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平成26年度 施政方針

はじめに

  本年、1月1日中日新聞社説に、知立市と防災協定を提携している福井県鯖江市の『希望学』についての取り組みが掲載されておりました。

  その中で、『希望は、個人の内面以上に、個人を取り巻く社会に左右される』との指摘がされています。

  市民の皆様方が、より住みやすく感じていただけるよう、また、希望を持つことができる環境づくりのため、未来への投資や、身近な課題に対しての取り組みなど、本年度も、優先順位を見極め、引き続き、誠実に着実に、事務事業を遂行してまいりますので、よろしくお願いいたします。

  知立市政の大方針を定めております第5次知立市総合計画は、2014年をもって区切りとなります。
  本年度は、第5次の推進状況を踏まえ、かつ時代の要求するものを的確に捉え、市民の皆様方とともに新たな計画を策定していくところでありますので、よろしくお願い致します。

  現在の第5次知立市総合計画が目指しているところは、『輝くまち みんなの知立』であります。

  知立に住む、知立に集う、全ての方々がそれぞれの輝きを放ち、様々な立場や形で知立のまちづくりにご参加いただくことで、知立は眩い輝きを放っていくものと確信をしており、様々な場面において着実にその芽が出てきているところであります。

市民参加のまちづくり

  例えば、昨年末に開催された『1日まちのふれあい科学館』。

  これは、『まちのふれあい科学館』設置を目指す市民団体『ナスもル知立』が発足1年を経過し、開催したものでありますが、これからも大きな期待がかかるところであります。

  また、各家庭に掲載していただいている、『警察と協力しています』看板。

  当初、市民の方がデザインしてくださり、地域限定でスタートしたものでありますが、現在では、知立市内全域において各世帯に掲示していただいており、様々な市民ボランティアによる防犯パトロールとともに、知立市の犯罪抑止の大きな力となっております。

  また、知立の新たな名物のひとつとして、あんまき姫、そして、こぼたん、という名のゆるキャラも、昨年度、市民の皆様方の手で作られ、いろんな行事に引っ張りだこである他、老人クラブの皆様方がみまもり隊として、かぶっていただいている帽子のデザインも、高校生が策定していただいたものであり、市内全域で、見かけられるようになりました。

(写真)こぼたん あんまき姫

  また、本年は、いよいよ、全国山・鉾・屋台保存連合会の総会であります。
  市民の皆様方からなる実行委員会が、大いなる力を発揮していただけることを期待しているところであり、市としましても、より多くの皆様方に、知立の祭り、国指定文化財を見ていただくべく、一緒になって取り組んでいくところであります。

 

(写真)知立まつり

  また、ボランティア団体につきましては、市民活動センターへの登録団体だけでも120を超え、それ以外にも多くの皆様方にボランティアに取り組んでいただいており、それぞれ様々な場面において、非常に活発に活動をしていただいている他、生涯学習地域推進委員さんなどに運営していただいている地域生涯学習で活動されていらっしゃる方々も、年間延べで12,000人を超えてきており、健康作りや仲間作り、そして知立市の活力作りに大きく貢献していただいているところであります。

  『私たちは、先人が築いた地域資源や文化を引き継ぎ、より暮らしやすくするとともに、豊かで潤いのある未来を次の世代へ繋げるために、ともに力をあわせていかなければなりません。』知立市まちづくり基本条例の前文であります。

  知立に住む方、集う方、関係各位全ての皆様方におかれましては、家庭のように家族のように、『輝くまち みんなの知立』にすべく、本年度もよろしくお願いいたします。

  以降、個別の課題への取り組みについて申し上げます。

安全で安心できるまちづくり

  まずは、安全で安心できるまちづくりに向けての取り組みであります。

  犯罪発生率を下げるため、民間駐車場の防犯カメラ設置補助や防犯関連物品購入補助などを引き続き行ってまいります。また、交通事故撲滅に向けての様々な啓発活動を引き続き行うほか、路側帯などの明瞭化、交通安全施設の設置、また、ゾーン30の設定なども地域の方々と協力しながら考えていきます。

(写真)防犯・交通安全対策

  また、本年度も、防災対策には、さらに力を入れてまいります。
東日本大震災においては、今なお多くの方々がご苦労されていらっしゃいます。知立市といたしましては、本年度も引き続き被災地への職員派遣などの支援を行ってまいります。

  この地域にもいつ大きな地震が発生するかも知れません。

  阪神淡路大震災での死亡原因の多くは、家屋の倒壊や家具の転倒による圧死でありました。家屋の耐震化や家具の転倒防止の取りつけ等、引き続き啓発を行ってまいります。

  また、同報無線の設置や防災ラジオの整備なども、引き続き行っていくほか、防災訓練に、より多くの皆様方が参加してくださるよう尽力してまいります。

(写真)防災対策

  阪神淡路大震災では命の助かった方の多くが、行政からの支援ではなく、隣近所や地域の方々からの支援に支えられておりました。そうしたことを踏まえ、昨年度、自主防災会連絡協議会を立ち上げました。本年度、各自主防災会の更なる活性化が図られるよう支援をしていきます。

  また、知立市では、他県との防災協定を積極的に結んでおります。
  太平洋側における地震に影響の無いところ、半日以内で行き来できるところ、愛知県内において他自治体と提携していないところなど、主に3つの条件のもと、提携自治体は、長野県伊那市、福井県鯖江市、富山県魚津市、岐阜県下呂市、石川県能美市、滋賀県栗東市の、6市になりました。
本年5月には、6市の市長さんに声をかけさせていただき、知立市において、防災のシンポジウムを開催させていただくこととしており、より多くの方々のご参加をお願いするところであります。
  いざという際に、互いに助け合えるより深い関係になるよう、日頃からのお付き合いを、市民の皆様方にも、ぜひともよろしくお願い致します。

(写真)相互応援防災協定

子育て支援に関しての取り組み

  次に、子育て支援に関しての取り組みであります。

  知立市においては、子ども条例が、議員全員の皆様方の賛成のもと可決され、施行されており、本年度も、引き続き、子ども達の健やかな成長をみんなで支えていく、そんな環境づくりに取り組んでまいります。

  まずは、子どもの生きる力を育む、個性を伸ばしていく、ひとりひとりにしっかり向き合うことのできる学校教育環境づくりに引き続き取り組んでいきます。
4年生までの35人学級、きめ細かな教育を行うための教員配置に加え、本年度より、子どもサポート教員を、小中学校全校に配置していまいります。

   また、各学校において特色のある学校づくりをしていくため、『魅力ある学校設計事業』を、引き続き推進していく他、学校保全事業を計画的に進めていくため、学校施設整備基金の積立を行うほか、南中学校の校舎改造工事を行ってまいります。

  また、来年度の供用開始を目指し、療育の機能を有する(仮称)知立市中央子育て支援センターの建設を行ってまいります。

(イラスト)(仮称)知立市中央子育て支援センター

  本年度も、子ども達の健やかな成長のために、着実に諸施策を講じていくところでありますので、重ねてよろしくお願いいたします。

福祉への取り組み

  次に福祉への取り組みについてであります。

  現在、平成28年度を目標年度とした知立市地域福祉計画の実行に努めているところであります。
  ひとりひとりの尊厳を重んじ、人と人とのつながりを基本として、困った時に助け合う『顔の見える関係づくり』、またお互いを認め合い支えあう『共に生きる社会づくり』のための仕組みをつくるため、様々な施策を推進してまいります。

  例えば、『福祉を育む意識づくり』であります。

  福祉まつりの継続的な実施や地域活動団体を通じた広報・啓発、学校教育、生涯学習における福祉意識の醸成などにも引き続き取り組んでまいります。
  また昨年度より始めた、職員が高齢者や障がい者の方々に、より的確に対応するための職員研修を引き続き行ってまいります。

(写真)福祉まつり

  また、『地域福祉活動の促進』策として、ボランティア活動への支援や社会福祉協議会とのより一層の連携強化を図っていく他、『福祉サービスの利用促進』策として、福祉サービスの情報提供や介護予防と在宅福祉のサービス促進を、広報やホームページなどを通じ、積極的に行ってまいります。

  また、本年度、障がい者計画の策定を行っていく他、障がい者相談窓口の充実化を図ってまいります。

  また、来年度供用開始予定の発達障がい児や肢体不自由児の療育も行う子育て支援センターの建設、及び、より実効性の高い施設とすべく音楽療法士、作業療法士関連の予算も計上していくところであります。
  また、障がい者の方々が、気軽に集うことができるよう、ボランティアの皆様方にご支援いただき、サロンの開設を推進していくところであります。

  一方、高齢社会に向けての取組みであります。

  知立市の高齢化率については、これからも伸びていくことが予想されます。
高齢者の皆様方に、いつまでも元気に健康でいていただくことが、『輝くまちみんなの知立』の求めるところでもあります。
  そうした背景を踏まえ、『生きがいをもって暮らせる環境づくり』として、高齢者の就業支援やボランティア活動、社会参加活動などの推進、また『住みなれた地域で暮らし続けることのできる環境づくり』として高齢者福祉サービスの提供、介護保険制度の的確な運営などを引き続き行ってまいります。

  福祉の推進につきましては、知立市地域福祉計画でも目的としております。困った時に助け合う『顔の見える関係』、まさに『家庭のような家族のようなまち』をつくることが肝要であると思っておりますので、よろしくお願いいたします。

環境に関しての取り組み

  次に、環境施策に関しての取り組みであります。

  知立市は、環境美化推進条例を施行いたしており、ポイ捨て、犬のふん放置の禁止事項を罰則規定とともに定めております。

  環境美化指導員や環境美化推進員の啓発、指導などで、着実に効果は出てきており、更に効果を上げるべく、引き続き、愛知県では初めてのふん公害撲滅のためのイエローカード作戦などを、地域の皆様方にご協力いただきながら展開していく他、昨年度より試行しております不法投棄多発箇所への監視カメラの設置について、更に増設を図ってまいります。

  また、ごみ集積所がより近い場所となるように、身近な場所において、ミニごみステーションの設置について試行していくところであります。

  一方、環境施策につきましてはそうした身近な課題への対応と併せ、地球レベルでの環境施策についても引き続き講じていくところであります。

  昨今、環境保護や保全への重要性が益々高まり、大量消費・廃棄の生活の見直し、環境への負荷の低減への様々な取り決めや規制などが行われています。

  また、東日本大震災時以来、これまで以上にエネルギー問題に対しての関心が高まってきております。
  当市におきましては、今後も7万人クリーンサンデーなどの啓発やごみの減量化、リサイクルの強化など廃棄物対策、CO2削減などの環境保全への対応などに着実に取り組んでいく他、市民の皆様方へ太陽光発電設備設置の補助や、太陽光発電設備設置のための公共施設の屋根貸し事業、また、民間事業者などがエコアクション21の認証を取得するための補助事業を引き続き、行ってまいります。

(写真)7万人クリーンサンデー

  エネルギー問題につきましては、市民の皆様方ひとりひとりに地域社会、日本のあるべき未来のエネルギーのあり方を考えていただく、そんな環境づくりをしていくことが肝要であると考えておりますので、これからもよろしくお願いいたします。

健康に関しての取り組み

  次に、健康づくりに関しての取り組みであります。

  健康であることは、全ての皆様の願いであります。引き続き、妊産婦・乳児検診事業、特定年齢がん検診推進事業、インフルエンザ予防接種事業、高齢者肺炎球菌ワクチン接種事業を行ってまいります。

  また、本年度より糖尿病重症化予防事業として、国保加入者の方で糖尿病の方における追跡健康チェックを行い、人工透析患者とならないような取り組みを行っていく他、こころの病が増えている現状を踏まえ、市ホームページに「こころの体温計」を導入します。

  WHO(世界保健機関)で提議している健康は、すなわち、『身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態である』ことであります。

  様々な検診や予防接種を受けていただくこととあわせ、自分を取り巻く地域社会を、自分の家庭のように家族のように感じていただけることが、より『身体的、精神的、社会的』な健康状態になっていくものと思っております。いろいろな関係や絆づくりにもなる、様々な生涯学習活動、市民活動、ボランティア活動などをしていただけるような環境づくりや雰囲気づくりをこれからも推進していくところでありますので、よろしくお願いいたします。
 

まちの活力づくり

  知立は現在100年に一度のまちづくりとして、知立駅の高架事業、そして街路事業や土地区画整理事業、再開発事業など、知立駅周辺整備事業を推進しております。今後も、『暮らしやすく、集いたくなる、輝きあるまち』、定住人口、交流人口をより増大させるべく、関係各位ならびに多くの方々からのご意見をいただきながら、着実に進めてまいります。

(イラスト)知立駅鉄道高架イメージ

  また市内の中小企業者が元気であることは、まちの活力にも大いに関係するところであります。市内中小企業者を市民みんなで応援していこう、そんな目的を持った中小企業振興条例を策定しました。これからも、愛知県と協力し中小企業再投資促進補助事業も推進していくなど、従来の商工事業費における諸事業に、観光事業なども絡み合わせながら、まちの賑わいづくりを皆様方と共に推進していくところであります。

  また、本年度、全国山・鉾・屋台保存連合会総会が開催されます。

  たくさんの方々をお迎えし、知立市の魅力を発信していくことに努めていくと共に、より多くの市民の皆様方に、改めて、知立まつりの素晴らしさを伝えていくところであります。

  まちの活力は、市民ひとりひとりのご活躍により為されていくものであります。
これからもひとりひとりが、まちづくりにそれぞれのお立場で、参加できる活躍できる、そんな環境づくりに努めてまいります。よろしくお願いいたします。

より効率的、効果的な行政運営

  多様化する行政課題、厳しい財政運営などを鑑み、本年度も、より効率的で効果的な行財政運営を構築してまいります。

  昨年度は、刈谷市・高浜市・東浦町と衣浦定住自立圏を形成し病診連携システムを稼動させました。

  知立市は、現在、ごみ処理については刈谷市と、し尿処理については豊田市と、また、消防行政については碧南市・刈谷市・安城市・高浜市と一緒に、行っているところであり、本年度も、様々な枠組みの中で他自治体と連携しながら行政施策を推進していくところであります。

  また、国の補助金や交付金など特定財源については、本年度も、情報を的確かつ迅速に把握し、可能な限り、各種事業に充当していくよう、全庁的に取り組んでいく他、本年度から始めてまいります、太陽光発電設備設置のための公共施設の屋根貸し事業など、税以外の財源確保にも引き続き努めていく他、企業誘致についても引き続き、働きかけを行ってまいります。

  また、知立市とって、より効果的な公共施設配置を行うことができるよう、公共施設のあり方を改めて検討し、公共施設白書を策定してまいりますので、よろしくお願いいたします。

おわりに

  今から20年以上ほど前の1993年。
  国会において、『地方分権の推進に関する決議』がなされました。

  1993年の国会決議は、『国民が待望するゆとりと豊かさを実感できる社会をつくりあげるために、中央集権的行政のあり方を問い直し、地方分権のより一層の推進を望む声は大きな流れとなっている』と述べており、その背景には『成長優先の政策と共に、国民を大切にする政策』の必要性などが言われていたところであります。

  私は2期目の初登庁の際、職員に『住民票の発行や道路の修繕など、目に見えるサービスとあわせ、市民に丁寧な対応や明るいあいさつなど安心感や信頼感を持っていただける、お金をかけなくともできる目に見えないサービスを大事にして欲しい』と指示させていただきました。

  本年の干支は、『午(うま)』であります。
宿場町として『池鯉鮒の馬市』として交流のまちとして栄えていた知立市であります。

(イラスト)歌川広重「池鯉鮒・首夏馬市」

  本年度も、私ども行政は常に自分自身を律し、行政改革の不断の実行や情報公開を行いながら、市民の皆様方に信頼感を持っていただける行政運営を心がけてまいります。知立市民、知立に集う皆様方に、それぞれ幸せや喜びを見つけていただける環境づくりのために、着実に諸施策を推進してまいる所存でありますので、よろしくお願い申し上げ、所信とさせていただきます。

お問い合わせ先
協働推進課 秘書広報係
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