○3番(安江清美)
 通告に従いまして、質問をさせていただきます。
 少子高齢化社会における知立市の政策について伺います。
 一部過去の先輩議員の質問表現と重なる部分があると思いますが、御容赦願いたいと思います。
 どこの自治体においても、例えば基本構想などの行政運営の中期的な戦略を立てるときの基礎としているのは、人口動向であるとされております。
 その際、人口全体の増減予測のみならず、年齢3区分別の人口割合がどのような推移を示すかを見きわめる必要があります。
 3区分とは、15歳以下の年少人口、65歳以上の老年人口、そして、この間の生産年齢人口であります。年少人口と老年人口を合わせて経済学等では従属人口と呼ばれております。従属とは、これら二つの人口区分に振り分けられる人たちが、生産年齢人口に養われることによります。人々の経済生活が豊かになるに伴い、都市型生活様式が普及し、食、医療、公衆衛生が向上するにつれて少産少死と長寿化が進展しました。皆様御案内のとおりであります。
 また、豊かになるにつれて非婚、晩婚化が進み、合計特殊出生率は低下傾向をたどることになりました。結婚しない、また、子供を持たない生産年齢人口が増加しております。大都市においては、他からの流入が多く、経済的な生産性は高いものがありますが、次世代を産み育てるという意味での生産性が極端に低い地域となっています。
 2005年の日本の総人口は1億2,777万人でした。出生中位推計の結果によれば、2030年には1億1,522万人を経て2046年には1億人を割り込み9,938万人となります。2055年には8,993万人になると推計をされております。長期の人口減少過程に入ることとなります。
 今後、自治体に求められることは、年齢3区分の人口割合の実績値と推計値をしっかり押さえ、それに伴う地域社会と行財政の変化を見きわめることであります。先般いただきました資料にありますように、知立市の3区分人口構成比は、平成20年から平成23年までの数値を比しても年少人口は1.7%の減、生産年齢人口は0.1%の減、65歳以上の老齢人口は1.7%の増であります。
 さらに日本人の将来予測として、奈良女子大、中山徹教授は、2100年の人口として先進国で世界第1位の人口減少率、先進国で世界第1位の高齢化率、先進国で世界第1位の年少人口率と、大変ありがたくない世界第1位にあげられております。
 当面の課題としては、既に始まっております団塊の世代の定年退職、生産年齢人口から老年人口に切りかわっていくことに注意を傾けることであります。
 この世代が2012年からは老齢人口の仲間入りをしています。長寿を前提にすれば、その大部分が後期高齢者となっていかれます。もう既に老年人口が増加をしていますが、さらに生産年齢人口のが職業社会から引退をされます。どうしても地域では元気な高齢者の出番を多くしなければならないものと思われます。でき得る限り健康寿命を延ばし、さまざまの日常生活を通じて地域社会を維持していかなければと思うところであります。
 とても65歳を過ぎたから社会から養ってもらうなどとは言ってはおられません。心身の機能の弱体化が起これば、当然ケアが必要とはなりますが、それらをさまざまな工夫により地域での支援システムを組むことにより対処することとなることでありましょう。
 基礎自治体である市町村の役割は、より一層重要なものとなる一方で、人口減少、少子高齢化などの社会経済情勢の変化、福祉サービスや社会保障関係費の増大、これまでの累積債務の返済など、行財政面で多くの課題も抱えています。
 また、役割、責任が増す市の職員数は減少傾向にあります。このような状況におきまして、簡素で効率的な行政体制を目指す取り組みを不断に続けていく必要がありますが、現在、知立市におかれている状況や課題は多様であります。
 今後、事務処理のあり方を考えるに当たり、みずからの置かれた現状や今後の動向を踏まえた上で、その課題に適切に対処できるようにする必要があります。共同処理方式による周辺市町村間での広域連携、衣浦定住自立圏や県による補完などは最も適したと思われる仕組みを採択されたと思うところであります。
 経済はグローバル化して少子高齢化も確実に進行、多くの制約の中、行政と政治が取り得る選択肢は減少の一途をたどることになります。知立市として、今後の対応はいかがでありましょうか。
 また、これら未曾有な現象にどう対応されるのかお聞かせ願いたいと思います。
○議長(池田滋彦)
 福祉子ども部長。
○福祉子ども部長(毛受秀之)
 安江議員からの少子化対策ということで、私の所管のほうで答弁させていただきます。
 当市におきましては、次世代育成推進法という法に基づきまして、現在、平成22年から平成26年までの5カ年計画で多くの少子化対策に伴う諸施策を行っておるわけですが、これの着実な実行が少子化対策につながるというふうに思っておりますので、これをしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。
 以上です。
○議長(池田滋彦)
 3番 安江議員。
○3番(安江清美)
 ありがとうございます。
 また、知立市としては、少子化の進展にはどう対処されるのか。とりあえず少子化に歯どめをかけ、反転させることが寛容かと思われますが、子育てや就労に対する支援策は知立市と市民の皆様の取り組み方への傾注度の高さにより、さほど困難ではないものと思われます。この点について、市長の御見解を賜りたいと思います。お願いします。
○議長(池田滋彦)
 林市長。
○市長(林 郁夫)
 知立市は、子育てがしやすいまちづくりを今、標榜しております。子育てがしやすい、あわせて子供がすくすくと育つ、そんなまちを目指して今、市政運営をさせていただいているところでございまして、そうした空気と申しますか、流れと申しますか、それが知立市から発信されていく、そんなことで知立市では少子化ではない、知立市では子供を産みやすいな、それがどんどんと愛知県、そして、全国に広がっていけばいいなというふうに思っております。
○議長(池田滋彦)
 3番 安江議員。
○3番(安江清美)
 ありがとうございます。
 多くの方々が知立市に住まわれて、年少人口がふえることを祈念しております。
 人口構成変化に対応するようにシステムの見直し、変更、廃止などの行革を断行していかなければならないのではと思うところではありますが、中・長期的に見れば少子化は生産年齢人口の減少になり、自治体としてはそれが今後の行財政運営に及ぼす影響を考えて対処方法を講じていかざるを得ないこととなります。生産年齢人口の減少は、仮に1人1人の所得が変わらないとすれば租税力の低下によって自主財源費の低下へとなる可能性が大であります。
 地価の下落や上昇停止、また、老齢人口増加により家屋の建てかえ需要の減、それに伴う固定資産税の減少にも考慮しなければならないところであります。
 さらに生産年齢人口の縮小は消費の減退、さらには地域経済の衰退に結びつく可能性があります。それがさらに地域での法人税の担税力の縮小につながっていきます。こうしたことから多くの自治体では歳入が縮小していくことは必至であります。歳出面では、ここ数年来の定員の適正化と団塊世代の退職により減少の傾向ではありますが、さらなる削減が求められることでありましょう。今後さらに少数精鋭の職員体制へ向け、ぎりぎりまでの努力が必至となるところであります。
 それとともに、自治体や国においては、箱物やインフラの維持、管理や更新に関する費用の問題がここ数年注目を集めるようになっています。東京都東村山市では、公共施設修繕20年間で254億円とあります。人口減少と少子高齢化が進行する中、現在の規模で公共施設を維持、更新することは極めて厳しくなってきています。それを一つ一つのデータを積み上げ、検証をされました。同市で現在の施設を維持するための修繕、更新は254億円に達し、大規模修繕が必要な施設は134施設中34施設、延べ床面積では49%に達すると言われています。こうした数値を市民の皆様に提示をし、施設の取捨選択はやむなしとの認識を共有していただくことが肝要ではないでしょうか。転ばぬ先のつえを確保するためにも、まずみずからをよく知ることが重要ではないでしょうか。
 このような総点検は、鉄道高架事業において毎年多額の予算が計上されますことを勘案してみて、知立市にとっては最も欠かせない作業ではないでしょうか。副市長の御見解を承りたいと思います。お願いします。
○議長(池田滋彦)
 清水副市長。
○副市長(清水雅美)
 質問者が、るる御指摘がありましたように、全体のトレンドとしては、高齢化、少子化という流れだと。知立市においては全国的なそういった流れの中では、まだまだ人口増でありますとか、先ほど御質問者もお話にありましたように、まだまだ年少人口の減ではございますが、そういったのでわずかなところにとどまっていると、こういったことも今、知立市がいろんな意味での子育て日本一を標榜しながら子育て支援策等々を展開している一つの結果だろうというふうに認識をしているところでございます。
 それから、今後においては、やはり御質問者が御指摘のように、生産年齢人口というのは減少していくわけでございますので、そういった意味での市民所得の低下等々からの税の減収、そういったことも見込まれるということでございます。
 そういったことで、先ほど来前の御質問者のお話でありましたように、いかに知立市のいろんな都市としての魅力を高めながらそういったまちの活性化を維持していくかというような施策が今後とも必要だろうというふうに考えます。
 他方では、そういった減収、そんなようなことも考慮すれば、今までのような行政の体制も今のままでいいのか、詰めるところは詰めなくちゃいけないんだと、そういった御指摘についても、この辺もさまざまな精査をしながら、無駄を省くという視点での取り組みも大切なことだというふうに考えております。
 この点につきましても、これは過去から現在も引き続き全庁的に取り組んでおるところでございまして、こういった考え方はさらに強化、継続をしなくてはいけないことだろうというふうに思います。
 しかしながら、そういった高齢化、少子化で今後新たな行政需要というものも当然出てくるわけでございますので、そういった高齢者に対するいろんな施策も今後さらに充実が求められるというような側面もございますので、大変厳しい財政運営だというふうには認識しておりますけども、こういったところも長期的な視点も持ちながら適正に対応する、こんなことが大事なことだろうというふうに考えております。
○議長(池田滋彦)
 3番 安江議員。
○3番(安江清美)
 ありがとうございます。
 不要不急な事業、施設の廃止や思い切った住民サービスの民営化も今後は断行せざるを得ないことになることでありましょう。市民のセーフティネットとなっている扶助費については、まず減ることはないことと思われます。
 今後は、財政状況のありのままを住民にわかりやすい情報の形として公表をし、その理解を求めて地域社会の協働事務としてどうしてもやらなければならない事務事業が何であるのか、それらをどのような手法で実施するのかを住民の皆様とともに検討、議論をして持続可能な行財政運営のあり方を決めていかなければならないと思うところであります。
 あれもこれも行って住民満足度を上げていくような時節ではなくなってきていると思うところであります。住民の皆様が不満であっても納得していただける政策の選択と予算の集中を考えざるを得ないことでありましょう。これらのことから、
 今後は納得の行政がキーコンセプトであると思われますが、国と地方の行財政制度、地域主権型に改革していくことが分権改革の縦軸とすれば、人、物、金、エネルギーの動きそのものを変えて地域の持久力を高めるような経済社会システムの構築をしていくことは分権改革の横軸であるととらえられます。分権改革は、だれかにお任せから、みずから引き受ける地域人の覚悟と可能性を象徴しているものであると思います。この辺のことについて、副市長のお考えを承りましてこの質問は閉じます。
○議長(池田滋彦)
 清水副市長。
○副市長(清水雅美)
 確かに御質問者御指摘のとおり、限られた財源をいかに優先順位をつけながら適正に配分をしていくかということだろうというふうに思います。
 そういう点では、今後さらにそういったいろんな各事業の精査、市民の皆さんのニーズ、こういったものをしっかり把握しながら取り組まなければいけないということだと思いますし、片や御指摘のとおり、知立市のいろんな財政を含めた現状、こういったものもしっかり市民の皆様にも御理解をいただく、そういった情報提供といいますか、開かれた行政という部分についても一層の努力をさせていただかなきゃいけない、そのように考えておるところでございます。
 いずれにいたしましても、何事におきましてもサービスを受けられる市民の皆様の御理解というところが第一かというふうに思いますので、そういった現状についてはしっかりと皆さんにも情報提供をしながら、また、いろんな施策の決定、そういった過程についてもできるだけ透明性を高める、そんなことも考えながら御理解をいただく、そんなことが肝要だというふうに思っております。
○議長(池田滋彦)
 3番 安江議員。
○3番(安江清美)
 ありがとうございました。
 続きまして、宇宙の学校の知立市での開校について伺います。
 宇宙の学校は、宇宙教育センターとKU−MA、NPO法人子ども・宇宙・未来の会が連携をし、各地域の主催者の方々と協力しながら行っている社会教育支援プログラムです。宇宙の学校は1年間に複数回行われるスクーリングと親子一緒に家庭で取り組んで行ってもらう家庭学習によって構成されているとあります。
 子供たちは、生身の自然や生き物が大好きです。特に宇宙についての話は、彼らの好奇心や想像力をかき立て、宇宙への人類の挑戦の歴史が彼らの冒険心を刺激します。
 一方で、新聞を開けば青少年に関係した悲惨な事件が頻繁に報じられています。命の尊厳が重要な脅威にさらされ、子供たちの知識離れ、社会離れの声が聞こえてきます。
 20世紀人類は、宇宙が100億年以上前に誕生したことを突きとめ、やがて銀河や星が誕生し、そして気の遠くなるような過程を経て私たちの命の進化の道筋を明らかにしました。身の周りの生き物が生まれるまでに綿々と連なる命のリレーがあったという事実、その命がもともとは銀河や星のかけらだったという事実を聞かされるとき、子供たちの心には、実にさまざまな考えが去来します。日々日本人は、豊かな森や川や海と生きながら自然のあらゆるものに命を感じる感性をはぐくんできました。地球環境がかつてない危機にある今こそ、この日本の人々の感性を世界に発信するときであると思います。
 日本の子供たちが故郷の星と命への限りない愛情をはぐくみ、世界の人々のために惜しみない力を発揮するための準備を開始することが日本の子供たちの人生を輝かせ、日本と世界の豊かな未来を築く最大の保障であることを宇宙の学校を通して証明していきたいと考えます。そのように案内されています。
 1969年、昭和44年、アポロ11号が月面着陸をしました。アームストロング船長が人類初の第一歩を左の靴底で刻みました。これは、一人の人間にとっては小さな一歩だが人類にとっては大きな飛躍だとの名言をはかれました。当時テレビの前に座り込み、じっと見詰め、いつかは我もと思いをはせたのは私のみでありましょうか。残念ながら、氏は8月25日に他界をされました。御冥福をお祈りいたします。
 また、さきの新聞報道によりますと、米航空宇宙局NASAは、火星探査機キュリオシティーが撮影しました最新の画像を公開しました。そこには着陸地点のクレーターの真ん中にあるシャープ山の方向を撮影したものがありました。世界遺産にも登録がされている米政府の皆様もおなじみの大渓谷グランドキャニオンにそっくりの層状の地形が見られます。グランドキャニオンは中央を流れるコロラド川の浸食作用で誕生しました。火星のこれらの地形も、同じように水の流れによる浸食でできた可能性があると結んであります。これらのことからも人は皆、見果てぬ宇宙に限りない夢を抱いているものと思われます。
 さて、宇宙の学校が知立市で開校の運びと伺っております。どのようなものでありましょうか、具体的にお答え願います。
 また、いつどこでどのような形での運びでありましょうか、お答え願います。
○議長(池田滋彦)
 川合教育長。
○教育長(川合基弘)
 ただいま宇宙の学校、あるいは宇宙に寄せる思い等、御披瀝いただきました。今、御紹介にもありましたけども、宇宙の学校というのは、今全国に28カ所あります。愛知県では、今、小牧市に1カ所あるだけで、もしこれで知立市で開校すれば愛知県2番目の宇宙の学校というのができるわけです。長野県にも1カ所あるわけですが、これは知立市と姉妹都市の伊那市で宇宙の学校をつくっています。
 今もお話がありましたように、この宇宙の学校、もちろん宇宙を一番中心に据えるわけですけども、我々が住んでいる地球も、そして、自分が今住んでいるこの地域も宇宙に包含されます。ですから、空ばかりを見るんではなくて、ほんとに自分たちの足元の自然、命、そういうものももう一度見直そうという視点でいろんな活動が展開されています。
 特に一昨年ですか、小惑星探査機はやぶさの7年にわたる飛行による帰還、金環日食、今、星出さんの宇宙ステーションでの長期の滞在、こういうことがニュースになるにつけ、子供たちは宇宙に対する興味、関心を持っていると。こういう時期に宇宙の学校の開校するということは、大変いいことであるなということを思います。
 それで、開校についてどうなんだというお話ですが、実はもう決まっていまして、ことしの11月4日日曜日午前中ですが、八ツ田小学校の体育館で開校しようということで、今、準備委員会のほうが話を計画を進めています。
 この開校の折には、この宇宙の学校あるいはこども・宇宙・未来の会、略してKU−MAというんですけども、その会長をしてみえる的川さんという方がみえるんですが、的川教授ですが、その方にも来ていただいて記念講演をしていただく。それから開講式をし、そのあとスクーリングをするという予定であります。
 この宇宙の学校の一つの特徴として、例えば先ほど発明クラブの話が出ましたが、同じくちょっと違う視点で科学に子供たちにふれさせようということでは一緒なんですけども、発明クラブは子供たちが参加して、子供たちがそこで作業をするというそういった活動です。宇宙の学校は、親子で参加をするというのが特徴的です。
 しかも、このスクーリングというのが、今考えているのは2カ月に1回やるんですけども、そのスクーリングとスクーリングの間は家庭で、また親子で何か科学とか宇宙にかかわることを進めてくということが特徴的であります。
 今年度は11月4日の開校ということなので、今回については11月、そして来年の1月、3月の年3回を予定していて、それぞれオープン参加、その都度参加者を募って希望する者には活動してもらおうということを今、考えています。
 来年度、平成25年度は年度当初から今、大ざっぱに2カ月に1回、6回のスクーリングを年間同じメンバーでやっていこうかなというところまで今、話が進んでいます。
 それで、この知立で宇宙の学校を開校しようという機運がどのように高まってきたかというこれまでの経緯なんですけども、実は、昨年の8月ごろでしたかね、知立市在住で以前JAXAの事業にかかわった方から、宇宙の学校を設立をしたいと今考えていると。協力をいただけないかということで私のところに訪ねてまいりました。
 自分としても子供にとってよい、あるいは全国で展開されていることが知立市でできたらいいなということで、その後、何回か一緒に話し合いをしてきました。
 そして、ことしの4月なんですけども、KU−MAの代表の的川教授が刈谷市に来て講演会をされました。そのとき自分は、その講演を聞かせていただき、そのあと的川教授を交えて知立市に宇宙の学校をつくりたいという方たちと一緒に懇談会を設け、そこで具体的に知立市でつくっていこうということになってきたところであります。
 宇宙の学校をつくるためには場所のこと、費用のこと、スタッフのこと、いろんなことが課題があるわけですけども、まず、スタッフについては、まだまだこれからいろいろさらに呼びかけをしていくわけですけども、今のところ学校の先生方ですね、知立市教育研究会理科部の先生方、地元の企業、愛知教育大学、地元のおやじの会、そういうところに協力をいただいて、少しずつ組織が今できているところであります。
 これまでの経緯と開校式の予定については以上であります。
○議長(池田滋彦)
 3番 安江議員。
○3番(安江清美)
 ありがとうございました。
 日本のロケット誕生の地、国分寺でほそぼそと始まった宇宙の学校、開校先進地においてはどのような効果があげられていますでしょうか、お答え願います。
○議長(池田滋彦)
 川合教育長。
○教育長(川合基弘)
 先進地での教育効果、自分はよくわからないわけでありますが、自分が今回この宇宙の学校、個人的にですね、教育委員会、教育長としてとよりも個人川合として今かかわっているんですけども、そのときに自分が期待している宇宙の学校における子供たちの教育効果ということは、まず一つは、科学事象に体験的にふれる機会がある。実際、自分でいろんなものをつくったり、それを試して例えば飛ばしてみたりというそういう体験の機会をもてるということ。
 それから、先ほども説明しましたがスクーリング、みんなが集まってそこで何かつくったり、作業をしたり実験をするわけですけども、そのスクーリングとスクーリングの間、家庭で家庭学習というとちょっと言葉が違うかもしれませんが、親子で何か取り組むというそういうことも期待しています。行ったときだけじゃなくて、その間も継続的に科学的な探求はできるということがいいのかなということを思っています。
 それから、何よりもですね、これは的川教授も非常に力説をしていただいたんですけども、親子での活動、親子でのきずな、これをスポーツとか音楽を通してのこれまではそういったことはあったんですけども、こういう科学的な取り組みの中での親子のきずなというのは、これまであまり注目されていなかった部分でありますので、そういったことが宇宙の学校を実践することでできていくのかなということを自分としては期待をしています。
○議長(池田滋彦)
 3番 安江議員。
○3番(安江清美)
 一般的には、まだあまり周知がなされていないように思いますが、今後どのような方法で広く知らしめられるのでしょうか、お示し願います。
○議長(池田滋彦)
 川合教育長。
○教育長(川合基弘)
 とりあえずは11月4日に向けて、今いろんな形で皆さんにお知らせするということを準備委員会のほうでは考えています。
 まず、そこに参加する子供たちの募集ということでありますが、これは今回の宇宙の学校に参加資格というんですかね、それは小学生とその保護者ということですので、その参加募集については各小学校を通じてチラシを配付していきたいと思っています。
 それから、開校の記念講演というのをうちの学校の開校式の後の活動とは別に最初に1時間ほどやるわけですけども、それについては、できるだけ参加する親子にももちろん聞いてほしいわけですけども、せっかく遠くからみえる的川先生ですので、より多くの市民の方に聞きに来ていただけるようなチラシの配付等を考えています。
 また、市の広報に載せていただいたり、記者発表などしていくということで、今、準備を進めています。
○議長(池田滋彦)
 3番 安江議員。
○3番(安江清美)
 この学校の開校により子供たちにとってどのような教育効果、また、社会的効果があるものと考えておられますでしょうか、お答え願います。
○議長(池田滋彦)
 川合教育長。
○教育長(川合基弘)
 先ほど先進市での教育効果ということについて自分がわかってないものですから、先ほど自分が話した教育効果というのは、知立市の宇宙の学校で得られる効果かなということでお答えしたその内容であります。
○議長(池田滋彦)
 3番 安江議員。
○3番(安江清美)
 ありがとうございました。
 知立市においては科学の学校も模索中であるとのことでありますが、来年、前来迎寺小学校校長の金原先生を初めとした山屋敷町福井晋也先生を中心として進行中とのことですが、これは御説明いただけますでしょうか。
○議長(池田滋彦)
 川合教育長。
○教育長(川合基弘)
 今、御質問の中身は、まちの科学館というのを今できたらいいなということで、準備委員会にもならないぐらいの今ところでありますけども、いろんな方とお話をしながら、知立市の身の丈に合った子供たちが理科とか科学の活動ができるような拠点としてまちの科学館の設立ができたらいいなということで、いろんな話し合いをもっているところであります。
○議長(池田滋彦)
 3番 安江議員。
○3番(安江清美)
 ありがとうございます。
 これらの学校と科学館が多くの参加者を得て、子供たちの知識力が大いに満たされんことを祈りつつ、この質問を閉じます。ありがとうございました。
 引き続き質問させていただきます。
 松並木の現状と、その後についてお伺いしたいと思います。
 先般、知立市にとって最も歴史的価値の高いもの、貴重な文化財であるところの松並木のうち、とても立派な古木である松が1本枯れてしまいました。多分400年間、知立市の移ろいをつぶさに見てきてくれた貴重な証言者であったと思われます。まことに残念至極なことであります。
 私の3月の一般質問時、担当部長であられる教育部長は、今の松並木の状況ということでと前置きをされ、上部が赤茶けて枯れているのではとの話を聞き、大変に心配をして造園業者のほうに確認をしましたとあり、造園業者の話では、それは確かに枯れているんですけれども、松というものは水分がたくさん要ると、その中で今、下がアスファルトになってしまっているので水分が取れない分、松は自分で生きようとして自身要らないところをみずからが枯らして枝を落とすんだそうです。だから今の現状として、私どものほうは、毎年毎年委託料を組んで、ちゃんと委託をしておりますので、現状、松が枯れているということは今の外見を見た中で認識はございませんと答弁をされております。
 枯れてしまった松に関して、枝の切り口の新しいものが何カ所かあります。どのような状況のもとに枝を切断されたのかお答え願います。お願いします。
○議長(池田滋彦)
 教育部長。
○教育部長(野村清貴)
 今、議員御披瀝のとおり、私、3月議会の中で現状の中では、この松並木は心配ないというふうに答弁させていただきました。
 枝が今、切断をされているのはなぜかということでございますが、松の中でもたまに太目の枝が折れることがあるものですから、そういったところは切断をしておりますが、あえてこちらのほうで伐採をしたとかいうことは、担当課のほうに聞いても認識はございません。
 以上です。
○議長(池田滋彦)
 3番 安江議員。
○3番(安江清美)
 ちょっと質問に対する答えがおかしいと思うんですけど、実際に切り口が新しいのがあるわけですよね。ですから、切られた事実はあるわけです。
 そうすると、二、三カ月前から枯死する兆候は既にあったということじゃないんでしょうかね。教育部長答弁の今の現状として、毎年毎年委託料を組んでちゃんと委託をしておりますので、現状枯れているということは今の外観を見た中では認識がございませんとの答弁とは矛盾していると思うんでありますが、いかがでしょうかね、お答え願います。
○議長(池田滋彦)
 教育部長。
○教育部長(野村清貴)
 私もそういった松、樹木のプロではございませんので外観を見てもよくわかりませんが、当時その質問をいただいたときに、委託している造園業者のほうに聞きまして、先ほどの松の特性ということもお話をさせていただきました。
 また、委託業者の方が、毎月月に1回は下地の草刈り等行っていただいておりますので、例えばその中で、これはちょっと危ないよとか枯れてるよとかそういった認識があれば、そのときの報告書の中にあがってきますので、その報告書については担当課の担当者が確認をしておりますので、そういった事実は聞いておりません。
 ただ、今回の松につきましては、数日のうちにあのような形に赤茶けてしまったということでございますので、その点について、私のほうはびっくりをしております。
 以上です。
○議長(池田滋彦)
 3番 安江議員。
○3番(安江清美)
 数日のうちに枯れてしまったということでありますが、そうすると、枯れてしまった原因を早急に調査をされてその対応をして、原因によっては他の松に波及をしないように対策を講じていただきたいものでありますが、自然枯れ死であるならば松の木の有効利用を考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか、お答え願います。
○議長(池田滋彦)
 教育部長。
○教育部長(野村清貴)
 今回のこの枯れた松につきまして、まず8月3日の金曜日に第一報をいただきました。そして、私宛てにこの一報をいただいたわけですが、私はこの日はお休みをいただいてたものですから、8月6日の月曜日、確認をさせていただきました。
 それで、造園業者を通じ樹木医のほうにお願いをいたしまして、例えば松くい虫等でございますとほかの松にも影響してしまいますので心配ですということで御相談をさせていただきました。
 そういった中で、樹木医は当然その松を調べていただいて、夏の間にこういうふうに枯れるのは松くい虫ではないということで、まずその話をいただきまして、じゃあ何で枯れちゃったのということで調べていただきましたら、菌糸というものが確認をされたということでございます。このことは、この松の樹勢が衰えてきたということを示すということでございました。
 それで、何とかこれをもち直す手だてはないのかということも当然ながら御相談をさせていただきました。しかし、残念ながら、この松については樹勢が衰えているために伐採をするしかないということでございました。
 それで、この松を大変市としても保存樹木でございまして、この松の伐採後の有効利用ということでございますが、この有効利用につきましては、今、愛知教育大学の先生のほうに彫刻として何かモニュメントとして残せないかというふうに御相談をさせていただいております。
 また、こういったことが無理であれば、八ツ田小学校においては陶芸を行っておりますので、その陶芸用の木として活用するということも一つの有効利用。また、せっかくの松でございますので、市民の中には私がほしかったかなという方がみえるといけませんので、そういったことも踏まえ、関係各位の御意見をお聞きをして、何とか有効利用できるように検討しております。
 以上です。
○議長(池田滋彦)
 3番 安江議員。
○3番(安江清美)
 そうすると、もう既に文教の副会長である宇野先生と八ツ田小学校へ運ぶということは、もう決定済みでありますよね。広く市民の皆様には広報されるということはないわけですね。私の耳には、ほしい方が、私ほしいというふうに言ってみえる方もあるんですけれども、その辺についてはいかがでしょうか、お答え願えますでしょうか。
○議長(池田滋彦)
 教育部長。
○教育部長(野村清貴)
 今、私が言いましたのは、愛知教育大学のほうに何か彫刻としてモニュメントで残せないかという相談はしております。その点については、返事はまだ現在はいただいておりません。
 そこで愛教大のほうが使っていただければそれはそれでいいですし、もしそれがだめだよ、使えないよということであれば、先ほど言った八ツ田小学校ということもございますし、また、市民の方の中には、そういった松が私はほしかったなという方がみえるといけませんので、何とかその松を市民の方でほしい方がいれば分けてあげれるような形で一旦は伐採はするんですけども、例えば文化課のどこかに保管をしていく方法で促すとか、そういったことも踏まえ、今、検討しているところでございます。
 以上です。
○議長(池田滋彦)
 3番 安江議員。
○3番(安江清美)
 ありがとうございます。
 せっかく400年知立市を見詰めてまいりました松なので、有効に利用していただけるようにお願いいたします。
 それから、東海道筋に松が植えられて四百十年にならんとする貴重で重要な松並木で後世に伝えていかなければならなく、知立市にとって歴史的価値の最も高いものの一つであるとも答弁されておられます。松の木の保存について、今後企画プロジェクトを立ち上げ、文化財保護の立場から提言するともお答えになっておられます。この松並木に関して、当局は文化財価値としてどのようにとらえられておられるのでしょうか、具体的にわかりやすい表現でお答え願いたいと思います。
○議長(池田滋彦)
 教育部長。
○教育部長(野村清貴)
 この松並木の今後といいましょうか、そのことかと思いますが、プロジェクトチームということも以前お話したことがあるかと思います。
 しかし、まだこれを松並木をこれからどのようにしていくかというのは、まだ全く具体的なものは出ておりませんので、まずは今はその松並木の松を何とか保存するように今年度、平成24年度、樹木医の診断の予算をいただきまして、この9月から12月にかけてすべての松を診断をいただくということで、今はこの保存に努めるということでございます。
 以上です。
○議長(池田滋彦)
 3番 安江議員。
○3番(安江清美)
 ありがとうございます。
 今後、松たちが枯れないように、ますます知立市を見守ってくれるようにお願いしておきます。
 それと、市民の方より、松の状態がよくないとの注進に対して、職員の方はどのような対応をされておられますでしょうか。実際に現地へ赴き、その目で実際にお確かめになられておみえでしょうか。行政職であられますから、それぞれの業者に依頼されるのみでありましょう。いかがでありましょう。
 机上での作業に終始されるのみではと思うところであります。実際に何本かの松が虫に食われ、例えば菌糸にやられておるということではありますが、実際に私が見てきたところによりますと、この認識番号でありますが、松、虫が食っております。これは御存じでしょうかね。多分御存じじゃないと思います。こういうふうに穴があいております。非常に枯れる予備軍となっておるというような感じがしております。
 今般は知立市と同規模人口の自治体では、協働との声のもと、市民の皆様と市の職員の皆様がともに行動をして事の対応に当たっておられることが私の耳にも達しております。このことは、これからの自治体のあり方の先鞭となることに相違ありません。これらのことを含めて、明確に責任ある答弁を求めたいと思います。
 これは副市長にお答え願いたいと思いますが、よろしくお願いします。
○議長(池田滋彦)
 清水副市長。
○副市長(清水雅美)
 知立市の松並木、これは再三この本会議でも話題になっておりますけども、どこにも負けない立派な松並木だというふうに思っております。
 かきつばた、花しょうぶは期間限定というようなこともございますけども、松並木は一年中皆さんに楽しんでいただけますし、そういった魅力のあるものだというふうに思いますし、そういった歴史的な価値も高いというふうに思っております。
 そういったことで、文化財としてしっかりこれを市としては教育委員会もしっかりやっとっていただくわけでございますけども、ああいった今の時代の流れの中で、道路事情でありますとかいろんな周囲の環境も植物、とりわけ松にとって決していい環境ではないのかなというふうにも思います。そういったところで、やはり貴重な文化財をいかに守るかということと、その松並木をいかに活用して新たな観光資源として生かせるか、そういった両面でのこと、そういったことも今後考えていかなくてはいけないのではないかなと。
 また、あそこは相当の交通量のある道路でございますので、道路の維持管理、そういったことで松への影響等々とか、また、周辺の企業、こういった方々も松並木があることによってトラックの出入りが非常にしにくいとか、そういったお話もあります。ですから、そういったものを逆に地元の企業にも文化財としての松並木、また、知立市の観光資源としての松並木、そういったことの御理解をいただく中で、地元の企業ともお互いの協力しながら、お互いが成り立つといいますか、そんな形での松並木の保存、そういったことも今後考えていく必要があるのではないかな。
 先ほど御質問者もおっしゃいましたように、そういった地域の皆様、市民の皆様とも一緒になった文化財の保護、あるいは地域の振興、そういったものに結びつけていく、そんな取り組みを今後考えていければいいというふうに考えております。
○議長(池田滋彦)
 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめこれを延長します。
 3番 安江議員。
○3番(安江清美)
 ありがとうございました。
 次に、松並木通りの歩道の敷石とアスファルトについてお尋ねします。
 遊歩道の敷石ですが、元気な松、またはもがいたあげくの根の活動かはわかりませんが、ところどころ持ち上がってしまっています。
 先ほど紹介しました造園業者の言による、アスファルトであるから水を通さないとの教育部長との答弁とは矛盾しますが、もちろん車道側は厚いアスファルトに覆われていますが、市長御自慢の敷石と浸透性のアスファルト舗装であるとのことですが、松にとっては大変迷惑千万なことと思います。
 さらに自転車で通行も認められております。浮いた敷石により事故が起こることは、必ずしもないことではないと思われます。このように浮いてしまっているわけですね。そうすると、この上を自転車が通ると、子供なんかは通ると転ぶ可能性もあるわけです。
 先般、松の状態をごらんになられた市長、登庁時通行されて、当然、敷石浸透性、アスファルトの状態もつぶさにごらんになっておいででしょうと思われます。この現状についてどうお考えかをお答えいただきまして、私の質問は終わります。ありがとうございました。お願いします。
○議長(池田滋彦)
 林市長。
○市長(林 郁夫)
 この松並木は、今、副市長申し上げましたように、ほんとに季節的なものではなくて、年がら年じゅう楽しめる知立市の歴史を感じていただけるものであります。これについては、これからもっともっと文化的資源のみならず観光資源として生かしていかなければいけないと思っております。
 その中で、今回初めて樹木医の予算をつけ、そして、樹木医が診断が9月以降のほうがいいよと、夏が過ぎてからのほうがいいよということでございましたので、9月以降に今から樹木を2人がかりで診断をしていただくわけであります。そのときに、どんな保存の仕方がいいのかなということもしっかりと樹木医に聞いて、その松にできるだけダメージを与えないような保存の仕方、また、管理の仕方、そんなこともしっかりと樹木医に聞いて後世にしっかりと残していく、そんな体制を整えていきたいと思っております。
○議長(池田滋彦)
 これで3番 安江議員の一般質問を終わります。
 ここで10分間休憩します。
午後4時52分休憩
―――――――――――――――
午後5時02分再開
○議長(池田滋彦)
 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、2番 明石議員の一般質問を許します。
○2番(明石博門)
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、私は生活保護からの自立のためのテーマで当市が取り組むべき課題について、大きく2項目お尋ねいたします。
 皆様既に御承知のとおり、我が国の生活保護受給者が本年3月時点で、ついに210万人を突破しました。受給者数がこれまで最も多かったのは、戦後の混乱が続いていました1951年度の204万人、経済成長とともに徐々に減少し、1995年度に88万人まで減りましたが、不況により受給者数は増加に転じ、2008年のリーマンショックを引き金に急増したわけです。
 当市の現状はといいますと、本年4月末時点で434世帯の方が保護を受給されると聞いています。この場で申すまでもございませんが、生活保世帯制度に目的は三つあります。
 一つは、生活に困窮する方々に対し、必要な保護をすること。二つは、健康で文化的な最低限度の生活を保障すること。三つは、自立を助長すること。すなわち自立を助けてあげることです。
 私は、この三つ目の自立を助けてあげること、ここに着目をして質問をさせていただきます。
 この自立支援策として、まず就労支援からお尋ねします。
 先ほど申しました当市の生活保護434世帯の内訳はといいますと、高齢者世帯122、障がい者世帯45、母子世帯25、傷病世帯58、その他世帯184、このその他世帯といいますのは、いわゆる高齢者でもなく障がい者でもなく、身体が健康で就労が可能であるが、何らかの理由により全く働いていないか、一部働いている世帯を指します。つまり、184世帯42.4%、半数近くの方が働いていなく、保護を受けているということです。
 さらに近隣市のその他世帯が全世帯に対する割合構成率はといいますと、本年3月時点で刈谷市が34%、安城市が28.8%、高浜市が24.8%、碧南市が14.7%、知立市は41.2%と碧南市の3倍になっています。また、その他世帯の本年8月時点での保護費支給経過年数別世帯、つまり何人の方がどのぐらいの期間働かない、または一部働いて保護費を受給しているかと申しますと、1年未満が30世帯、1年以上2年未満が46世帯、2年以上5年未満が98世帯、5年以上が1世帯の方々が生活保護から抜け出せない状況となっています。
 福祉子ども部長にお尋ねします。
 これら現状をどのように見ておられるのでしょうか、お聞かせ願います。
○議長(池田滋彦)
 福祉子ども部長。
○福祉子ども部長(毛受秀之)
 私も質問者同様ですが、その他世帯の現状が大変状況としては危惧しているということでありまして、このその他世帯に対する今後の対策としては重要だろうというふうに認識しております。
○議長(池田滋彦)
 2番 明石議員。
○2番(明石博門)
 それで、厚生労働省は被保護者の自立支援のために平成17年度から自立支援プログラムを導入しました。この自立支援プログラムは、生活保護の実施期間が被保護世帯全体の状況を把握した上で、自立支援の具体的内容や実施手順等を内容とする世帯類型ごとの個別支援プログラムを定め、これに基づいて個々の被保護者に必要な支援を組織的に実施するものであります。
 福祉子ども部長にお尋ねします。
 私は、今回の質問に当たり、事前に平成24年度生活保護自立支援システムと就労支援プログラムを二ついただきました。この中身を見ますと、嘱託医及び主治医との協議等を記述しているものと一方はしていないものとで両支援者は整合性がとれておりませんが、まずこれから説明をいただけますでしょうか。
○議長(池田滋彦)
 福祉子ども部長。
○福祉子ども部長(毛受秀之)
 今回、就労支援プログラムということで明石議員に担当のほうがお渡しした中身でございます。就労支援プログラムにつきましては、その情勢の変化等によって改正しておるわけですが、明石議員にお渡ししたプログラムの資料の内容の整理の仕方が悪かったということで、この辺については反省をしております。
 ですから、今現在、別紙ということでお渡ししてあるものが現状で動いておる内容でございます。大変申しわけございません。
○議長(池田滋彦)
 2番 明石議員。
○2番(明石博門)
 よくわかりました。
 では、その今、別紙の現状であります就労支援プログラムの概要を簡単に説明いただけますでしょうか。
○議長(池田滋彦)
 福祉子ども部長。
○福祉子ども部長(毛受秀之)
 概要でございますが、稼働能力を有し、就労意欲があり、就労支援を同意している生活保護費受給者に対し就労支援員と担当ケースワーカーとの連携により求人情報の提供、また、履歴書の書き方、面接の指導、ハローワークへの同行などが決められた支援内容というふうになっております。
 以上です。
○議長(池田滋彦)
 2番 明石議員。
○2番(明石博門)
 前もっていただきました就労支援プログラム、私も見ておりますので概略はわかりますが、その中に、生活保護の3番目で自立助長の面から見れば、まだまだこれは不十分でないかと思います。
 と申しますのは、ここに就労意欲がある者に対してこうだこうだというような文言がありますが、その就労意欲が非常に薄れている方に対してはどうだということが一文もございませんが、どうすれば就労意欲が出るのか、就労意欲が弱い方への取り組みが最もこれは重要であると思います。
 この愛知県におきましても、求人倍率としましては他県に比べればまだまだいいほうですから、就労には他県に比べればもっと就労が上がると思うんですけども、そこで、就労支援に力を入れてます釧路市の取り組みを少し紹介させていただきますと、釧路市は生活保護からの脱出策として、本人の同意のもとにボランティア参加などを通して就労意欲を養う仕組みを釧路方式として自立支援プログラムをもっております。
 同市の取り組みの特徴は、就労支援プログラム、就労体験的ボランティアプログラム、就業体験プログラム、日常生活意欲向上支援プログラムに分かれ、それぞれが単独で機能しているようです。
 実例を挙げますと、Aさんですけども、Aさんは吐血して倒れた。生活保護を受けながら体調の回復に努めざるを得なくなった。精神的に追い詰められていたAさんを救ったのが市の自立支援プログラムだった。ケースワーカーの勧めで生活保護受給世帯の子供たちに学習支援を行うボランティア活動に参加したAさんは、自分を受け入れてくれる居場所だと感じたと振り返る。
 活動を続けるうちに、失っていた自信を取り戻したAさんは、就職活動を始めるようになった。非営利団体の正職員になったため、生活保護の受給を打ち切った。Aさんは、市の支援があったから社会復帰への意欲を持てたと語っています。
 また、医師から肝炎と告げられたBさんは、長期療養のために会社をやめ、9カ月後に就職活動を始めましたが、生活保護を受けなくても済む待遇の仕事にはつけなかった。Bさんは、徐々に就職を望む気持ちがうせていったと当時を振り返っています。
 転期となったのは、ケースワーカーからの助言だった。農園でのボランティア活動をすすめられ、それに参加する中で、生活保護から抜け出したい、自立したいという気持ちがわいたとBさんは話しています。
 現在Bさんは、生活保護を一部受給しながら非営利団体での仕事をしています。Bさんは、あのときにボランティアに参加しなかったら社会とのかかわりを避け、今ごろは仕事もしていなかったと思うと語っていた。こういった報告があります。
 釧路方式では、直接的な就労支援の前に、まず介護施設でのボランティア活動などを通じ、生活保護受給者の生活意欲、なかんずく就労意欲の向上や社会参加に対する意識啓発を図っております。釧路モデルのような就労意欲を向上させる取り組みに対し、見解をお聞きいたします。
○議長(池田滋彦)
 福祉子ども部長。
○福祉子ども部長(毛受秀之)
 いろいろ釧路等の例をお出しいただき、就労意欲の低下の方に対する支援策の例で御披瀝がありました。
 また、最初のほうには求人のことについてもふれておみえになりました。その地域、地域によっては大変実情が違うだろうと。北海道釧路といいまして、私もちょっと見させていただきましたら求人倍率が0.2という大変厳しい状況で愛知県7月の状況も見させていただきましたら1.1か1.2の状況でありました。
 その釧路の方たちにとっては、そういった求人倍率の低下に対する勤労というか、就労の意欲が低下にも大きく結びついているのかなということも考えられるのかなと。いろいろ行ってもなかなか自分に合う求人情報等とかそういったものがない状況がそういった就労意欲の低下にも要因の中かなというふうに思います。
 そういうことからいきますと、当こちらの知立市にいきますと、愛知県全体でいきますと、先ほどの求人からいきますと、やはり就労に導くように市としてはケースワーカーが昨年から5名から6名ということで1名増員になりまして、その他世帯に対する家庭訪問も以前より充実をしてきたということもありますので、私ども当市としましては、今現状そういったその他世帯の方たちの就労の方向、支援ということに重点をもって取り組んでいきたいなというふうに現在思っております。
 以上です。
○議長(池田滋彦)
 2番 明石議員。
○2番(明石博門)
 一応見解をお聞きしました。
 これに対しての意見はまた後ほど述べさせていただきますが、もう一件、埼玉県を紹介しますと、埼玉県の場合ですが、民間企業などで働いた経験をもつ就労支援員が職業訓練の受講から再就職まで一貫して受給者を支援する制度を設けた結果、2011年度には618人が就職し、96人が生活保護から脱出できたとの報告があります。
 また、堺市が行っている堺市被保護者キャリアサポート事業を紹介しますと、同事業は、職業選択などの相談に乗る研修雇用や求人開拓も行っていまして、担当者が連携して支援してくれたおかげで就職したいという思いが強くなったとか、もう自分に合う仕事はないと諦めている生活保護受給者には、清掃業の仕事はどうかなど本人に合う職種を具体的に提示し、就職への意欲を引き出しています。
 内容は、20人程度の一つのチームとして指導者と清掃などの訓練、また、ストレス対策講座などを開いたり、研修雇用をこなすことによる意識の変換を起こすものです。研修雇用とはいえ、参加者は働いて給料を得ることで社会の一員であるとの自覚を引き出され、規則正しい生活リズムや同僚意識を取り戻せるのですと担当者は効果を指摘しています。事実、1カ月が過ぎたころから正社員として就労を果たす人も出てきており、研修中の参加者も自信が生まれてきたと口々に語っていたそうです。
 同市が発表した成果によりますと、昨年6月から9月の間に388人が同事業を利用し、このうち99人が就職、就労したとの報告があります。
 このようにボランティアの場、研修の場、技能講習などの場が仲間づくりの場になっている場合もあります。生活保護を受けている方は、どちらかといえば孤立している人が多いのではないかと思います。後ほど取り上げますが、教育支援の学習教室もそうですが、制度には自分はここにいてもいいのだと実感できる居場所づくりの機能も必要だと思います。
 福祉子ども部長にお尋ねします。
 県・市の例を紹介させていただきました。このように各地地方行政は、個々に地域の風土、条件に合ったプログラムを作成し、支援を行っています。先ほど部長の見解によりますと、愛知県の場合は求人倍率が高いからそんなに釧路のようにボランティアとかいうようなプログラムはまだまだ必要でないと。私は、これは逆だと思います。知立市の場合は、先ほど最初に御案内したとおり、2年以上5年未満の方が98世帯もいるわけですね。この愛知県のように求人倍率が1以上あるのにもかかわらず98世帯もいると。片や、求人倍率が低いにもかかわらず就労している方がどんどんできているという成果も上がっているということであれば、こういうケースワーカーの活躍によるよりも、さらに前段階での就労支援のプログラムが私は必要ではないかと思います。
 当市もまずはこの生活保護から抜け出したい、自立したいという気持ちがわき上がるような、わかせるような就労の意欲を引き出すために外部から与えてあげる刺激のあるものがやはり就労支援プログラムにして追加、採用していただきたいと思いますけども、まずはいかがでしょうか。
○議長(池田滋彦)
 福祉子ども部長。
○福祉子ども部長(毛受秀之)
 先ほど私、求人倍率ということの比較をした中で、要因を御披瀝、答弁させていただいたんですが、確かにそういった方で、ほんとに生活保護から脱却する気があるのかという方も事実あるというのも私も承知しております。
 そういった方に、ボランティアにということのお話をして、私もケースワーカーの人間にも聞きました。実際にそういった事業をしても参加は難しいよという話がありました。そういったことも私も耳にした中では、その他世帯でも昨年の8月、その他世帯216だったのが平成24年の7月で175に減少してきたと。これはケースワーカーが1人ふえたことのあらわれなのかなというふうに私としては思っておりますので、先ほど私、答弁しましたように、その他世帯の就労意欲のない方においても、このケースワーカーが力を入れて取り組んでいきたいなというふうに私は思っております。
 以上です。
○議長(池田滋彦)
 2番 明石議員。
○2番(明石博門)
 確かに平成23年から5名から6名になりまして、徐々に最高が228名ですね、平成23年7月末で現在が175と徐々に減っております。これはケースワーカー大変努力されて、これは期待するものですが、実際に1名の方は5年以上もなってるわけですね。
 先ほどの部長答弁ございましたケースワーカーいわくということで、最初から就労する意思がないという方が、申しわけないですが、ほとんどないといいますかね、ほとんどない方に対してはどうされるんでしょうか。このまま5年、10年その方が高齢者になるまでこのまま見ていくわけでしょうか。それともケースワーカーの働きに期待するところがあるんでしょうか、その辺お願いします。
○議長(池田滋彦)
 福祉子ども部長。
○福祉子ども部長(毛受秀之)
 現状、今ケースワーカーは現行の法のもとに遵守しながら業務やっておるわけですが、そういった方に対するジレンマというのが現状あるというふうに聞いておるんです。
 今の現行でいきますと、そういった方では生活保護が切れるのか、強制的に切れるかというそういうことは、今現状もできませんし、やはり今の現在でいきますと、地道にやっていく以外には手はないのかなと。逆に家庭訪問も頻繁に、また来たのかということじゃあ言葉は悪いかもしれませんけど、それぐらいにしていかざるを得んのかなと。今、御心配される案件につきましては、私もその辺は大変危惧はしております。
○議長(池田滋彦)
 2番 明石議員。
○2番(明石博門)
 それでは、社会福祉ということを考えてみたいと思いますが、社会福祉は人間を否定するのではなく、どの人も変わるという限りない信頼を持つことが原点となっていると思います。
 生活保護の就労指導も初めから働く意欲のない人、だめな人とレッテルを張る排除するのではなく、貧困から抜け出し、暮らしをよくしたいと願う人々へのきめ細かな福祉援助を行っていただくものなのであります。
 したがいまして、知立市の就労指導、就労支援について適正に行われているかどうか、また、就労に対する具体的な選択肢を提供できる準備はできているのかどうか。つまり、求人情報やハローワークへの同行相談、就職依頼などの就労支援についての実態をお聞かせ願います。
○議長(池田滋彦)
 福祉子ども部長。
○福祉子ども部長(毛受秀之)
 現実的な就労支援ということで、今現在、パートの支援員が週3回来ていただいて、直接的にハローワーク等の情報、また、本人との面談の中で、この方の合った適正な職種は何だろうかとか、会社に直接電話したりして相談に応じております。
 ただ、前にも御指摘をいただいた中に、3日間ではなくてもう2日、毎日おるような体制をという御指摘をいただいております。
 そのことについては、今後といいますか、来年には必ず毎日体制できるようには必ずしていきたいなというふうに思いますし、また、民間の力をお借りしてという他市のそういった実例もお聞きしておりますので、その辺もどのような形でやってみえるかということもちょっと検討させていただいて、いずれにしても今以上な就労に向けた体制づくりはしていきたいというふうに思っております。
○議長(池田滋彦)
 2番 明石議員。
○2番(明石博門)
 就労支援員のこの増員ということは、よろしくお願いします。
 それで、福祉子ども部長は、ことしの仕事宣言にて生活保護費受給世帯、特に就労可能な世帯に対する生活状況や就労状況を把握し、より生活保護の適正化を図っていきます、こうおっしゃっておられます。部長のおっしゃる自立支援の適正化とはどういう状態が適正となるのでしょうか。
○議長(池田滋彦)
 福祉子ども部長。
○福祉子ども部長(毛受秀之)
 私が年度当初、仕事宣言であげた一つに生活保護の適正化ということをあげさせていただきました。
 今、御質問者おっしゃいました私の生活保護の適正化という思いですが、ほかに頼れる方もなく、生活に困窮しているなど生活保護でなければ生きていけないと判断し、迅速な保護開始を決定して給付すること。また一方、被保護者には能力に応じて勤労に励み、節約を図るなど、生活の維持向上に努める義務と収入等の届出の義務、市の指導、指示に従う義務、そういったことをきちんと果たしていただくよう指導、支援するものを私としては適正化というふうに解釈しております。
 以上です。
○議長(池田滋彦)
 2番 明石議員。
○2番(明石博門)
 わかりました。よろしくお願いします。
 それで、先ほどちらっとケースワーカーの話が出ましたが、貧困の原因、就労の希望職種は人それぞれに多種多様であり、同じ方はいません。ケースワーカーにはこれらの原因、希望職種に応じた対応が期待されるわけですが、豊かな人間性と自治体政策に関する幅広い知識と専門性が必要となるわけでありますが、就労支援員、ケースワーカーのレベルアップ、この就労に至ったケース等の他市との情報交流、これはどのようになっていますでしょうか。
○議長(池田滋彦)
 福祉子ども部長。
○福祉子ども部長(毛受秀之)
 今、当市先ほど申しました6名のケースワーカーと1名の査察指導員で生活保護業務を行っております。
 当市のケースワーカー1名に対する対象としている世帯は、今現在は75世帯、国で児童福祉法でいってる標準という80世帯には達しておるわけですが、以下ですので準則しているわけですが、現在レベルアップということでは、新規のケースワーカーにつきましては県主催の研修会が開催された折には参加をしますし、年2回の西三河7市の査察指導員、ケースワーカーの会議も開催されますので、それにも出席しております。
 それから、いろんなケースがあります。そうしたときには、福祉課内の担当のケースワーカーと私、課長も含めて全員で協議をしてどういった方向、また、ケースのするしないといった判定も行って、それから就労支援員につきましてもレベルアップするようにいつも常には情報の共有というようなことは常にとっております。
 以上です。
○議長(池田滋彦)
 2番 明石議員。
○2番(明石博門)
 よくわかりました。ありがとうございます。
 ケースワーカーについてお尋ねします。
 ケースワーカーは、生活保護制度を執行する単なる行政マンではなく、社会福祉事業として専門性を認知された福祉的援助の担い手であって、国民の最低生活の保障と自立支援への助長のために必要なすべての援助活動がケースワーカーの仕事ということであります。
 ケースワーカーは、非常に専門性の高い職種です。だけど個々のケースワーカーの背負うものがあまりにも重すぎます。新規保護申請者数はふえている中で、保護申請時の面談は重要なので、いいかげんな対応では禍根が残る。しかし、忙しいと、とりあえず保護しようとか、追い返そうとなりかねない非常に危険な状態との指摘もあります。日常的に生活保護相談、調査、支援活動などふえ続ける中で、毎日追われている昨今のバッシングもあります。
 そんな中で、仕事がすごく負担となって体調不良を起こし、精神的にも肉体的にも疲れきっている状況では、市民の生活保護行政に対する信頼も失われてくるのではないかと心配するものであります。だからこそケースワーカーが額に汗して懸命に頑張っていることを多くの方に知っていただきたいし、困難なケースを抱えて時には言われなき罵倒を浴びながらも頑張っている彼らを応援したいと強く思っております。
 そこで質問ですが、知立市の生活保護担当ケースワーカーの仕事の実態はいかがでしょうか。先ほどこれは2000年に改正されました自治法によりますして現業員配置基準が今までは80人というふうに言われてましたように、部長が御披瀝ありましたように、これは基準から標準ということになりました。先ほど部長は、1人当たり75名の方を今、受け持っているという基準というふうにおっしゃられましたけれども、やはり標準ですので、これが75名がほんとに妥当なのかどうかということは、もう一度検証していただきたいと思います。まず、実態をお聞かせください。
○議長(池田滋彦)
 福祉子ども部長。
○福祉子ども部長(毛受秀之)
 先ほど議員よりケースワーカーの職務について大変激励というか、力強い言葉をいただき、ケースワーカーにかわってお礼申し上げます。
 今現在、ケースワーカーの業務ということで、ちょっと簡単に御紹介させていただきます。
 ケースワーカーの日常実務としましては、窓口での相談では制度の仕組みを十分に説明するとともに、貸付、融資など他法の施策の活用等についての助言を行っております。そして、申請時には被保護者の権利と義務を説明をし、また、判定に必要な書類を提出してもらい、申請の希望が確認された場合は受け付けをしております。
 次に、保護の要否判定におきましては、当初、訪問所得調査、扶養調査等を実施しますが、時間等がかかる場合は2週間以内に保護を開始し、自己資産等があった場合は後日返還ということもございます。保護開始後、処遇方針を決め、稼働可能であれば、先ほども議論ありましたが就労のための指導、助言を行うと。また、自宅訪問を実施します。
 自宅訪問の実態ですが、基本的には毎日1名のケースワーカーが訪問を実施するように振り分けております。最低年2回から月1回以上のケースワーカーの判断により、必要に応じて家庭訪問をしておるわけです。給付は毎月5日に保護費の支払いを実施するために各ケースワーカーが担当分について収入認定や加算状況等を確認し、支給金額を確定しております。
 また、生活状況等の変化により支給金額が変更になった場合もあります。そうした場合は、追加、充当、返還等の処理も行っております。
 それから、ケースワーカーはいろんな人を担当しており、法を遵守していますが、中には被保護者においてその義務を十分果たしていないのに権利を主張し、威嚇されたりなじられたり、日々大変な仕事をしているという現状もありますので、御報告させていただきます。
 以上です。
○議長(池田滋彦)
 2番 明石議員。
○2番(明石博門)
 ありがとうございました。
 それで、先ほど部長の答弁の中に、ケースワーカーによる家庭訪問を頻繁にして行っていきたいというプログラムまでいかなくてもケースワーカーで対応したいという答弁もございました。
 それで、頻繁にということであれば、今、週1回、2回、2週間に1回といろいろあるかと思いますけども、今回6人になりましたが、しかし、刈谷市、安城市、高浜市、碧南市、この近隣の実質受け持っている就労支援人数が25人で受け持っているんですね。担当しているのが340人。ですから、1人当たり今、知立市以外ですと平均が60人の方を担当しておるんですけども、それから見ましても、知立市はまだまだ多いんじゃないかと思います。いかがでしょうか。
 今の現状6人で十分にこれから自立支援を促していけれるということはお考えでしょうか。それとも、もう少しふやしたほうがいいかなというふうにお考えでしょうか。
○議長(池田滋彦)
 福祉子ども部長。
○福祉子ども部長(毛受秀之)
 昨年度から5名から6名に1名増加ということの体制で進んでおるわけですが、私、担当者とも話をした中では、今の現状で十分とはいきませんが、ある程度の支援ということは可能であると。これは今までがあまりにも厳しかったということの裏返しかもしれませんが、ケースワーカーの担当の話を聞いていますと、現状で何とかいけれますという話は聞いております。
 以上です。
○議長(池田滋彦)
 2番 明石議員。
○2番(明石博門)
 わかりました。
 では頑張っていただきまして、ぜひ他市と同じぐらいのところまでのその他世帯にしていただければと思います。
 2番目に、保護世帯で育った子供たちが大人になっても再び保護に陥る貧困の連鎖を防ぐ教育支援について質問をいたします。
 平成22年国民生活基礎調査によりますと、2009年の貧困線は112万円となっており、総体的貧困率が16%、子供の貧困率は15.7%、ひとり親世帯の貧困率は50.8%、つまり我が国は国民の6人に1人、子供の6人に1人、ひとり親世帯の2世帯に1世帯が貧困状態で、この貧困率はアメリカに次ぐ貧困大国日本になりました。このデータはリーマンショック直後でしたので、多分今ごろは、さらに悪化していると思います。
 そして、小学生、中学生とも生活保護受給者の比率が右上がりにふえてきています。小学生の場合、2000年からこの10年間で1.5倍の伸びです。中学生の伸び率はもっと大きく、1.8倍となっています。格差社会化の進行が子供の世界に影を落としていることが、よくわかります。
 また、2008年度全国学力テストによりますと、国語の場合を例にとりますと、年収が1,500万円の家庭と200万円から300万円の家庭では国語の点数に倍以上の差があり、年収と点数は比例しているとの結果があらわれています。
 先ほどの貧困線が112万円ですので、112万円未満が16%でしたから、そういう貧困家庭だと1,500万円の所得のある方の約3分の1しか取れないということになります。これは本人の努力ともはや関係のないところにきているように私は思います。
 世の中では、生活保護家庭の子は自立しにくく、また、みずから生活保護受給者になってしまうといわれることがあります。貧困の連鎖ともいわれています。2007年の調査では、生活保護世帯の25%はみずから育った家庭も生活保護、生活保護世帯の世帯主の学歴は中卒、高校中退が73%とのデータがあります。このようなことから、教育支援のねらいは保護世帯で育った子供たちが大人になっても再び保護に陥る貧困の連鎖を防ぐことにあります。
 とりわけ貧困の連鎖防止に効果があるのが、高校への進学及び卒業だといわれています。当市のことし春に卒業した保護世帯の中学生のうち、50%の方が全日制公立高校へ進学しました。来春卒業予定の保護世帯中学生で46%の方が全日制公立高校へ進学の意向を示しています。愛知県では、平成23年3月卒業した全中学生での進学率が97.5%、これは保護世帯と大きな隔たりがあります。
 では、高校へ進学及び卒業するにはどうすればいいのか。これは埼玉県が行っている受給者教育支援事業を紹介しますと、2010年9月にスタートした支援で、教員OBと大学生ボランティアが特別養護老人ホームで学習教室を開き、生活保護世帯の中学生に、ほぼマンツーマンで勉強を教えています。週2回の教室に通う中学3年生の女子生徒は、テストの点数も上がり、参加したかいがありましたと話し、大学生ボランティアは、生徒から頑張って今の学力より上の高校を目指したいと言われたときは本当にうれしかったと顔をほころばせていたそうです。
 そして、その実績は目に見える形であらわれ、2011年度の中学3年生の対象者801人のうち、教室参加者は305人と全体の4割近くで達し、参加者の高校進学率は97%に上昇をしました。制度開始前の保護世帯の高校進学率と比較すると、実に10ポイントも増加しており、こうした成果を受けて県は2012年度から教員OBなどの支援員及びボランティアの人員をそれぞれ増員し、学習教育も10カ所から17カ所に増設しているとの報告があります。
 教育支援の取り組みの統括責任者は、こんなに多くの中学生が教室に通ってくれるとは、休み時間を削って勉強に打ち込むなど、大きな変化をした子もいます。こうした場が求められているのだとつくづく感じていますと学習教育の重要性を語っていました。
 また、七、八割の子供が学習塾に通うといわれる東京都では、塾に通う子供と通っていない子供との間に学力の差が出てしまいがちなのが現実です。例えば小学校6年生では、学校外教育費の月間支出が0円の世帯と5万円以上の世帯とでは算数の点数に2倍以上の開きがあり、学習の難易度が上がる中学、高校と進むにつれて学校の授業だけで学力をつけることが一層難しくなることは想像されています。
 しかし、保護家庭では子供に学習の意欲があっても塾に行かせられないことも多々あり、結果的に子供の学力、さらには高校や大学進学にも影響を与えかねません。
 また、横浜市の教育支援で受講した生徒は、高校に行ってみようと真剣に考えるようになった。家でやるよりもここでやるほうが集中してできるなどの声が聞かれ、卒業生の高校生も来ており、後輩の相談に乗っているようです。勉強を教えてくれた大学生のように、私も大学に行っていいのだと思えるようになりました。高校でもしっかり勉強して、将来は先生になりたいと決意していますと報告があります。
 生活保護家庭の子供は進学率が低く、中退者も少なくない。この貧困の連鎖を断ち切るために就学支援などを行い、子供たちが安心して学習できる環境こそが大切であると痛感します。
 福祉子ども部長にお尋ねします。
 本市においても生活保護世帯の中学3年生の学習環境の整備と放課後の居場所づくりにぜひともこのような学習支援教室が必要不可欠なものであると考えますが、設置についての御所見をお聞きいたします。
○議長(池田滋彦)
 福祉子ども部長。
○福祉子ども部長(毛受秀之)
 高校進学につきましては、現在のお話をさせていただきますと、当然ながら高校進学の重要性ということはケースワーカーから保護者にお話をさせていただいております。
 また、就学費や通学費などが保護費から対応できるということも説明もさせていただいております。たまたま今現在では高校無償という、一部支給できないとか無償ではない高校もあるかもしれませんが、そういったこともあります。
 私どもとしての市の単独ということでそうした塾といいますか、そういった生活保護の方を対象にした単独での事業というんですか、高校に向けての事業としては、なかなか今のところちょっと難しいのかなというふうに思っております。
 以上です。
○議長(池田滋彦)
 2番 明石議員。
○2番(明石博門)
 高校無償化というのは、これは関係ないんですけど、高校に入学する前にどういうふうな教育を保護世帯の子供たちにしていくかということをまず考えていただきたいんですが、生活保護扶助費の中にいろいろ含まれましたもののその一部が食費に回ったりとかいろいろするわけだと思います。ですから、これはお金じゃなくて、そういう場とか物、現物支給という形ですかね、先生だとかOBだとかいうことの形で子供たちの学力アップのためのことをしていただきたいと思います。これは要望しておきます。
 教育長にお伺いいたします。
 私は、ここまで福祉行政の側から、るる質問してまいりました。厚生労働省の生活支援戦略中間まとめによりますと、貧困の連鎖の防止等の観点から、地域において教育関係機関と福祉関係機関が連携して幼年期、学齢期の子供や高校中退者、不登校者及び課題を抱える家庭等に対する養育相談や学び直しの機会の提供も含めた学習支援を積極的に展開するとあります。学び直し、やり直し、勤め直し、こういうことができる社会であればと私は思っています。
 貧困はあるかもしれないけれども、貧困が連鎖すれば社会は停滞します。私は、貧困の連鎖を断ち切るためには、本来、国において福祉、教育、雇用などを含めて総合的な対策を考えなければならないと思いますが、今の政権には期待ができません。地方行政からと思っています。
 教育支援による生活保護世帯の高校進学を支援し、子供の将来の可能性を大きく広げることは、将来の我が国の基盤を強化する上で、大きな意味を持っているものだと思います。貧困の連鎖防止に向け、教育行政が福祉行政と連携した支援への取り組みについて見解をお聞きいたします。
○議長(池田滋彦)
 川合教育長。
○教育長(川合基弘)
 今いろいろなお話をいただきました。家庭の経済的な理由によって学習の機会が失われる、こういうことがあるとすれば、子供にとっても保護者にとっても大変不幸なことであります。
 教育の機会を均等に施すために、今先ほどは生活保護の話がずっと出てきましたが、小・中学生を持つ家計が苦しい家庭、要保護家庭あるいは準要保護家庭に対して就学援助を行っています。なかなか日本の経済が立ち直らない中、就学援助を受けるこういった家庭が年々ふえています。
 経済的な理由で学習塾に行けないということについてですけども、調査したことはありませんが、実際そういうことは経済的に厳しい家庭では、やはり学習塾に行く機会が少ないだろうなということは想像できます。
 ただ、小・中学校における公教育は、学習塾に行くとか行かないとかいうことではなくて、経済的な格差によって学力差が生まれてはいけない。つまり一人一人が学校の授業でわかる、そういったことを我々としては一生懸命取り組んでいかないかんというふうに思っています。
 そのために教育委員会としては、少人数学級を充実させたり、あるいはきめ細かな指導対応教員を配置したり、教員の授業力がですね、子供たちがわかる授業ができるようなそういう力をつけるための教員に対する研修などを充実させることによって、学校での授業で子供たちが少しでも理解ができるように努めているところであります。
 また、高校進学に向けて支援の必要な家庭に対しては、奨学金制度を御利用していただき、貧困の連鎖によって能力が発揮できない、そういう状況が生まれないように努力をしているところであります。
 今、御質問と御提案の中で、福祉行政と教育行政の連携についてというお話がありました。
 ただ、今現在は、そのことについては特にこういったことを考えてるといったアイデアは持ち合わせていませんが、今後課題とさせていただきたいと、そんなふうに考えています。
○議長(池田滋彦)
 2番 明石議員。
○2番(明石博門)
 ありがとうございました。
 市長にお伺いいたします。
 貧困に至る原因は、共通して失業などの雇用問題ではないでしょうか。応急対策としての生活保護は必要ですが、雇用問題の解決なくして貧困問題は解決できない。雇用と教育をセットにした取り組みが必要だと考えます。
 失業者は精神的に傷を負っているか、社会とのかかわりに苦手意識を持っていることが多いようです。再就職しようにも工場で働いていた労働者に、次は農業だといっても無理があります。しっかり再教育、訓練を受け、今の社会で生きていくために生涯教育に予算と時間をかけること、また、再び自立できる仕組みも不可欠と考えます。
 我が党も就労収入の一部を積み立て、自立時に活用できる制度の導入も訴えています。最近、各自治体は、就労支援や住居の優遇策などで、受給者ができる限り自立できる道の支援策を研究をしています。
 林市長は、自立や就労に対する促進策や制度改正などを今後どのようなスタンスで取り組もうとされているのか、基本的な考えをお聞きして私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(池田滋彦)
 林市長。
○市長(林 郁夫)
 生活保護受給者世帯の自立支援に対する考え方であります。
 先ほど来、部長申し上げましたように、ケースワーカー、そして就労支援員の人事的な側面としては、そういったことを充実させていくこと、とりわけケースワーカーは今75人に対して1人でありますけれども、来年度に向けて、これも部長申し上げましたように、就労支援員でありますけれども、今、週に平日3日でありますが、これは平日は毎日来ていただいて、できるだけ自立の可能性のある方をハローワーク等に引率していただいてジョブマッチをしていただく、そんなことを積極的にやっていきたいと思っております。
 あわせて、その他世帯の方々というのは非常にひきこもりタイプと申しますか、なかなか心的に精神的に消極的になっていらっしゃる方も多いというふうにお聞きをしているわけでありまして、そうした中で、先ほど来御紹介いただきました釧路方式などは、やはり私も一つの考え方としていいのかな。ボランティアの活動にまず取り組んでいただいて、社会性を身につけていただいて、そしてお仕事についていただく、そうした方向性もいいのかなと。また、ボランティアに限らず生涯学習活動でもいいのかな、また、コミュニティ活動でもいいのかな。とにかく社会活動になれていただいて、そして、その中からお仕事に行くための意欲を身につけていただく、そんなことも大事なことかなと思っております。
 いずれにしましても、これからも生活保護の受給者の方々の自立の支援について、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○議長(池田滋彦)
 これで2番 明石議員の一般質問を終わります。
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○議長(池田滋彦)
 以上で、本日の日程は全部終了しました。
 本日は、これで散会します。
午後5時57分散会
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