の1ということになります。期間でもって10分の1しかもちません。他国ではしっかり自給率の確保に努めているわけです。
日本は身売りしているのと同じという人もおります。本来は、その地域で取れたものをその地域で食するのが体質に合っているといわれております。食料政策で多量に余った食料の輸出先に日本をあげたにすぎないということがいえます。そして林業も漁業もすたれるであろうということは一目瞭然です。特に林業がすたれれば雨水をためる貯水力が減り、そして平野部の水害が増大しているこの現実を危惧する学者もいます。当議会でもJAの役員の方みずからが訴えました。不採択になりましたけれども、しかし、このように一次産業ばかりではありません。
他の分野でも関税を排除させようとしております。一例では、医療の分野の自由化、日本の国民健康保険は、これは誇るべき国民皆保険の制度なのです。今は保険料の問題、滞納の問題いろいろ取りざたされておりますけれども、かつてアメリカでは、この制度を取り入れようと、そして、公的な医療保険制度を確立しようとした人がいました。落選しました。なぜか。民間保険会社の猛烈な抵抗を受けたからです。公的な制度ができれば民間の領分を侵し、利益が大幅に減少すると判断した保険会社の圧力がありました。自由診療とか混合診療に持ち込もうとしているわけです。もうけのほとんどはアメリカが吸い取ります。一見自由診療といえば聞こえはいいのですけれども、要するに、命も金次第というわけです。窓口では、まず治療にかかる金額を提示します。今、あなたは幾ら払えますかということを吟味されます。そのとき足りなければ足りる分までの医療になります。
ドキュメンタリー映画がありました。けがをして治療はしてもらったんですけれども、縫う縫合手術の費用がないといった場合、自宅に帰って縫いましたと。もう一つ、指を2本切断しました。今すぐくっつければ生き返る指だと。だけど1本分しかない。医者がどう言ったかといいますと、どっちの指をくっつけましょうかと言ったわけです。日本だと、とりあえず治療します。お金がなくても縫います。お金がなくても2本の指をくっつけます。そういうことが今後、市場原理が導入された場合は危なくなってくるわけです。
さらに医療だけではなくて、金融、保険、労働なども市場原理、要するに安いほうに安いほうにというふうに流れていくわけです。今でさえ厳しい労働条件なんです。さらに悪くなりかねません。そうなりますと地域から崩壊は始まります。その地域に根差した中小零細企業の存続が危うくなります。それが徐々に全国に波及するわけです。
ひところ乗りおくれたら大変だなどと参加をあおる風潮がありました。ほとんどの国は参加してないんです。参加へのリスクのほうが高いということがわかっているからです。JA初め、医師会、歯科医師会、薬剤師会、商工会、消費者協会もその他の協会もことごとく反対の声をあげております。
とりあえず、G20では参加表明を保留いたしましたけれども、撤廃という決断、国民を窮地に追い込むこのTPPの参加はきっぱり拒否するということを要求するこの意見書に対して賛成という態度をとらさせていただきます。
○議長(永田起也)
次に、本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
討論なしと認めます。これで討論を終わります。
本件に対する委員長の報告は不採択です。
本件は委員長の報告のとおり決定することに賛成の議員は挙手願います。
〔賛成者挙手〕
○議長(永田起也)
挙手少数です。したがって、陳情第13号 TPP(環太平洋経済連携協定)への参加に反対する意見書の提出を求める陳情書の件は、採択と決定しました。
これより陳情第14号に対する討論を行います。
まず本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「賛成討論」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
次に、本件に対する賛成討論の発言を許します。
3番 安江議員議員。
○3番(安江清美)
陳情第14号 原発をなくし、自然エネルギーへの転換を求める意見書の提出を求める陳情について、賛成の立場からの討論をさせていただきます。
電力の供給については、太陽光や水力、風力、バイオマス、地熱発電に求め、再生可能エネルギー中心への転換については全く同様に思うところであります。
科学者の故高木仁三郎は、今から17年前に福島第一原発の事故を予言していました。1995年、阪神大震災の教訓をもとに原発が地震に襲われた場合の危険を訴えました。給水配管の破断と緊急炉心冷却系の破壊、非常用ディーゼル発電機の起動失敗といった事故が重なれば、メルトダウンから大量の放射線放出に至ると発表をしています。
高木は、一番気になる老朽化原発の中に福島第一原発をあげ、地震とともに津波に襲われるなどのあらゆる想定をして対策を考えていくことが、むしろ冷静で現実的な態度と述べておりました。
高木は、とりわけ危険視していたのが原発の老朽化であります。2010年にかけて運転開始から30年を超える原発が2基、5基、10基とふえていきます。それまでに原発をとめなければ40年ぐらいの寿命をもった原発が、ますますふえます。そういう時代に大きな原発事故が起こる可能性は、私は本当に心配していますと死の直前に書いています。
高木が原発老朽化という危機を明確に予測できたのは、原発の新増設が困難になると見抜いていたからだといいます。そのため、老朽化した原発を使い続けなければならない事態になると予見しました。プルトニウムの利用に基づく高速増殖炉も実用化は無理だと考えました。核燃料を人工的にふやせるという神話は崩壊したと断じました。ウランの枯渇で原発が使えなくなる時期が60年から70年程度でやってくるという声が出ていますが、高木の予言は、ここでも的中しつつあるところであります。
これまでの原子力の安全原則とされ、多重防護の概念は、あくまで施設内部の事象が外に広がらないための守りでありました。しかし、外から内への問題、例えば津波による破壊現象等においては新しい設計概念や安全評価が必要であるとし、そのような外部的事象によって引き起こされる緊急事態がどのようになり、それに対し、どのように備えができるかできないかをきちんと国や事業者の側が議論を提起すべきと論じ、公衆はそれらに点を含めて改めて核エネルギーの採択の妥当性を判断すべきと結んでおります。
福井県若狭、新潟県柏崎、青森県六ケ所、このような集中立地点を大きな地震が直撃した場合など、どう対処するのか、想像を絶するところであります。ここから先をこれから徹底的に議論をして、非常時対策を考えていくべきであると思うところであります。
日本の原子力政策の危うさを知らしめたのが福島の事故であったと思うところであります。国民のだれもが電力不足は不安であると感じています。停電となれば経済や市民生活に深刻な影響が出ることは必定であります。だからといって、これから日本国民がどのようなエネルギーをどう使っていくかを決めず、原子力発電のなし崩し的な再稼働は許されるものではないと思います。これまでの日本の原子力政策は、普遍であったと思われます。しかし、その政策を根本から見直す機会が福島での事故という大きな犠牲と引きかえに与えられたものだと思われます。
これらのことにより、一意の会として陳情書に対し、賛成の立場からの討論とさせていただきます。
以上です。
○議長(永田起也)
次に、本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「賛成討論」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
次に、本件に対する賛成討論の発言を許します。
11番 池田福子議員。
○11番(池田福子)
原発をなくし、自然エネルギーの転換を求める意見書の提出を求める陳情書に対しまして、日本共産党を代表いたしまして賛成討論いたします。
大飯原発の再稼働が決定しました。国民の生活を守るという大義名分を前面に出してきましたが、再び安全神話に取りつかれ、国民の命を危険にさらそうとしております。火山国の日本に原子力発電はそぐわない、これを言った人がいます。だれかと言いますと、持ち込もうとした側のアメリカの有識者が言ったことであります。アメリカ自身の利益第一主義を批判し、狭い国土、しかも島全体が火山国の日本に持ち込んでいいのかと心配した言葉であります。
しかし、それを受けるほうも受けるほうであったと。日本共産党は、当初から強く反対しておりました。しかし、広さという問題はどうしようもありません。当のアメリカは、かなり広範囲、80キロ圏を危険区域としています。福島原発事故が起きた際、アメリカはどうしたかと言いますと、どういう指示を出したかと言いますと、速やかに避難しなさいと、また、帰国しなさいと指示を出しています。まさに安全神話は日本の中で政府と利権に絡む企業のつくり上げたものといえると思います。
電力不足を盾に原発再開の決断を迫る、これは一種の恫喝といえます。そもそも基幹電力を原爆と同じ核分裂を利用した原子力発電に集中させねばならなかったことが問題です。アメリカの圧力、もちろんあったでしょう。政党への献金、天下り先の確保、御用学者への資金提供、そして、地元への資金提供、もう一つ問題なのはテレビ、ラジオ、新聞、雑誌の株主、持ち主、大広告主、これがあります。まさにこれで言論の封鎖をしたと思われます。そして、責任をとって退任しました東電の役員には、早期退職割増金というものまで出ているそうです。さらに彼らは、ちゃっかり他社に天下っております。
この現状、そしてこのような費用総括原価方式、この電気使用量にすべて包含されるということです。しかも利益のほとんどは家庭用電気使用量からあがっているものだということです。にもかかわらず、反省もなく、値上げを申請している。当時の社長いわく、私は、これはびっくりしました。値上げは権利であるとまで言い切りました。自然エネルギーに対して原発は不自然エネルギーといえます。自然でないものは、いずれ限界がくる。自然に戻すことはできないということです。首相官邸前には、さきおとつい、4万5,000人が終結しました。これは、ツイッターが初めだったそうです。今まさに転換のときと言われております。日本の風土は大規模ではないですが、自然が豊かです。各地で発電方法にもそれぞれについて方法を模索している。短期間でできるものもあれば研究段階のものもある。この期に及んで、なぜこうも原発のみに依存するのか。他の国から見れば、不思議なことだと思います。
雇用の問題も取りざたされておりますが、新エネルギーの切りかえや復興関連事業で先ほどニュースで言っておりました、およそ35万人の雇用は必要であると言われております。原発だけに頼るほうが、むしろ異常ということです。
23日の中日新聞には、中部電力を退職して、その退職者たちが結成した会があります。浜岡原発の廃炉を求める有志の会というのです。メンバーが、どんな安全対策をとっても危険なんだと。元社員の責任として新しいエネルギーの方向に進むように訴え続けるということでした。元社員であっただけに切迫感を感じました。また、あえて今、表に出すという決断は、相当なもの。ある意味、ここで行動しなければ一生悔いが残るという覚悟のあらわれかと思いました。
例えば、太陽光の設置をしたとしても、原発1基動かす費用、維持する費用、そして、使用済み燃料の後始末に10万年かかるといわれるコストを考えれば、比較にならないほど格差があると思います。
他にも風力、水力、地熱、今は残菜でもできると、それぞれの身の丈でできることを多くあるはずですので、そのことを周知すべきであるということから、この陳情書に賛成をいたします。
○議長(永田起也)
次に、本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
討論なしと認めます。これで討論を終わります。
本件に対する委員長の報告は不採択です。
本件は委員長の報告のとおり決定することに賛成の議員は挙手願います。
〔賛成者挙手〕
○議長(永田起也)
挙手少数です。したがって、陳情第14号 原発をなくし、自然エネルギーへの転換を求める意見書の提出を求める陳情書の件は、採択と決定しました。
ここで午後1時まで休憩します。
午前11時57分休憩
―――――――――――――――
午後0時59分再開
○議長(永田起也)
休憩前に引き続き会議を開きます。
これより陳情第15号に対する討論を行います。
まず本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「賛成討論」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
次に、本件に対する賛成討論の発言を許します。
11番 池田福子議員。
○11番(池田福子)
学童保育の拡充と最低基準づくりを求める意見書の提出を求める陳情書に対しまして、日本共産党を代表いたしまして賛成討論をいたします。
学童保育の必要性が今、再び切実に求められております。核家族化、少子化、兄弟も少なくなっております。帰宅してもひとりぼっち、外遊びも少なくなっている。御近所との交流も少ない。3世代同居も減りまして、祖父母との交流も期待できません。
そして、何と言っても子供を残して働かざるを得ない親の事情がふえております。収入が減る、解雇される、共働きせざるを得ない状況もふえております。正規労働から非正規労働への働き方は変わる。解雇をおそれサービス残業を受けざるを得なくなっているなどもあると思います。時間的にも経済的にもゆとりのある子育てが難しくなっております。ましてや入学早々の低学年になりますと就業時間が早く、お昼早々には学校から戻ってまいります。そして夏休みなどの長期休暇、土曜日の休みも問題になります。流通業界や接客業に従事すれば土曜日こそ出勤しなければなりません。学齢期の子供を持つ親の悩みは、ほんとに深いものがあります。
そんなときに頼りになるのが学童保育の存在でございます。学童保育の立ち上げには、先輩保護者たちの、ほんとに想像を絶する奮闘がありまして、知立市はいち早く公的なものになりました。私は、形成されてからの利用ですけれども、ゼロベースからのスタートで活動は大変だったと思います。同じ境遇の子育て世代の方たちの仲間づくりに始まり、空き家を探すことから、そして指導員を引き受けてくださる人を探す、運営の苦労、それによって現在に至っていると思います。学童保育があったおかげで、ほんとに助かりました。単に面倒を見てもらうというだけではなく、異年齢児童同士の交流や保護者同士の交流など、社会性の向上にも役立ちました。
しかし、全国レベルではまだまだ格差があるのも事実です。知立市は確立されているからこの陳情書はいいじゃないかという狭い考えではなく、全国レベルの底上げが必要という考えをもっていただきたいと思っております。
憲法25条は、健康で人間らしく過ごす生存権をうたっています。27条は、労働の権利と保障をうたっています。児童福祉法は自治体の児童の育成に対する責任、学童保育の保障をきちっとうたっております。そして、国に対しては、子ども権利条約、働く親を持つ子の保育サービスを受ける権利は国の措置を義務と言っております。ILO165号条約、労働者のニーズに応じた国の措置の義務化、国の責務をあげております。にもかかわらず、現行では自治体の地域の実情に応じて実施すると。国の責務をあげているにもかかわらず、自治体の責任は実情に応じてということになっております。ということは、自治体の力量に任せて実施してもしなくてもいいと、いたし方ないという解釈になるわけです。これでは学童保育の質、そして地域間格差、出て当然であります。
さらに指導員の待遇面でもキャリアを生かした賃金とはほど遠い低賃金の場合もあり、さらに不安定な雇用が目立つことも事実です。
児童数に対する人員の配置の徹底や時間、設備など、ガイドラインをつくり、そして守ること、この問題の放置は子供へも影響し、安心、健やかな生活が望めなくなるということでもあります。安定した雇用こそ安心して余裕を持って子供たちや保護者に接することができる条件であると思っております。
多面的に国の最低基準の策定、そして、自治体がしっかりそれを守るという意思、これが必要だと感じまして、この意見書の採択を求めるものでございます。
○議長(永田起也)
次に、本件に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
討論なしと認めます。これで討論を終わります。
本件に対する委員長の報告は不採択です。
本件は委員長の報告のとおり決定することに賛成の議員は挙手願います。
〔賛成者挙手〕
○議長(永田起也)
挙手多数です。したがって、陳情第15号 学童保育の拡充と最低基準づくりを求める意見書の提出を求める陳情書の件は、不採択と決定しました。
日程第17 特別委員会の中間報告についてを議題とします。
まず、知立駅周辺整備特別委員会の中間報告を求めます。
知立駅周辺整備特別委員長 18番 村上議員。
〔知立駅周辺整備特別委員長 村上直規登壇〕
○知立駅周辺整備特別委員長(村上直規)
こんにちは。
議長の御指名をいただきましたので、知立駅周辺整備特別委員会の中間報告をいたします。
本委員会は、平成23年8月2日午後1時30分より、第1委員会室にて委員12名全員出席のもと、開催されました。
今回の協議事項は、知立駅周辺整備事業の進捗状況と駅前広場整備計画に関する周辺地域住民の意見交換会の結果及び三河知立駅移設に関する検討状況の3点であり、当局より協議事項3点あわせて説明がされました。
主な内容ですが、総事業費615億円のうち、鉄道側の負担を除いた金額が519億6,000万円で、平成22年度の事業費は11億2,000万円となり、その内訳は国が5億5,350万円、県と市は同額の2億7,675万円、事務費を加えると2億9,295万円となる。
次に、平成23年度の事業費は10億円から数字が変わるのが可能であるが、市の負担は2億5,000万円となり、平成23年度から国の補助金が社会資本整備総合交付金に変わっており、補助率が55%になって市の負担も減り、2億3,000万円となっている。
次に、駅周辺整備計画に関する地域住民の意見交換会の結果の方向として、宝町34人、新地町32人、本町23人の内容が報告されました。
主なものとしまして、南北線の幅員の広さが疑問、南口の改札の設置、また、知立まつりの山車を南北線に並べるようにしてほしいなどの意見があったとの報告。
続きまして、3点目の三河知立駅移設に関する検討状況については、昨年度中に一定の方向を出すことを目標に、県、市、名鉄と協議を進めてきたが、複線化の負担割合について鉄道事業者と合意に至っていなく、コスト削減もなっていない。したがって、進展がないとの説明がされました。
次に、説明に対する主な質疑を御報告させていただきます。
平成35年まで東西線は現状ですが、どのように進んでいくのか。また、各種団体の代表者会、全体協議会を設置すべきとの問いに、アンケート調査でも御意見があり、商店街の方は心配されており、反面、地域住民の方は人に優しい道路ということで期待感を持っておられます。
しかし、本町堀切線をコミュニティ化することによって南北線が開通した時点でないと着手できない。代表者会などについては各会の代表の方々をイメージし、時期がきたら検討との答弁でした。
次に、区画整理事業の移転がC地区で10年間延びたことで地区の皆様方のライフワーク計画が延びマイナス要素を持っているが、どうすればよいのか。救済措置はの問いに、当該地区は当初平成27年で新規計画は平成38年まで延びる。事業のおくれに対し建物の補償と土地代金の補償金で新たなところで再建していただくか思い浮かばないとの答弁でした。
連立の事業費は約30億円を予定していたが、10億円しかない。来年度以降が心配。名古屋本線の仮線工事がおくれて厳しい。平成35年度の完了は大丈夫か、御所見をお聞かせいただきたい。仮線のおくれは本体工事の期間で吸収は可能。資金計画を検討。来年度は、ある程度予算がつく見通し。仮線の用地は既に確保している。集中的に施工を行い、平成25年度までに完了したい。本体工事は予算が計画どおりつけば可能。ただ、県を含め、財政事情が懸念されるが、知恵を絞り平成35年度は死守したいとの答弁でした。
三河線山側の仮線は三河知立駅が移設すれば北側になるのか。また、北側は家屋が連帯しているので事業の負担割合が減っても補償費の増で逆転するのではないかの問いに対し、計画は南側で複線化の計画により北側案が出てきた。複線か単線かで決まる。三河知立駅の移設も絡んでおり、決まっていない。市の負担が下がるのが条件。補償を含めたコスト削減も検討し、北側仮線を進める場合、環状線も同時に進めるので補償物件の多くが街路事業でカウントできるため利があるとの答弁でした。
鉄道側の情報公開は県はどう考えているのか。市も130億円の負担をするので情報は出してもらいたい。強い姿勢で臨んでほしいとの問いに、鉄道側は事業主体である。県には情報を提示しているが、市への公開は了解されない。理由としては、鉄道側の利益が害されること、全国的にも鉄道側より第三者までの情報公開は行っていない。今後も県、名鉄に訴えていきたいとの答弁をもち、午後4時28分に閉会しました。
次に、平成24年1月30日午前10時より、第1委員会室にて委員11名全員出席のもと開会されました。
この委員会での協議事項は、知立駅周辺整備事業の進捗状況と事業推進に関する愛知県知事要望の報告の2点であり、冒頭、市長より、1月23日の愛知県知事への要望に対する報告がされました。
続きまして、当局より協議事項並びに報告事項の2点の説明がされました。
主な内容として、知立駅周辺整備、知立連立と駅周辺区画について、過年度の実績、本年度の執行内容及び次年度の予定についての報告があり、平成23年度より交付金化に伴い、国庫負担率が変わり、市の負担が当初130億円が118億9,000万円に変わっている。
次に、平成24年事業見込みは24億円で、市の負担は5億4,000万円、仮線の用地、駅南の名鉄駐輪場の補償、側道の借地などの費用と説明。
続いて、愛知県知事要望については、市から知事あての要望書の写しが提出され、要望結果、知事からの負担額の軽減の報告がされ、また、今後の進め方について担当の考えをお聞きしました。
次に、説明に対する質疑内容を御報告させていただきます。
仮線工事が財源不足により1年ほどおくれているが、東日本震災復興などもあり、国・県の予算の見通しはの問いに、来年度より少し余裕が出てくる見通しで、24億円の事業費を予定している。国の動向は復興防災関連にシフトされる傾向にあり、予算確保の要望活動を行うとの答弁でした。
次に、県の軽減案は中3階と三河線直通機能分の社会資本整備総合交付金により11億円の負担軽減となる見通しだが、2対1を今後も求めていく姿勢は変わらない。また、知立駅の広域性を考慮して負担軽減は評価するが、それは別に社会資本整備交付金による県の軽減額11億円を市に振りかえてもらうべきであるとの問いに、実際に積算をした結果、全体額約14億5,000万円のうち、約3億円が市の負担となっており、渡り線の事業費は全体額より面積案分で計算すると控除分が約8億円となる。県も他の自治体に対し、負担割合を変えるのは無理と考えるが、これまで県からも国の直轄事業の地方負担の動向を見て検討したいとの答弁もいただいているので、最終的な結論ではない。
知立駅の広域性を考慮した軽減要因は、中3階と渡り線の部分の2点であり、県の軽減額の11億円を知立市へというのは国の制度の問題であり、要求するのは筋が違うと答弁でした。
今回、県より広域性を考慮して提案があった名鉄の負担は変わってないが、駅部は6線3ホームから8線4ホームへの線増は名鉄の受益、都市側と鉄道側との負担割合から計算し直すべき。駅は3階になるから投影面積が減少する。連立は特殊だから同じ考え方ではいけない。また、3億円と8億円の詳細根拠を議会に示す必要があるとの問いに、中3階での計算根拠は総額に都市側負担割合を乗じ、さらに市の割合を乗じて算出。駅部での都市側と鉄道側の負担については現状と計画の投影面積での比較になっており、線増という考え方は駅部だけでなく、中間部も対象となるルールのため、知立連立の場合、該当しない。金額の確認をするため、県から基本的な考え方を確認し、議会へは県とも協議して算出根拠の資料を出していきたい。また、要望会で知事より直接数字をいただき、資料には約という文字がついているが、これは現在の協定からの試算であり、施工時点での算出となるため、負担軽減額の増額、減額があり得るとの答弁でした。
数式根拠の提示を確約してほしい。もう一つ、前回、片桐副知事に会見したとき、負担割合の見直しは平成25年の国の動向を見て検討すると約束していただき、県議会で答弁されたはず。本質は2対1の負担割合の見直し、県に対し、旗をかざすべき。市長、副市長はどう考えているのかの問いに対し、負担の軽減が重要。そのためには2対1だけでなく、事業費の確保、透明性の確保も必要なものと考えるがとの問いに、入札に関して名鉄から県に提出している書類はどのレベルか。設計内容や指名業者や入札方法について、県は精査できるのか。できなければ透明性という資格はない。知立駅周辺整備計画を見直す作業が進んでいるが、中身が見えてこない。市民の意見は反映されているのかの説明をとの問いに、入札の結果のみであり、申し合わせ事項以上の資料提供を求めることは難しい。県は各年度の完了検査である程度確認できると思われる。平成22年度に6回の作業部会を開催し、平成23年度は副市長をトップに22名で対策本部を組織し、4回開催。3月末までに市の素案をまとめ、平成24年度の早期に委員会や市民に示すとの答弁でした。
知事に感謝すべき負担割合の見直しは、知立市だけが特例を受けるということへの説明が県として非常に難しい立場であると感じた。しかし、平成25年に国の直轄事業の制度が変わる可能性があり、県も根拠があれば英断できると感じた。それを促すためにも議会、当局が力を合わせて継続すべきとの問いに、長年の思いが通じた。最初の第一歩と感じているとの答弁でした。
駅前広場の設計や駅舎の設計は名鉄に一任するのではなく、市民の意見を反映させ、要求すべき。駅前広場は高架事業の時期に合わせて整備していく予定。駅舎は高架事業に着手するころから設計に入る。デザインの協議に参加することは可能。必要であれば検討委員会を立ち上げていきたいとの答弁をもち、午後4時28分に閉会しました。
続きまして、平成24年5月28日午後1時30分より、第1委員会室にて委員11名全員出席のもと開催されました。
この委員会での協議事項は、知立連続立体交差事業、知立負担軽減に対する覚書と知立駅周辺整備の見直し案の2点であり、当局より協議事項2点の説明がされました。
主な内容ですが、連立に係る負担額の軽減を担保するための覚書の締結がおくれている。理由について、担当部局より説明がありました。
主な内容は、基本的な趣旨、骨子については県とも合意しているが、現在、細部は調整を行っており、最終的な段階であるとのことでした。
次に、知立駅周辺整備計画の見直し素案について、昨年度まとめられた成果により担当部局より説明がありました。
その主な内容は、都市計画道路、主に幅員30メートルの知立南北線、駅前広場、主に東西交通の確保などの見直しの提案がされました。
続きまして、説明に対する主な質疑内容を御報告させていただきます。
知立市の軽減を担保するために覚書を締結すると聞いたが、覚書の内容はどのようなものか。何が問題で締結がおくれているのかの問いに、県は現状の負担割合をまず明確にし、その上で市の軽減分を明確にしていきたいという考えであり、それに対しての最終調整を行っているとの答弁。
県は覚書の中で負担割合の数字を固定化し、1対1を入れるということか。それは市が容認したと県から受け取られるとの問いに対し、現状の負担割合を明確にし、負担軽減を明らかにするつもりであり、将来にわたり見直しを閉ざす内容のものではない。表現の詳細は協議している最中であり、軽減が県の考え方であり、それを市にも認識して覚書を締結していきたいとの答弁でありました。
軽減案について、お互いに合意できたのであれば、無理に覚書を締結する必要はない。特に1対1という表記は絶対に入れるべきではない。一番大事なのは中身であり、安易な妥協をしてはならない。11億円の軽減と負担割合の決着がセットになるのは明らかであり、政治的に問題。また、市長、副市長はどのように考えているのか御所見をに対し、覚書が締結されない場合、軽減がどう実行されるか。事業を将来的に考えなければ、ここで覚書を締結させることは必要と考える。市長、副市長の答弁では、負担割合の明文化は疑問をもっており、覚書の締結を急ぐ必要はなく、市民のことを第一優先に進めていきたいとの答弁でした。
負担割合の見直しは、我々市議団も県議会への要請活動として地元5市、さらに豊田市管内、各党派の代表県議など、そして、議長への順で行っていく予定。今、1対1がうたい込まれると、すべてが無駄。また、県議会議長への要請時には促進期成同盟会の会長にも同席してもらいたいと、その旨の発言をしたが、あまり推進的な回答をいただけなかった。当局の考え方は狭いのではないかの問いに、今回の覚書についても県の意向にすり寄っているわけではなく、市の意向も伝えながら食い違いのないように詰めている最中である。県議会の要望に対し、骨を折っていただき感謝しています。事業促進が目的で、場合によっては促進期成同盟会にお願いしていく必要もあるので、一度検討してみたいとの答弁でした。
知立南北線で5億円の削減が見込まれているが、駅周区画整理区域内の削減費及び駅周事業の197億円のうち、削減があるのか。また、駅周区画整理の財源フレームは、従来のままで変わらないのか。車線数は4車線から2車線への見直しで事業費の変更があるのかの問いに、5億3,000万円の削減額も反映し、車線数の縮小、コミュニティ道路部で削減し、財源フレームは素案が出てきた時点で見直しを行い、車線は4車線から2車線への構造変更となるとの答弁でした。
駅周区画整理事業は見直しをしない案を出したということか。仮換地、減価と進捗しており、専門家の意見を聞いて見直し案が出てくると思っていたが、見直しができない前提ならば議論しないほうがよいが、第三区画整理事業では秋田病院付近で仮換地変更をしているが、なぜ駅周ではできないのかの問いに対し、第三区画整理事業は保留地があり調整できたが、駅周区画整理事業は保留地がなく、市有地が若干あるだけであるとの答弁でした。
知立南北線は必要か。バイパスをつくるための区画整理をなぜするのかの問いに対し、南北線はバイパスであり、将来、高架事業により踏切がなくなると国道から刈谷方面への通過交通となり、中央通りは商店街地元優先の道路と考え、あり方について考えを変えることはないとの答弁をもち、午後4時36分に閉会しました。
続きまして、委員会の先進市視察の御報告をさせていただきます。
平成24年1月16日と17日の両日、委員11名、随行1名の12名にて大阪府大阪市と福岡県大野城市を視察してまいりました。
大阪市の内容は、昭和63年から阪急電鉄京都線、約3.3キロ、阪急電鉄千里線、約3.8キロの高架事業を開始し、平成32年の完了予定で総事業費は約1,632億円、現在、事業を進行中です。
視察で参考になった点は、大阪市は事業主体であり、情報公開はされやすい。阪急に事前に確認は必要だが、金額など開示すべきと考えている。知立市も情報開示は県と名鉄に強く申し入れるべきと感じました。
次に、大野城市の内容ですが、平成15年から西鉄天神大牟田線、約3.3キロの高架事業を開始し、平成33年度の完了予定。総事業費390億円で事業を進行中であります。
そして、視察で特に参考になった点は、大野城市の連続立体交差事業に対する負担割合については、総事業費390億円に対し、市は50億円であり、市側の負担は全体の6分の1となり、県・市の負担割合は2対1となっている。知立市も県との交渉に対し、一つの事例として参考にすべき内容でございました。
これをもちまして、知立駅周辺整備特別委員会の中間報告とさせていただきます。ありがとうございました。
〔知立駅周辺整備特別委員長 村上直規降壇〕
○議長(永田起也)
次に、議会改革特別委員会の中間報告を求めます。
議会改革特別委員長 23番 三浦議員。
〔議会改革特別委員長 三浦康司登壇〕
○議会改革特別委員長(三浦康司)
それでは、議会改革特別委員会の中間報告をさせていただきます。
当委員会は、昨年の6月議会における中間報告後、平成23年6月24日開催の第7回委員会から平成24年6月21日開催の第22回委員会まで16回の委員会を開催いたしました。また、その間、政策部会を6回、作業部会を多数開催しております。
次に、委員会における主な内容と経過報告いたします。
初めに、委員会にて全会派一致で実行が決まった7項目の内容を検討しました。その中の傍聴者への議案資料の提供、議会主催の議会報告会の開催、請願陳情提出者の委員会での趣旨説明の機会の保障、議案に対する各議員の表決の明確化と公表、一般質問における行政側の反問権、予算・決算委員会におけるわかりやすい説明資料の提出の6項目は、内容決定後、即実行いたしました。
7項目目の委員会における議員相互の自由討議につきましては、議会改革先進地である千葉県の流山市と茨城県の取手市の2市に7月10日、11日に視察に行き、参考とし、内容の検討をしてまいります。
次に、議会報告会を開催するに当たり、議会報告会が開かれている先進地の岩倉市、犬山市、半田市等に委員が見学し、参考にしました。議会報告会の開催については年4回、議会ごとに中央公民館を会場として開催することを決定しました。西三河で初めての議会報告会として第1回を平成24年の2月4日に、第2回を4月7日に開催し、それぞれ多くの市民の参加をいただき、情報公開の場として多くの貴重な意見をいただきました。
また、参加者からいただいた多くの質問に対しては、議会と行政の回答を市議会ホームページ等で報告させていただいております。
また、平成23年11月に市議会に関する市民アンケートを実施しました。市民1,800人を無作為に抽出し、632通の回答をいただき、議会の認識、議員定数など、議会改革の参考となる貴重な意見をいただき、参考資料といたしました。
また、5月2日には友好都市である長野県の伊那市の議員が議員交流で知立市を訪問いただいており、議会改革に関する報告と意見交換を行いました。
次に、議会基本条例の本文の検討については、前文に続いて目的、理念の第1章の総則、第2章、議会の活動原則から第9章の条例の検証及び見直し手続までとし、細部については政策部会に一任といたしました。
条文中の検討課題としての議決案件の拡大につきましては、議会基本条例の本文第6章第14条の自治法第6条2項の議決事件の拡大として盛り込み、5年以上の計画をもとに、24件ほどを選択し、別紙記載として取り組むこととしました。
また、地方自治法の改正により、第2条4項の議会の決議を経て、その地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定めるの一文が削除されたため、当市の知立市まちづくり基本条例の第13条に議会の議決を経てという一文を加えるように市に要求することとしました。
また、議員政治倫理条例の制定につきましては、検討した結果、平成24年3月議会に議員提出議案として上程し、決定に至りました。
重要課題の一つである議員定数問題につきましては、各会派から議員定数の考え方を提出いただき、具体的な定数や方針が示されました。さらに、定数改正に関するメリット、デメリットなどの意見もいただき、現在、より慎重な審議をいただいているところであり、引き続き協議してまいります。
また、次回の予定している議会報告会には、市民に対し、議員定数に関する議論の経過を報告することとし、具体的な各会派の考え方を一覧にし、公表することとしました。
今後の取り組みとしましては、委員会の出前講座、政策討論会、通年議会などを検討していくとともに、議会基本条例の制定と議員定数を来年の3月議会を目標として協議をしてまいります。
今後の開催事業としては、7月18日に全員協議会として議会改革の内容を中間報告いたします。また、8月4日には第3回の議会報告会の開催を予定をしております。
以上で、現在までの議会改革特別委員会の報告とさせていただきます。
〔議会改革特別委員長 三浦康司降壇〕
○議長(永田起也)
以上で、各特別委員長の中間報告を終わります。
ただいまの知立駅周辺整備特別委員長の中間報告に対する質疑を行います。質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
質疑なしと認めます。これで質疑を終わります。
ただいまの議会改革特別委員長の中間報告に対する質疑を行います。質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
質疑なしと認めます。これで質疑を終わり、特別委員会の中間報告を終わります。
ここでしばらく休憩します。
午後1時42分休憩
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午後1時51分再開
○議長(永田起也)
休憩前に引き続き会議を開きます。
お諮りします。ただいま知立市議会議員、高橋議員及び風間議員より、議員提出議案第3号 憲法9条を生かし、核兵器のない世界をめざすとともに非核3原則の厳正遵守することを求める意見書の件から議員提出議案第5号 原発をなくし、自然エネルギーへの転換を求める意見書までの件、3件が提出されました。
この際、これを日程に追加し、直ちに議題としたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
御異議なしと認めます。したがって、この際、議員提出議案第3号 憲法9条を生かし、核兵器のない世界をめざすとともに非核3原則の厳正遵守することを求める意見書の件から議員提出議案第5号 原発をなくし、自然エネルギーへの転換を求める意見書までの件、3件を日程に追加し、議題とすることに決定しました。
この際、議員提出議案第3号 憲法9条を生かし、核兵器のない世界をめざすとともに非核3原則の厳正遵守することを求める意見書の件から議員提出議案第5号 原発をなくし、自然エネルギーへの転換を求める意見書までの件、3件を一括議題とします。
提出者から順番に提案理由の説明を求めます。
21番 高橋議員。
〔21番 高橋憲二登壇〕
○21番(高橋憲二)
議員提出議案第3号について、提案理由の説明をいたします。
憲法前文には、われわれは全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免がれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認するとし、第9条に戦争放棄、戦力及び交戦権の否定を定めています。
また、1972年の沖縄返還に当たっては、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずの非核三原則を国是といたしました。
私たち知立市議会は、核兵器廃絶と戦争のない平和な世界を目指し、平和都市宣言を議決、制定いたしました。住民の不安解消と生命の安全確保のため、意見書各項目の列挙した事項について国に強く要望するものであります。
よって、憲法9条を生かし、各兵器のない世界をめざすとともに非核3原則の厳正遵守を求める意見書を提出をいたします。
よろしく御審査の上、御可決いただきますよう重ねてお願い申し上げ、提案理由といたします。よろしくお願いいたします。
〔21番 高橋憲二降壇〕
○議長(永田起也)
19番 風間議員。
〔19番 風間勝治登壇〕
○19番(風間勝治)
議員提出議案第4号、第5号について、提案理由の説明をさせていただきます。
まず。議員提出議案第4号 TPP(環太平洋経済連携協定)への参加に反対する意見書についてであります。
野田首相は昨年11月、TPPへの参加を表明しました。いまや国民の間で大きな反対運動が広がっており、全国で都道府県のうち、44議会が反対、慎重対応を求める意見書を採択している状況です。
TPPは、BSE検査体制の緩和や食品表示の規制緩和などの食用分野にとどまりません。日本の皆保険制度の解体を進め、医療保険にアメリカの民間保険会社が参入しやすいようしていくことなど、医療分野にも深刻な影響を及ぼします。
また、雇用の分野でも低賃金労働者の流入が激しくなることが予想され、労働者の低賃金化に拍車をかけることにもつながると考えられます。
国は、関税が撤廃されれば輸出が伸びる。実質GDP2.4兆円から3.2兆円、0.4%から0.6%程度押し上げるとしましたが、これは関税撤廃等の自由化を10年やった場合の累積であり、1年に換算する3,000億円、4,000億円程度、GDPなら0.1%相当にしかならないことが明らかにされているのであります。このようにTPPは、日本の食料、医療を初め、農業、林業にも悪影響を与え、ひいては国民の生活破壊と国土の荒廃をもたらすものといわざるを得ませんので、政府のTPPへの参加に反対し、政府が参加を撤回するよう、国に対し強く要望するものであります。
次に、議員提出議案第5号 原発をなくし、自然エネルギーへの転換を求める意見書についてであります。
昨年3月11日の東日本大震災に伴う福島第一原発の事故は、いまだ終息せず被害を拡大しているとともに、事故原因すら明らかにされていません。歴代政府、電力企業は原子力エネルギーについて、完全にコントロールする技術が未確立のまま原発を次々と建設してきました。危険性が指摘されてきたのにもかかわらず、根拠のない安全神話を振りまいて強引に進めてきたのであります。
日本は自然豊かな風土、国土であり、風力、水力を初め、森林を利用したバイオマス、地熱などの再生可能なエネルギーが確保でき、電力は十分確保できます。また、自然エネルギーへの転換は、雇用の場の確保拡大につながります。
以上の趣旨から、原発の推進から自然エネルギーへの転換を進めるよう、国に対し強く要望するものであります。
意見書全文につきましては、お手元に配付をさせていただいているとおりであります。
以上、説明させていただいた議員提出議案第4号、第5号について、地方自治法第99条の規定により意見書を提出したく、よろしく御審議の上、御可決くださいますようお願いを申し上げまして提案理由の説明とさせていただきます。
〔19番 風間勝治降壇〕
○議長(永田起也)
これで提案理由の説明を終わります。
これより議員提出議案第3号に対する質疑を行います。質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
質疑なしと認めます。これで質疑を終わります。
これより議員提出議案第4号に対する質疑を行います。質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
質疑なしと認めます。これで質疑を終わります。
これより議員提出議案第5号に対する質疑を行います。質疑はありませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
質疑なしと認めます。これで質疑を終わります。
お諮りします。議員提出議案第3号から議員提出議案第5号までの件、3件については、会議規則第37条第3項の規定により委員会の付託を省略したいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
御異議なしと認めます。したがって、議員提出議案第3号から議員提出議案第5号までの件、3件については、委員会の付託を省略することに決定しました。
これより議員提出議案第3号に対する討論を行います。
まず本案に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
討論なしと認めます。これで討論を終わります。
これより議員提出議案第3号 憲法9条を生かし、核兵器のない世界をめざすとともに非核3原則の厳正遵守をすることを求める意見書の件を挙手により採決します。
本案は原案のとおり決定することに賛成の議員は挙手願います。
〔賛成者挙手〕
○議長(永田起也)
挙手多数です。したがって、本案は原案のとおり可決されました。
これより議員提出議案第4号に対する討論を行います。
まず本案に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
討論なしと認めます。これで討論を終わります。
これより議員提出議案第4号 TPP(環太平洋経済連携協定)への参加に反対する意見書の件を挙手により採決します。
本案は原案のとおり決定することに賛成の議員は挙手願います。
〔賛成者挙手〕
○議長(永田起也)
挙手多数です。したがって、本案は原案のとおり可決されました。
これより議員提出議案第5号に対する討論を行います。
まず本案に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永田起也)
討論なしと認めます。これで討論を終わります。
これより議員提出議案第5号 原発をなくし、自然エネルギーへの転換を求める意見書の件を挙手により採決します。
本案は原案のとおり決定することに賛成の議員は挙手願います。
〔賛成者挙手〕
○議長(永田起也)
挙手多数です。したがって、本案は原案のとおり可決されました。
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○議長(永田起也)
以上で、本定例会に付議された案件の審議は全部終了しました。
これで平成24年知立市議会6月定例会を閉会します。
午後2時03分閉会
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