現在の位置

知立市まちづくり基本条例について

家

地方分権の進展に伴い、地方自治体には、自ら考え、自ら行なうという自主自立の自治体運営が強く求められてきており、自己決定、自己責任の原則のもとに、独自性のある、特色のあるまちづくりを推進していくことが、極めて重要になってきています。
  この独自性、特色のあるまちづくりを推進していくためには、自治の基本的な考え方を明確にして、自治体運営の当事者であります市民、議会、行政の三者が共有することが必要です。
  そのため、本市におけるまちづくりを推進していく上で、どのようなことを大事にして、どのような方法で取り組んでいくべきか、市政運営の基本的な事項を条例という形で明確にして、その取り組みの一層の推進を図っていかなければなりません。
  本条例には、本市におけるまちづくりの基本理念をはじめ、市民の皆様や市の役割、協働によるまちづくりの基本的事項などが盛り込まれています。
  誰もが暮らしやすく、生きていて楽しいと感じることのできる知立市を、市民の皆様との協働により築いていくことが重要である、との基本的な認識のもとに、この条例を制定しました。
  なお、本条例は、知立市まちづくり基本条例策定市民会議の提言の趣旨を尊重したもので、前文のほか、本則が21条、附則が1項から構成されております。また、条文につきましても、市民に親しみやすく、わかりやすい表現に留意いたしました。

家

条文

知立市まちづくり基本条例

私たちのまち知立市は、有数の歴史遺産と都市の景観が調和した、人々が集う魅力あるまちです。
私たち市民は、ここに集い、生まれ育ち、学び働き、暮らし、それぞれの歴史を刻み、文化を育んでいます。
私たちは、先人が築いた地域資源や文化を引き継ぎ、より暮らしやすくするとともに、豊かで潤いのある未来を次の世代へ繋げるために、ともに力をあわせていかなければなりません。
そのためには、市民が、市民の手で、市民の責任で主体的にまちづくりに取り組むことが大切です。
市民一人ひとりが自ら考え、まちづくりに積極的に参画することによって、私たちのまちの自治を推進し、市民、市議会、市が協働しながら、それぞれの持つ個性や能力がまちづくりに発揮される地域社会を実現しなければなりません。
このような認識の下、知立市のまちづくりの理念を共有し、このまちを誰もが暮らしやすく、生きていて楽しいと感じることのできるまちにするために、ここに知立市まちづくり基本条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、知立市のまちづくりの基本理念を明らかにするとともに、協働によるまちづくりを推進するための基本原則を定めることにより、豊かで潤いのある地域社会の実現を図ることを目的とします。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによります。
(1) 市民 市内に居住する者、働く者及び学ぶ者並びに市内で事業を営むもの又は活動する団体等をいいます。
(2) 協働 地域の課題の解決を図るため、それぞれの役割と責任のもとで、ともに考え、協力し、行動することをいいます。
(3) 参画 市民がまちづくりの過程に主体的に参加し、意思決定にかかわることをいいます。
(4) コミュニティ 地域住民が互いに助け合い、地域の課題に自ら取り組むことを目的として自主的に結ばれた組織又は集団をいいます。
(まちづくりの基本理念)
第3条 市民、市議会及び市は、次に掲げるまちづくりを推進するため、協働することを原則とします。
(1) 人と環境にやさしく、健康で安心して暮らせるまちづくり
(2) 人々が集う交流のまちづくり
(3) 次代を担う子どもを豊かに育むまちづくり
(4) 互いの人権を尊重し、思いやりの心を育むまちづくり
(5) 芸術や文化を大切にするまちづくり
2 市民、市議会及び市は、情報を共有することを原則とします。
3 市民、市議会及び市は、互いに尊重し合い、常に信頼関係を築くための努力をすることを原則とします。
(市民の権利)
第4条 市民は、まちづくりに関する情報を知る権利を有します。
2 市民は、まちづくりに参画する権利を有します。
(市民の責務)
第5条 市民は、まちづくりの基本理念にのっとり、主体的にまちづくりに取り組むよう努めなければなりません。
2 市民は、まちづくりに取り組むにあたり、自らの発言及び行動に責任を持たなければなりません。
(コミュニティ)
第6条 コミュニティは、地域社会の担い手として主体的にまちづくりに取り組むよう努めるものとします。
2 市民は、コミュニティの役割を認識し、守り育てるよう努めるものとします。
3 市は、コミュニティの自主性及び自立性を尊重し、その活動を必要に応じて支援しなければなりません。
(市議会の責務)
第7条 市議会は、市民の意思を代表し、議決権、調査権等を持つ合議制の意思決定機関として、民主的な市政の発展に寄与しなければなりません。
(市の責務)
第8条 市は、第3条第1項各号に掲げるまちづくりを推進するため、必要な施策を講じなければなりません。
2 市は、市民の意見をまちづくりに反映するとともに、参画する機会を確保するため、必要な施策を講じなければなりません。
3 市は、市民の主体的なまちづくり活動を促し、その活動を必要に応じて支援しなければなりません。
(市長の責務)
第9条 市長は、市の代表者として市政を公正かつ誠実に執行しなければなりません。
2 市長は、市民のまちづくりに関する情報を知る権利及び市民のまちづくりに参画する権利を保障するとともに、これを実現するための施策を講じなければなりません。
3 市長は、まちづくりの基本理念に基づき、協働によるまちづくりの推進に努め、市民の信託に応えなくてはなりません。
(情報の公開及び提供)
第10条 市は、公正で透明な市政の実現を図るため、情報を積極的に公開し、及び提供しなければなりません。
(個人情報の保護)
第11条 市は、個人情報の保護に努めなければなりません。
(説明・応答責任)
第12条 市は、施策の立案、決定及び実施に当たって、その必要性及び妥当性を市民に説明する責任を果たすよう努めなければなりません。
2 市は、市民の意見、要望、提案等に対し速やかに応答するよう努めなければなりません。
(総合計画等)
第13条 市は、議会の議決を経て、この条例の理念に基づいた基本構想及びこれを実現するための基本計画(以下「総合計画」という。)を策定し、又は変更するものとします。
2 市は、前項に規定する総合計画の進捗状況を明らかにするとともに、行政評価を行い、その結果を公表しなければなりません。
3 市は、総合計画及び行政評価に連動した予算編成及び執行に努め、健全な財政運営を図らなければなりません。
(他の地方公共団体等との連携)
第14条 市は、共通する課題の解決を図るため、関係する地方公共団体等との連携及び協力に努めるものとします。
(市民意見提出手続)
第15条 市は、市の基本的な政策等を策定するときは、事前に案を公表し、市民の意見、情報及び専門的知識の提出を求めなければなりません。
(審議会等)
第16条 市は、委員会、審査会、審議会等(以下「審議会等」という。)の委員に公募の委員を加えるよう努めなければなりません。
2 審議会等の会議は、公開を原則とします。
(住民投票)
第17条 市長は、広く住民の意思を直接問う必要があると判断した場合は、住民投票を実施することができます。
2 住民投票の実施に関し必要な手続及びその他必要な事項については、その都度、別に条例で定めます。
(まちづくり委員会)
第18条 市長は、協働によるまちづくりを推進するため、市民主体による自主研究組織として知立市まちづくり委員会を設置します。
(位置付け)
第19条 市は、他の条例、規則等を定める場合においては、この条例の内容を最大限に尊重しなければなりません。
(見直し)
第20条 市は、この条例の施行後5年を越えない期間ごとにこの条例の内容について検討を加え、その結果に基づいて見直しを行なうものとします。
(委任)
第21条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定めます。
附 則
この条例は、平成17年4月1日から施行します。

条例の骨格

条例の骨格

条例の解釈

(前 文)
私たちのまち知立市は、有数の歴史遺産と都市の景観が調和した、人々が集う魅力あるまちです。
私たち市民は、ここに集い、生まれ育ち、学び働き、暮らし、それぞれの歴史を刻み、文化を育んでいます。
私たちは、先人が築いた地域資源や文化を引き継ぎ、より暮らしやすくするとともに、豊かで潤いのある未来を次の世代へ繋げるために、ともに力をあわせていかなければなりません。
そのためには、市民が、市民の手で、市民の責任で主体的にまちづくりに取り組むことが大切です。
市民一人ひとりが自ら考え、まちづくりに積極的に参画することによって、私たちのまちの自治を推進し、市民、市議会、市が協働しながら、それぞれの持つ個性や能力がまちづくりに発揮される地域社会を実現しなければなりません。
このような認識の下、知立市のまちづくりの理念を共有し、このまちを誰もが暮らしやすく、生きていて楽しいと感じることのできるまちにするために、ここに知立市まちづくり基本条例を制定します。

・知立市の住民自治の基本となる条例と位置付け、本条例の制定に際し、前文を設けています。
憲法のほか、基本法といわれる法律等には前文が置かれ、制定の趣旨や基本的な考え方を述べています。この条例においても、前文をおき、条例制定の背景や目指すべき自治のあり方、まちの姿等について述べています。

目的
第1条 この条例は、知立市のまちづくりの基本理念を明らかにするとともに、協働によるまちづくりを推進するための基本原則を定めることにより、豊かで潤いのある地域社会の実現を図ることを目的とします。

・第1条は条例の目的を定めています。
条例の必要性(背景・趣旨等)は前文で定めていますので、ここでは、「協働によるまちづくりを推進するための基本理念や基本的な事項を定め、豊かで潤いのある地域社会の実現を図ること」を目的として定めています。

定義
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによります。
(1)市民 市内に居住する者、働く者及び学ぶ者並びに市内で事業を営むもの又は活動する団体等をいいます。
(2)協働 地域の課題の解決を図るため、それぞれの役割と責任のもとで、まちづくりのためにともに考え、協力し、行動することをいいます。
(3)参画 市民がまちづくりの過程に主体的に参加し、意思決定にかかわることをいいます。
(4)コミュニティ 地域住民が互いに助け合い、地域の課題に自ら取り組むことを目的として自主的に結ばれた組織又は集団をいいます。

・第2条は、この条例の中で、認識を共通にしておきたい重要な用語を定義しています。

まちづくりの基本理念
第3条 市民、市議会及び市は、次に掲げるまちづくりを推進するため、協働することを原則とします。
(1) 人と環境にやさしく、健康で安心して暮らせるまちづくり
(2) 人々が集う交流のまちづくり
(3) 次代を担う子どもを豊かに育むまちづくり
(4) 互いの人権を尊重し、思いやりの心を育むまちづくり
(5) 芸術や文化を大切にするまちづくり
2 市民、市議会及び市は、情報を共有することを原則とします。
3 市民、市議会及び市は、互いに尊重し合い、常に信頼関係を築くための努力をすることを原則とします。

・第3条は、知立市におけるまちづくりの基本理念について定めています。
この条例は、市民参画と協働によるまちづくりの推進を目指しています。市民がまちづくりに関する情報を共有して、市政に積極的に参画し、また市と協働してまちづくりを推進することにより、真の市民主体の自治の確立を目指すものです。また、まちづくりの目標として5項目を掲げています。
(1)「自然、環境、防災、防犯、福祉、健康」環境を損なわず、知立市に残る自然を生活の大きな要素として生かしながら、安全で安心して生活できる快適な住環境のまちづくり、また、市民の健康増進を図り健やかに暮らせるまちづくりを進めるものです。
(2)「経済、産業」恵まれた交通環境を生かし、市民生活の様々な活動の利便性の向上や、地域産業の活性化を図ることにより、活力あるまちづくりを進めるものです。
(3)「次世代、教育」子ども達の生きる力を育むには様々な知識や能力を身近な地域社会の中で学ぶことも必要です。次代を担う子ども達が自らの将来に思いを抱き、健康で安心して快適に暮らし続けることのできる、明るく希望に満ちたまちづくりを進めるものです。
(4)「基本的人権」まちづくりという共通の目標に取り組むには、すべての市民の基本的人権の尊重のもとに進める必要があります。市民がお互いを思いやる、一人ひとりの人権を尊重したまちづくりを進めるものです。
(5)「歴史、文化」先人達が築いてきた歴史、文化や芸術は、私たちの生活に潤いと心のゆとりや安らぎを与えてくれます。この歴史、文化を後世に継承し、新たな知立の文化を創造するまちづくりを進めるものです。

市民の権利
第4条 市民は、まちづくりに関する情報を知る権利を有します。
2 市民は、まちづくりに参画する権利を有します。

・第4条は、自治の基本となる、主権者としての市民の権利を定めています。
市民が自ら考え、行動するためには、市に関する様々な情報やまちづくりに対する考え方などが市民に十分に提供され、説明されていなければならないとの考え方を示すものです。まちづくりの原点は、そこに暮らす市民が同じ情報を共有することで、初めて対等な議論ができると考えられることから、必要な情報を入手する権利について定めています。市民は市政の主権者であり、政策の形成、実施、評価など市政運営に広く参画し、意思決定に関わることを保障しています。市民はまちづくりの主役であることから、まちづくりに主体的に参加することと、まちづくりに関し意見を言うことができることを保障し、参画と協働のまちづくりを推進していきます。なお、これは権利ですので参加しないことを理由に不利益を被ることはありません。

市民の責務
第5条 市民は、まちづくりの基本理念にのっとり、主体的にまちづくりに取り組むよう努めなければなりません。
2 市民は、まちづくりに取り組むにあたり、自らの発言及び行動に責任を持たなければなりません。

・第5条は、まちづくりを進める上での、市民の責務を定めています。
まちづくりの推進を図るために、市民は第4条のような権利を有していますが、それに対する責務も生まれてきます。市民の責務は法的な義務として強制されるものではなく、主体的に果たすべき責務として捉えています。市民自らが自治の担い手であるということを認識して、自己決定・自己責任の観点からも、自らの発言と行動に責任を持つことを責務として定めています。

コミュニティ
第6条 コミュニティは、地域社会の担い手として主体的にまちづくりに取り組むよう努めるものとします。
2 市民は、コミュニティの役割を認識し、守り育てるよう努めるものとします。
3 市は、コミュニティの自主性及び自立性を尊重し、その活動を必要に応じて支援しなければなりません。

・第6条は、地域社会を担うコミュニティの役割を定めています。
地域を構成する人々がお互いに助け合い、支えあい、いきいきと暮らすことができるコミュニティの形成は地域にとって大切なことです。行政だけでは解決できない地域の多様な課題を、地域の市民同士の自主的、主体的な活動や市との協働を通じ解決することが、まちづくりの担い手になるとの考え方を示すものです。コミュニティには町内会を始めとした地縁的なつながりを基にした集団と、ボランティア、NPO(非営利活動団体)など目的で結びついた集団があり、どちらもまちづくりを担う不可欠な存在だと考え、位置付けをしました。

市議会の責務
第7条 市議会は、市民の意思を代表し、議決権、調査権等を持つ合議制の意思決定機関として、民主的な市政の発展に寄与しなければなりません。

・第7条は、市民の代表機関である議会の責務について定めています。
自治体の統治機構のうち、二元代表制の一翼を占めるのが議会です。議会は、市長とともに住民の直接選挙によって選ばれる代表機関であり、市長と独立対等な地位にあり、相互の牽制と均衡により自治体の適正な行政運営を果たすことが求められています。その重要性から地方自治法に定められた議会についても、この条例で定めています。地方自治法第96条によって定められる議会の役割に基づき、市の意思決定機関(議決機関)としての責務として、公正・誠実、市民に開かれた議会運営に努める必要があります。議会は市民の代表として、市政が市民の意思を反映し適切に運営されているかどうかを地方自治法第98・100条に定められる検査権・監査権・調査権に基づき、常に監視していかなければなりません。

市の責務
第8条 市は、第3条第1項各号に掲げるまちづくりを推進するため、必要な施策を講じなければなりません。
2 市は、市民の意見をまちづくりに反映するとともに、参画する機会を確保するため、必要な施策を講じなければなりません。
3 市は、市民の主体的なまちづくり活動を促し、その活動を必要に応じて支援しなければなりません。

・第8条は、市の責務について定めています。
まちづくりの主体は市民との認識のもと、市として行なわなければならないこと、果たさなければならない責務について定めています。市は、市民との協働により第3条第1項の(1)から(5)に掲げられたまちづくりを進めるため、必要な施策を講じなければなりません。そのためには市民の意見がまちづくりにおいて最大限に生かされるよう参画しやすい制度や環境の整備を進めなければなりません。また市民が主体的にまちづくりに取り組むことができるよう、市民活動への支援について定めています。

市長の責務
第9条 市長は、市の代表者として市政を公正かつ誠実に執行しなければなりません。
2 市長は、市民のまちづくりに関する情報を知る権利及び市民のまちづくりに参画する権利を保障するとともに、これを実現するための施策を講じなければなりません。
3 市長は、まちづくりの理念に基づき、協働によるまちづくりの推進に努め、市民の信託に応えなくてはなりません。

・第9条は、市長の責務について定めています。
自治体の代表者である市長には大きな権限が与えられています。自治を推進するために、この条例を遵守した上での市政の推進について定めました。執行権者としての市長は、市民の負託に応え、市政の代表者として公正かつ誠実に市政の執行に当たるとともに、豊かで潤いのある地域社会の形成を図るため、協働によるまちづくりの推進に努めなければならないとするものです。第2項については、第4条の市民の権利について保障しています。

情報の公開及び提供
第10条 市は、公正で透明な市政の実現を図るため、情報を積極的に公開し、及び提供しなければなりません。

・第10条は、市民に対しての情報公開と提供について定めています。
市民に対する説明責任を踏まえた情報の提供、さらには市民と市との情報の共有化を図っていくことは、市民と市の信頼関係を築く上で欠かせないものであり、開かれた自治体として市の保有する情報を積極的に公開及び提供することを定めています。なお、本市では「知立市情報公開条例」(平成13年)を制定しています。

個人情報の保護
第11条 市は、個人情報の保護に努めなければなりません。

・第11条は、個人情報の保護について定めています。
情報の公開や提供は大切なことですが、個人のプライバシーなど基本的人権を守るために、当然、市には保有する市民の皆さんの個人情報を保護する義務もあり、それらを同時に進めていかなければなりません。なお、本市では「知立市個人情報保護条例」(平成13年)を制定しています。

説明・応答責任
第12条 市は、施策の立案、決定及び実施に当たって、その必要性及び妥当性を市民に説明する責任を果たすよう努めなければなりません。
2 市は、市民の意見、要望、提案等に対し速やかに応答するよう努めなければなりません。

・第12条は、市民に対しての説明責任と応答責任について定めています。
行政活動の内容や意思決定の過程について、市民にわかりやすく説明するなどの、市の説明責任(アカウンタビリティ)について規定しています。具体的には、市の仕事の企画立案、実施及び評価のそれぞれの過程で、その経過や内容等について市民に説明していくこととしています。また、市民から意見や要望、提案等を受けた場合は、その事実関係等を調査し、できる限り速やかに誠実に応答することとしています。

総合計画等
第13条 市は、議会の議決を経て、この条例の理念に基づいた基本構想及びこれを実現するための基本計画(以下「総合計画」という。)を策定し、又は変更するものとします。
2 市は、前項に規定する総合計画の進捗状況を明らかにするとともに、行政評価を行い、その結果を公表しなければなりません。
3 市は、総合計画及び行政評価に連動した予算編成及び執行に努め、健全な財政運営を図らなければなりません。

・第13条は、総合計画及び行政評価、財政運営について定めています。
総合的、計画的に市政を進めるための総合計画は、まちづくりの基本理念(第3条)により策定する考え方から定めています。市が実施した政策・施策・事業に対する評価を行なうことによって、行政の効果的、効率的運営、説明責任の確保、新たな行政課題の設定、職員の意識改革や政策形成能力の向上を図ることはもちろんのこと、市民の行政サービスに対する満足度や意識の把握に努めなければなりません。総合計画を進めるために財政的な裏付けが必要ですので、予算編成においても予算執行においても総合計画の達成度と実施に対する行政評価の結果を反映させることで、効果的で効率的な財政運営を図ることとしています。

他の地方公共団体等との連携
第14条 市は、共通する課題の解決を図るため、関係する地方公共団体等との連携及び協力に努めるものとします。

・第14条では、広域的に対処しなければならない課題に対応するため、他の地方公共団体や公共的な活動を行なう団体との連携と協力を定めています。
市民生活の活動範囲は日常的に市域を超えて広がっており、広域で取り組むことにより効率的・効果的に行なえることもあります。これら広域的なまちづくりの施策を推進するには、他の地方公共団体等との連携・協力がかかせません。

市民意見提出手続
第15条 市は、市の基本的な政策等を策定するときは、事前に案を公表し、市民の意見、情報及び専門的知識の提出を求めなければなりません。

・第15条は、市民意見提出手続(パブリックコメント)の実施について定めています。
市民意見提出手続(パブリックコメント)は、市が政策の立案などを行おうとする際にその案を公表し、この案に対して広く市民などから意見や情報を提出する機会を設け、市は提出された意見などを考慮して最終的な意思決定を行なうというものです。市民が意見を表明する制度として確立しつつあることから、実施することを規定しました。なお、本市では「知立市パブリックコメント制度実施要綱」(平成16年)を定めています。

審議会等
第16条 市長は、委員会、審査会、審議会等(以下「審議会等」という。)の委員に公募の委員を加えるよう努めなければなりません。
2 審議会等の会議は、公開を原則とします。

・第16条は、市が設置する審議会等について定めています。
市が市政を運営するにあたり、市民や専門家の意見を聴きながら施策を実施していくものとして、法律等に基づき設置されている附属機関について、市民参加の一手法であるとの考え方から定めています。市政運営に対し広く意見の集約に努めるとともに住民参加を推進するため、市の意思形成の過程における各種の委員について、公募により市民を加えるよう努めることを定めています。ただし、法律等による充て職の場合など公募を実施することのできない附属機関や、専ら高度に専門的な事案を取り扱う附属機関など、性質上公募に馴染まない場合は除きます。審議会等・・・法律又は条例に基づき設置する委員会、審議会等の附属機関や有識者等の意見を聴取し行政に反映させることを主な目的として要綱等により設置する懇話会、協議会などをいいます。

住民投票
第17条 市長は、広く住民の意思を直接問う必要があると判断した場合は、住民投票を実施することができます。
2 住民投票の実施に関し必要な手続き及びその他必要な事項については、その都度、別に条例で定めます。

・第17条は、直接住民の意思を問う住民投票制度について定めています。
多様な市民ニーズをより適切に行政運営に反映させるためには、代表民主制を補完する直接民主制的な手法も必要であり、住民が投票によりその意思を直接表明する「住民投票」は、住民自治の充実を図る観点で必要との考え方から、住民投票制度について明記しています。住民一人ひとりの意思を確認する必要に迫られたときの最終手段としてのみ行なわれるものと考えられます。この条例で規定する住民投票は、個別事案ごとに、その都度、投票の実施に係る必要事項(住民投票に参加できる者の資格、投票方法、成立要件、投票結果の取扱いなど)を定める投票条例を議会議決により制定し実施するもので、「非常設型」の規定となります。住民投票の取扱いについて、すべての事案を一律の取扱いにすることは制度的に硬直的になり、適切な判断の妨げとなる可能性があるため、最も適切な対象や方法を選択できるよう住民投票の実施にあたっては、個別事案に沿って、投票者の範囲等必要な事項を条例として定めるため、議会を通じて、実施の可否も含めた必要事項を審議することになります。なお、住民については地方自治法第74条に基づき、条例の制定にかかる直接請求ができることが規定されています。また、地方自治法第112条の「議員の議案提出権」に基づく発議により、市議会議員が住民投票条例を市議会に提出できることが規定されています。

まちづくり委員会
第18条 市長は、協働によるまちづくりを推進するため、市民主体による自主研究組織として知立市まちづくり委員会を設置します。

・第18条では、市民参画の仕組みの一つとして、まちづくり委員会の設置について定めています。
市民がまちづくりについて自主研究を行なうとともに、市への具体的な政策提言する場として「まちづくり委員会」を設置します。市民の持つ多様な意見・知識などを市政に反映することにより、市政への参画と協働によるまちづくりを推進していく制度です。市は政策等の提言があったときは、速やかにその内容や効果などについて検討し、その趣旨を十分に尊重し、できる得る限り市政に反映するよう努めます。

位置付け
第19条 市は、他の条例、規則等を定める場合においては、この条例の内容を最大限に尊重しなければなりません。

・第19条は、この条例の位置付けを定めています。
本市のまちづくり及び自治運営の基本条例であることから、他の条例、規則等の制定改廃や解釈・運用にあたっては、この条例を、規準とすることを明示しています。法体系上、条例間に優劣や上下関係はありませんが、まちづくりや自治運営のあり方等に関する分野においては、他の条例や規則等はこの条例を基本とし、その趣旨を尊重すべきということを規定したものです。

見直し
第20条 市は、この条例の施行後5年を越えない期間ごとに条例の内容について検討を加え、その結果に基づいて見直しを行うものとします。

・第20条は、この条例の見直しについて定めています。
本条例の位置付け、役割からして、時代の変化に応じて、この内容が適正であるか、見直しすることは重要と考えています。この条例制定時点においては、その永続性を担保するものですが、社会情勢や経済情勢は変化のテンポをさらに早めることも想像されます。場合によっては本条例の改正が必要とされる場面も考えられることから、それに的確に対応させるため、条例の見直しについて定めています。

委任
第21条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定めます。

お問い合わせ先
企画政策課 政策係
〒472-8666
愛知県知立市広見3丁目1番地
市役所4階25番窓口
電話:0566-95-0114
ファックス:0566-83-1141
メールフォームでのお問い合わせはこちら