知立市人権尊重のまち宣言
知立市人権尊重のまち宣言
令和4年知立市議会9月定例会において「人権尊重のまち宣言」が議決されました。
知立市は、「人権教育・啓発に関する知立市行動計画」策定し、人権に関する施策を推進してきましたが、依然として差別や偏見は存在しています。社会情勢の変化や市の状況を踏まえ、宣言の趣旨を尊重してまちづくりに取り組んでいきます。
宣言の経緯・背景
平成27年に策定した「第6次知立市総合計画」では 、5つの基本理念の1つとして、「互いの人権を尊重し、思いやりの心を育むまちづくり」を定めており、 また 、平成18年には「知立市人権施策推進本部」を設置し、平成23年に「人権教育・啓発に関する知立市行動計画」を策定しました。
その後、平成30年に現行の「人権教育・啓発に関する知立市行動計画【2018-2027】」を策定し、人権に関する施策の推進に取り組んできました。しかしながら、依然として差別や偏見は存在しています。 さらには新型コロナウイルス感染症に関連した人権問題が新たに発生するなど、社会情勢は大きく変化しています。
知立市は、「知立市人権尊重のまち宣言」を定め、市民一人ひとりの人権意識をより一層高めることが必要であると考えます。
基本的な考え方
人権は、誰もが生まれながらにして持つ権利です。昭和23年に国連で採択された「世界人権宣言」では、「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神を持って行動しなければならない」とうたわれています。また、「日本国憲法」でもすべての国民に基本的人権を保障しています。このような考えのもと、国内外ではさまざまな人権に関する施策が進められてきました。
しかしながら、今日においても国籍、文化、習慣、性別、世代、考え方の違いによる不当な差別や偏見がみられます。こうした人権侵害の要因としては、人々の中にある自分とは異なるものを受け入れられない、認められないという考え方や、非合理的な社会慣習からくる意識の存在が考えられます。また、国際化、情報化、高齢化、少子化など近年の急速な社会変化も要因のひとつとしてあげられます。
現在、人権に関する問題は多様化しており、これまで取り組んできた部落差別や女性、子ども、高齢者、障がい者、外国人、感染病患者などの人権課題に加え、性的指向、性自認への差別や偏見、インターネットにおける人権侵害、個人情報等にかかわるプライバシーの侵害などの課題も出てきています。
近年では、新型コロナウイルス感染症に関連して、感染者やその家族、医療従事者などの人に対する心無い発言や投稿がなされるという事例も発生しています。 また、私たちは知らず知らずのうちに人を差別し、人権を侵害している場合もあります。
知立市は、令和3年5月21日に内閣府からSDGs達成に向けた取組を先導的に進めていく自治体「SDGs 未来都市」として選定されました。SDGs未来都市として、「すべての人々の人権」を尊重し、「誰一人取り残さない」持続可能 なまちづくりを 今後も継続していく必要があります。
第6次知立市総合計画の基本理念と人権教育・啓発に関する知立市行動計画の基本目標に掲げる「互いの人権を尊重し、思いやりの心を育むまちづくり」を念頭に置いて、差別や偏見の根絶、さらには一人ひとりの多様性を認め合いながら(ダイバーシティ)、差別を受けた人の痛みや、目に見えない差別に苦しむ人のつらさを互いに共有し、解決に取り組む思いやりのある社会の実現を目指して、私たち市民一人ひとりの人権意識をより一層高めるため、「知立市人権尊重のまち」を宣言いたします。
宣言の構成
宣言の構成は、基本的な考え方に基づき以下のとおりとしています。
・基本的人権は日本国憲法で保障され、世界人権宣言第1条により自由で平等である
・人権に関する問題は、今もなお発生している
・一人ひとりが、人権意識を向上していくことが求められる
・互いを認め合い、尊重しあえる地域社会実現への誓いとなるものとする
知立市人権尊重のまち宣言
私たちは、日本国憲法及び世界人権宣言の基本理念に基づき、基本的人権が尊重され、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等です。
しかしながら、今もなお、部落差別や女性、子ども、高齢者、障がい者、外国人、感染病患者などの人権課題に加え、性的指向、性自認への差別や偏見、インターネットにおける人権侵害、個人情報等にかかわるプライバシーの侵害などの課題が存在しています。
私たち一人ひとりが、人種、国籍、民族、信条、年齢、性別、性的指向、性自認、社会的身分、門地(家柄)、障がい、疾病、考え方などの違い、その他の事由により差別されることなく、お互いを尊重し、人権にかかわる幅広い問題について理解を深める努力をし続けなければなりません。
私たちは、すべての市民の人権が保障される誰もが暮らしやすい地域社会を築いていくため、ここに「人権尊重のまち」を宣言します。
令和4年9月30日
更新日:2024年07月22日