○2番(明石博門)
 知立市議会定数条例の一部を改正する条例について、公明党会派を代表いたしまして賛成討論をさせていただきます。
 住民がみずからの意思と責任で地域のことを決定することが新しい地方自治のあり方で、これを地域主権として掲げ、その確立のため我々はさまざまな取り組みに挑戦し、現在も挑戦中であります。
 地方議会につきましては、さまざまな問題が指摘されてまいりました。総与党化し、執行機関に対する監視が不十分。議決権の行使も首長の提案を追認する傾向がある。多様な層の幅広い住民の意見を十分に反映できていない。住民との直接対話、住民参加が不十分など、こうした指摘に応えて二元代表制における議会の役割を明確にし、その機能を発揮していかなければなりません。
 住民の信頼を得るためには、議会運営のあり方はもちろん、議員定数の問題など地方議会みずからが改革に取り組む強い覚悟と行動が必要です。私たちは、住民の立場に立ち、住民自治を強化する観点から、地方議会改革を進め、さらに議員力アップに努めなければなりません。
 議員定数削減論は、国、地方を通じて財政が危機的状況に至った昭和50年ごろから主張され始め、臨時行政調査会の昭和57年の答申をピークに、議会は定数削減に積極的に取り組んでまいりました。
 自治省は昭和60年の地方行革大綱で定数削減について自主的な検討を進めるよう要請しました。表向きには苦しい財政事情の中で、事業の見直し、組織の合理化、給与の適正化をその理由に挙げましたが、本音のところでは定数削減を迫っていたわけであります。折あしく露見した議員のカラ出張やその他の不祥事は、厳しい世論の批判を買い、各議会に定数削減を決断させるきっかけとなりました。
 議員が1人減れば議員報酬や費用弁償、政務活動費のような補助金を含めて多額の支出が減ることになります。確かに財政当局にとって議員削減はプラスでありますが、議員はそれぞれ異なる意見を持つ住民代表なわけですから、定数削減は、いわば住民の多様な意見を地方行政に反映させる道を狭めることになります。定数削減は経費削減となるため、住民にとってプラスの効果は大きいのですが、その半面、最下位当選の多い特に革新系議員とか、小政党の議員の議席を失わせることになります。また、保守系候補同士でも競争相手や新人候補を封じ込める効果を伴うので、定数削減は必ずしも住民にとってプラスの効果だけがもたらすものではありません。地方にとってマイナス効果さえあります。
 地方分権による権限委譲に伴って議会活動は今まで以上に重要性を帯び、議員の仕事量はふえることが予想されます。事実、当市におきましても、既に議会報告会の実施や出前講座、予算委員会の設置などの計画があり、仕事量アップは確実であります。国は、今までやってきたことを地方に任せました。地方行政や住民サービスに格差はつきもので、各自治体のやり方次第で違いが出てきます。住民は、今後の分権の成り行きと議会活動を期待しつつ、見守っています。その期待に反して議会活動が相変わらず低調ぎみであれば、議員に対する信頼がまた薄れるし、せっかく議会のほうに向きかかった目が、またそっぽへ向いてしまいます。
 今まで財政事情から、やむを得ず容認してきたのとは違って、今度は議会無用を理由に議員の減数条例制定を求めて直接請求に出ないとも限りません。事実、前回の議会報告会でも市民から直接請求の話がありました。地方分権を推進するに当たって、その対応策を議論した各種審議会は、定数削減について慎重でありました。都道府県議会制度研究会の答申は、議員定数は議会の審議能力、住民意思の適正な反映を確保することを前提にして考えるべきである。今後、地方分権の推進に伴って地方団体の事務量が増加し、議会の役割が重くなることから、これまでのような一律的な削減論は適当でない。議会の自主性、尊重の観点から事務量などを考慮し、また、住民の意見を聞いて議会が自主的に条例で定めるべきだとしています。
 これに対して、地方分権推進委員会は、政府に対して地方の議員減数の実態を勘案して議員の法定数の弾力化を要請しました。これは、案に定数削減を示唆しています。市町村合併も結果としては議員定数削減につながっております。
 およそ議員数というものは、議会が民主主義、地方自治の根幹をなす重要な機能を果たすものだけに、議員報酬が高いとか低いとか、財政事情がどうだからどうこういうことで考えるものではありません。地方議員の適正規模は議会活動の中身に照らし、議会の活性化問題とあわせて判断されるべきものであります。私ども公明党会派は、これらのことを勘案し、また、民意に応えることを最重要視して定数削減に賛成とさせていただきます。
 以上です。
○議長(池田滋彦)
 次に、本案に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(池田滋彦)
 次に、本案に対する賛成討論の発言を許します。
 18番 村上議員。
○18番(村上直規)
 議長の御指名をいただきましたので、民友クラブを代表して賛成の立場で討論をさせていただきますが、先ほど来、石川議員、そして坂田議員、明石議員のほうから賛成討論を含めて、いろいろ述べられております。私ども民友クラブとしては、そういったところについては割愛をさせていただき、我々の会派としての考え方を少し述べさせていただき、討論とさせていただきますが、我々、民友クラブの会派指針の筆頭に常に挙げられておるのが、万機公論に決すべき、つまり政治は議会ということで置きかえれば世論に従って決定すべきというのが私たち3名の考えであります。
 今回の定数削減は、こうした会派の指針及び我々の考えと合致すべきものであります。平成24年8月の議会報告会の資料でもお示ししたように、行政事情はサービスの電子化を目覚ましく多くの市民に市ホームページなどでITの媒体だとか、そういったものでタイムリーに与えられている、そういう時代になってくる。こうした変化は、行政運営をする透明性の確保と同時に、メールなどにより市民の声を行政に反映させる監視機能の一つとして大いに役割を果たしているところであると、こう述べさせていただき、今回の定数削減はこうした社会情勢を大きく反映した動きの一つであり、多くの市民から再三にわたる削減要望の声としてここを我々会派として真摯に受けとめていきたい、こういったコミットメントを重要視していきたいと3名として考えております。
 あくまでもここに掲げられた目標値は、5名の削減であるが、今回の3名の削減案、議員定数20名は民友クラブとしての目標値に対して大きな前進であり、この議員提出議案に賛同させていただきました。よろしくお願いいたします。
○議長(池田滋彦)
 次に、本案に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(池田滋彦)
 次に、本案に対する賛成討論の発言を許します。
 20番 風間議員。
○20番(風間勝治)
 知立政策研究会として賛成の立場で討論させていただきます。重複はお許しください。
 知立市議会議員の定数は、昭和61年3月議会で26人から23人に改正し、現在に至っています。当時の地方自治法は、議員定数をその地方公共団体の人口に応じて自治法に第90条、第91条と規定しており、人口5万人以上15万人未満の市は36人と規定され、ただし、議員定数は増加することはできないが条例で減少することはできるという第90条の第3項、第91条の第2項と規定されていました。
 その後、地方分権一括法によりまして、平成15年1月1日からは地方議会の議員の定数の上限数を自治法で規定し、その範囲内で各地方公共団体が議員定数を条例で定めることとされ、人口5万人以上15万人未満は上限定数30人と規定され、知立市では引き続き議員定数条例で23人と規定し、地方自治法上は地方分権の概念に沿った緩和推進が図られてきました。
 平成23年、今177通常国会におきまして、ついに議員定数の上限数を撤廃するという改正が行われました。私どもにとりましては、やっと改正されたのかの感は否めなかったわけでございますが、これにより地方議会議員の定数は国から定められるのではなく、自主的に決定することとなったわけであります。このことは、地方公共団体や地方議会の自主自立性を高め、個性豊かで活力の満ちた地域社会の実現を図ることにつながるなど、地方分権、分権自治の大いなる進展につながり、大変歓迎の改正でありました。
 ただ反面、国からの一定の根拠や目安がなくなり、自分のまちの議員定数は自分たちで決めなければいけないという大きな重大な責任を与えられたわけであります。
 知立政策研究会といたしましては、この自治法改正を受けまして、知立市の現在の人口規模や財政状況、将来予測、近隣市の状況など、総合的に研究、分析を図ってきました。また、議員定数は日本国憲法前文に規定されております代表民主制の根幹をなす規定であります。この住民の意思を代弁することは議員の基本原則でありまして、住民の民意と乖離のない民意を十分に尊重した定数問題の結論を出していく必要があると考えていました。
 さらには、被選挙権、選挙に立候補する権利という全ての市民にかかわる間接民主主義の住民、有権者が共有する大変崇高なものでありまして、市民の議員定数の考え方が動向を慎重に探りながら知立市の市議会の議員定数が何人が理想なのかなどの課題を慎重に協議、検討してきたわけであります。その結果として今回の定数削減の改正条例案に賛同し、4会派が共同提案したわけでありますが、私ども知立政策研究会としましての賛成の根拠は、次の6点です。
 第1点目が、市民の動向であります。今日までに市議会議員の定数削減の陳情が平成10年12月、平成12年2月、平成16年8月に提出され、また、平成20年2月の知立市特別職報酬審議会では、定数削減を検討すべきの附帯意見が出されていますし、平成21年8月の議員定数削減の陳情には1,030人の署名が添付されていました。このように、過去5回にわたる定数削減の陳情や意見が出された点であります。
 第2点目は、私どもが議員活動している中で、議員定数の見直し要望は数多く寄せられており、昨今の市民が切望されている重要案件と感じた点であります。
 第3点目は、平成23年11月に知立市議会が実施した市民アンケートの結果であります。64%の市民が定数が多いと答えており、そのうちの75%は20人以下を適正な人数にしていると答えている。また、今のままでよいは16%にとどまっている点などを十分に考慮させていただきました。
 第4点目は、類似との比較であります。県内の豊明市、日進市、田原市など同規模市を見ましても議員定数が20人以下が大半である点であります。
 第5点目は、審議権と委員会構成を考えた点であります。審議の重要性から見ますと、現在の3常任委員会は最低限必要であり、企画文教委員会8人、市民福祉員会8人、建設水道委員会7人から1人ずつ3人削減しても最低限の委員会審議、行政の監視能力などは担保できると判断しました。
 旧自治省の中畠行政課長という方がおられまして、議会での本音で議論をするためには、最低でも六、七人が必要との見解もあり、現在の3委員会の審議権、活力ある議論に向けての判断をした点でございます。
 第6点目は、経費節減でありますが、これは余り私は声を大にして主張したくはない部分でございます。あくまでも時の行政改革に入れるような、そんなやわなものではないと考えているからでございます。被選挙権という崇高な重要な制度を、やはり同一視することはいかがなものかと思いますが、ただ、そうは言いましても経費削減も大きな点として考慮させていただいたということでございます。
 根拠は以上でございますが、ただし、心配な側面もこの際、申し上げておきたいと思います。
 平成22年12月議会で議会改革特別委員会が設置され、全会派で議会の活性化、開かれた議会、議会機能の強化など、市民に信頼される議会を目指して議論が進められてまいりました。さきの3月議会では、待望の議会基本条例も全員賛成で可決、成立しました。
 この条例には自由討議や政策討論会、議決事件の拡大や議会報告会の開催など、現状の議会機能をより一層充実させ、議員の政策能力の強化を図り、市民福祉の向上や市政の発展を目指して各種制度が規定されております。このことは、議会議員として仕事量や活動量が日常的にふえるということでありまして、充実された制度を運営していける最低限の議員の数と、そして議員の質が今まで以上に求められるわけであります。民意がこれらの現状を余り理解せずに議員定数の大幅な削減で今後さらなる議会改革で充実される予定の市議会を適正に運営できないような議員定数を導き出すのは、議会の運営や委員会の審議に支障を来すなど、最終的には市民が不利益をこうむる結果となり、本末転倒と言わざるを得ません。
 さきの1月に開催されました議会シンポジウムの講師の野村稔先生も、議会議員の数を減らすことは大変危惧している旨の講演もあったわけでございます。やはりその辺は、現状を熟知している私ども議員が将来に禍根を残さないように現状を十分に分析、研修、検証を図り、適正数を見きわめていかなければならないわけで、その辺を十分に検討した結果のぎりぎりの3人の議員定数削減の改正であるということは、市民の皆様方も御理解を賜ればと切に思う次第でございます。
 いま一つは、私自身の態度変更にも触れておきたいと思っております。
 私、風間自身は、地方分権が進む中、住民のための議会機能の充実に向けては住民の代弁機能や議会機能を後退させる議員定数の削減には過去一貫して定数削減の陳情には反対してまいりました。
 ただ、平成21年に出されました陳情に対しては知立政策研究会、当時は1人でございましたが、私の反対討論には再三の定数削減の重要性に鑑み、より真剣に市民の声を受けとめるためには、市議会全体として検討委員会を立ち上げ、定数を見きわめる旨、意見を表明させていただいております。再三の民意の動向に配慮する形で、この時点から容認する、そういう方向性を示唆させていただいたわけでございます。
 平成22年設置されました議会改革特別委員会で協議が進められている中で、平成23年に自治法の上限定数の撤廃もようやく実現し、住民の議員定数削減の民意も相当高まってるので、現行から20人までの削減もやむなしの当初の意見も表明をさせていただいております。
 また、定数削減を公約された議員、あるいは公言し続けている議員と会派を組み、協議も頻繁にしてまいりました。その上で地方自治法改正の概念や多くの切実な定数削減の民意、そして、当市の財政状況や議会基本条例に規定された各種新制度が今後の議会改革を想定した新たな制度の議会を運営するに当たっての必要最低限の議員のニーズなど、知立市議会の議員定数を見きわめるために政策研究会会派議員間で十分に協議した結果、私としましては、知立市議会の議員定数は20人前後で削減していく必要があると会派として正式な態度を変更させていただいたことをここに申し上げて御理解をお願いする次第でございます。
 その上で定数削減賛成の今回の提出会派、市政会といろいろ最終調整をした結果、3人削減の20人として会派間で正式合意をして、きょうの提案になりましたことをここに申し上げる次第でございます。
 いずれにしましても、今後より一層地方分権、分権自治が進んでいく中で、議会改革の一環として議員が民意に応え、議員みずから率先して行革の推進を図っていく、そういう範を示す時期にもきておりますし、今後は議員定数が削減され、審議やチェックが弱くなった、二元代表制において議会のレベルが下がり、行政上位になり下がった、民意の代弁力が低下したなどとやゆされることのないように、議員がより一層えりを正し、自己研さんを重ね、資質の向上を図ることが肝心で、議員の使命をしっかりと果たしていくことが求められております。
 市議会が憲法第93条第1項規定の議事機関、そして合議制機関、あるいは意思決定機関として民意をしっかりと反映し、議会基本条例をベースにして市民に開かれた信頼される議会を目指し、さらに前進を図っていかなければならないと改めて決意を新たにしております。市民の皆様の今まで以上の御理解と御協力をお願いし、私を含めての議会、あるいは議員のさらなる奮闘を再認識し、再確認をさせていただきまして、以上で知立市政策研究会を代表いたしましての賛成討論を終わります。
○議長(池田滋彦)
 次に、本案に対する反対討論の発言を許します。
〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(池田滋彦)
 討論なしと認めます。これで討論を終わります。
 これより議員提出議案第4号 知立市議会議員定数条例の一部を改正する条例の件を起立により採決します。
 本案は原案のとおり決定することに賛成の議員は起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(池田滋彦)
 起立多数です。したがって、本案は原案のとおり可決されました。
―――――――――――――――
○議長(池田滋彦)
 以上で本日の日程は全部終了しました。
 本日は、これで散会します。
午後1時37分散会
―――――――――――――――